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大滝詠一は伝道師だった?

今更と言ってしまえばそれまでの事。
しかしながら、日本のポップスを語る上で避けては通る事のできないアーティストである事は間違いない。
3年間に12枚のアルバムを制作(1枚は山下達郎のナイアガラ在籍時のベスト)したかと思えば、
「A LongVatican」.「EachTime」2枚のオリジナルアルバムを発表したら隠居?
まさに、邦楽ポップス界の伝説と化した。
様々な方が様々な角度で考察されているので、筆者のようなシロウトが「何言ってんだ!」となるのかも知れないが、それでも気づいた事を書いてみたい。

大滝詠一〜君は天然色

「A  Long Vatican」発売が81年なので、もう40年以上も前の楽曲。
それでも、毎年のようにCMやカヴァーで聴く機会がある、
エバーグリーンな曲。
ストレンジな思いもあるが、なぜ、ここまで愛される曲なんだろう?
なぜ、普遍的なエバーグリーンな曲なんだろう?
リアタイで聴いていたとしたら、今は50代半ば?
となれば、ほとんどみんな後追い…だろうね、
一度は聴いたことがある名曲!

大滝詠一のことを少しだけ…

詳細はいくらでもネットに山程あるので、割愛!
経歴等書いたところで、研究されてる方にはかなわない。
ただ、覚えていて欲しいことがある。
とりあえず、そこだけチェック!

FEN(現AEN アメリカ軍向けの放送局)を中学生から聞いていたので、
50' 〜60'代のアメリカンポップスに傾倒。ここだけ覚えててね。
とにかくあの登場のキラキラした、美メロ、コーラスが大好きな方。

川を遡ってみる

まぁ、これだけアメリカンポップスに知識が豊富で、博識な方はいません(断言!)彼を知るにはルーツに触れるしか方法が無いのだ!
そこで、源流まで遡る事にした。
彼の…ナイアガラのサウンドはどこから来たのか?
「ナイアガラサウンド」は「ウォールオブサウンド」をモチーフにしてる。
どんなサウンドかと言えば、簡単に言えば、文字通り「音の壁」。
複数の同じ楽器を同時に、しかもユニゾンで演奏する事で音圧を高め、
エコーもかけ、サウンドが壁の様に迫ってくる。
そんなサウンド。(とても簡潔に言ってますが、本当ははもっと深いです。)
発明したのはプロデューサーのフィル・スペクター。
この人がキーパーソン。
彼を調べると…
出てくる、出てくる…沢山のアーチストが。
ロネッツ…クリスタルズ…ダーレンラブ…ライチャスブラザーズ…
そこにあのビートルズさえも…
とにかく、60年代のアメリカンポップスが大滝詠一のルーツ。
(大滝さんは邦楽にも造詣が深く、クレージーキャッツ等もルーツ)

そこで、当時の曲を聴きまくった。
もちろん、フィル・スペクターが関わってない、
チャック・ベリー、バディホリー、フォーシーズンズ…
ありとあらゆる当時の曲を…
すると、一つのことがはっきりしていった。
スタイルは違えど、どの曲もメロディが美しい。
ロックンロールであっても。
そして、コーラスが美しい。
どの曲にも共通している。
こんなに所に大滝詠一は魅了されたに違いない。

大滝詠一のパクリ疑惑

はっぴいえんどからソロ活動。
ラジオ、執筆活動、さまざまな解説、考察、音楽史…等々
これだけの功績を残した人なので、賛辞がとにかく多い。
が、しかし…
ネットをみると…「パクリ疑惑」が沢山、山のように見られた。
それも、面白おかしく…
批評、批判するにはちゃんとした知識が必要だが?
楽譜を比べたのか?
メロディのチェックはしたのか?
さも、自分で見つけたかの様に、「ほらほら」的な…
かわいそうな方々…
こういう方は「音楽ファン」では無いと思うのです…
即刻、音楽から離れた方が良い。

大滝さんのファンは「引用」「元歌」「元ネタ」「オマージュ」等と、言い、
ファンではない方は「パクリ」と、言う。
言い方は違えど、結局はパクってる?
確かに言われてる曲は似てるんだなぁ。
ただ…よく聴くと、「パクリ」とは違う気もする。
当時の曲って「雰囲気」がそもそも似てる。
シンプルなメロディで、かつ、美メロ。
ワンフレーズでも似てると全体が似てると感じる。
そこで、筆者が「似てる」と思われる曲を、あえて紹介!

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風立ちぬ
 松田聖子 

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元歌と言われてる歌

ジミークレイトン ビーナス イン ブルージーンズ

例2 

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A面で恋をして ナイアガラトライアングル

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元歌と言われてる歌 
バディホリー Every Day

確かに似ている。
そして、他にも沢山存在するのだ。

さて…本題…伝道師!

常人とは思えぬ程、ポップスに博識な大滝詠一。
そんな人がパクリをするのか?
そんな事しなくても充分、珠玉な楽曲を制作出来るはず。
パクリする必要性がないのではないか?
とすれば、似ている楽曲を作るには意味があるのではないかと、
そうは思えないだろうか?
この記事を書く際、川を遡り、当時のアメリカンポップスを聴きまくった。
もちろん、似ている物を探してなのだが。
そうすると…「これ、聴いたことあるなぁ」なんて曲もいくつか…
それは大滝さんの楽曲に似ているものではなく、
以前に聴いたことがある物で、
心のどこかに断片的に残っていた物。
さらに、初めて聴いたのに、これいいなぁと思う曲も…
沢山聴く事が出来た。

大滝さんは謎掛けが好きな方。
しかも、正解は言わない。
自分で探す事の楽しさを知っていた。
ならば、わざと自分の楽曲に謎を潜ませていたのではないか?
そして、本物(オリジナル)を聴かせようとしていたのでは!
ユーモアも持ち合わせてた方なので、その位の事はするだろう!

どんなに「オールディーズ」が良いからと言っても、
実際に調べて聴く人は、哀しいかな、少ない。

ある時、大滝さんの楽曲のうち、
山下達郎さんには元歌が3曲しかわからなかったと言う。
大滝さんは「実は5曲だよ」と言ったという。

またある時、音楽ライターが大滝さんに尋ねた.
「大滝さん,今度の新作のあの曲って,あれとこれからパクッてません か?」
「あれ?2曲しか分かんなかった?」

開き直りの様にも聞こえてしまうが、
そう感じるよりも、
そんなに簡単に謎は解けないよ…わかるまで聞いてご覧!
そう言ってる様に思えるんだ。
パクリとかどうでもいいんだ。
それよりも素敵な歌を聴いてごらん。
そう言ってる様に思える。

音楽を遡る際、ほとんどの場合、ビートル
ズで止まってしまう。
その先のロックンロールには行きつかない。
今、エルビスプレスリーを聴いてる人がどれだけいるのか?
チャック・ベリーは?
バディホリーは?
ロネッツ、クリスタルズ、は?
どんなに「良い」と言われたところで…これが事実なんです。
聴かないんです。
聴こうともしない。
現実です。

今回、動機は違っていたが、
本物(オリジナル)に直に触れたことは事実。
大滝さん…と言うか、大滝作品を通じて聴く機会が出来たのだ。
ならば、仮説であり、新説である、

「大滝詠一は伝道師」説が成り立つ気がするのだ。

みなさんはどうお考えでしょうか?

大滝詠一は「パクリ師」なのか、
それとも、
「伝道師」なのか?
判断はみなさんにおまかせ致します!

最後までお読み頂きありがとうございました!



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