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レコードの復権はあるのか?

今回は音楽業界のトレンドに関して。ちょっと気になった事を…
堅苦しくないように書いてみましょう。

アメリカでのレコードの売り上げがCDを抜いた!

そんなニュースが流れてきた。

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アナログレコードがCD売り上げを抜いた?
単順に素直にすごい事じゃん。何十年振り?
と思ったら…数字のマジックなんだなぁ…

円グラフは2020年のアメリカでの音楽販売の内訳。
全体の85%がストリーミング
Physicalって言うのが、CDとかアナログレコードやカセット。
これがたったの9%
この中でレコードの売上がCDの売り上げを越えたらしいです。

この事の考察


この9%の中でCDのシェアとかレコードのシェアとか言ってるのです。
数字的に言えば、80年代に戻る訳が無いのです。
確かにアナログレコードがCDの売り上げを抜いたことは衝撃的ですが、
この9%と言う小さな「パイ」の中での事。
例えば…「写真」と同じ事が言えます。
写真はデジタルカメラにより、デジタルに代わってしまい、
今ではカメラでもなくスマホに代わりました。
そこで、カウンターカルチャーとして、
「写ルンです」や「チェキ」が見直されてきました。
これが「アナログレコード」と同じです。
一部の感覚の鋭い人や感性の研ぎ澄まされてる人が手に取った訳です。
また、あの風合いの画像に珍しさを感じた若者達にアピールしたのだと思います。
しかし、スマホの城壁は崩されることはありません。
なぜなら、進んだ文化や科学は、決して後戻りはしないからです。

音楽的側面からの考察

この件に関して、どこで見たのか、面白い考察をしている方がおりまして…
変な事を言ってるなと感じてしまいました。
まず…CDの音が悪いんだって…!これはひどい大きな間違いがあるんですね。
それはデジタルの録音の間違いなんです。
デジタルって高い音がどこまで高くなっても「歪まない」ので、
ずっと「クリア」な音なんです。
「歪まない」から「グッ」と来ないんです。
なので、音圧を上げるため、ガンガン、レベルを上げてしまうんです。
するとどうなるか…
目の前だけに音が鳴るんです。う〜んうまく言えない…
「奥行きの無い音」になるんです。
薄っぺらい音になるので、さらにレベルを上げる。
結局、悪い音に感じるのです。
なので、CDは悪い音ではないのです。
録音の仕方が悪い。

一方、アナログレコードと言えば…
簡単に言えばビニール盤の溝を針で引っ掻いて音を発生させる。
こんな原理です。
なので、カッティング技術、方法、プレス技術等でも音は変化します。
あるアーチストがカッティングの際に「db(デシベル)」音圧を、音の強さをあげるため同席し限界まで攻めたら、再生の際、針飛びギリギリになったり、「音が割れた」と言われ…「歪み」と「音割れ」の違いもわからないとは…と憤慨したとか…ちょっと道をそれたかな?

後、アナログファンには悪いのだけど…悪い知らせが…
比較的新しい曲のアナログはよろしく無いのが当たり前です。
だって、デジタル録音したものをアナログに落とし込んでるのだから…
アナログならアナログ録音した物でなければいい訳がありません。
多分、82〜83年頃迄の物であればアナログが良いのではと思います。

さて、現況は?

現在は、やはり、ストリーミングが人気なはずです。
定額で150万曲。
なんてお得!って全部聴くのに何年かかるのだろう(笑)
みなさんはどう聴いてます?
スマホにいれてイヤホンが一番多いのではないでしょうか?
ハードも捨てられた現在、アナログレコードはやはり一部だけの人気である事は間違いないのです。
アナログプレイヤー、CDプレイヤー等を新たに入手する人がどれだけいるのか?
また、高価格ではなく、手頃なハード機器をメーカーが販売するのか?
それは期待薄。
ストリーミングって、圧縮ファイルなんですね。
知ってました?
mp3とか言うやつ。
ちゃんと録音したものをした物を潰して圧縮してるんですね。
いくら「ハイレゾ」とか言っても圧縮した物は圧縮した物。
音は劣化してるのです。

ならば、以前の様にアナログ録音し、アナログレコードをリリースすれば良いのだと言われるかも知れませんが、
録音機器は今は無いのです。
Sonyは早々ブロ用機器から撤退していますし、
今更、やるようなメーカーもないでしょう。
スタジオすらありませんし…
昔には戻れないのです。
(さすがアメリカだと思うのは…まだあるらしいのです。スタジオとか、録音機器とか…)

闘っているアーチスト

山下達郎さんです。
この方、今でも自分の楽曲をサブスク配信を拒否しています。
ビジネス面の事も有るかと思いますが、それをわかる術はありません。
しかし、音の面では圧縮ファイルに疑問を持っているのかとも思います。
海外ではニール・ヤングも圧縮ファイルに疑問を持っている事を言っています。
「音の職人」山下達郎…彼は世の中の動向も知っています。
フィジカル(CD、カセット、レコード)が衰退する事も、無くなるのではないかとも思っています。
それでも、「いい音」を探求し、リメイク、リテイク(最録音)と言った手段を用いず、デジタル機器を使いこなそうと闘っています。
もしかしたら圧縮ファイルに対応出来る方法を見出した時、サブスク解禁かも知れませんね。
…仮説、あくまでも仮説なのですが…この方、かなり先の事を考えてるのではないかと…
と言うのも、何年か後、世の中が変わり、新しいメディアが出現したり、
新しい技術や新しいシステムが構築された時に対応出来る素材(楽曲)を
作っているのではないだろうか?だから、こだわりを持ち、音楽制作を続けているのではと思うのです。

結論

アナログレコードの復権はハード面、ソフト面でもありえません。
また、世の中の動向を考えてもありえません。

しかしながら、選択肢が増える事は喜ぶべきで、
細々でも残って欲しいと思っています。
ただ、フィジカルが売れなくなった事でアーチストの減収も事実として存在します。
その事で新作を諦めねばならない事、活動が限定されてしまう事も事実です。それでも日本の音楽業界は世界第2位の規模なのです。
根本のシステムを変えない限り文化、芸術としての音楽の発展は思います。
せめて、僕等ができる事、「音楽を愛する事」を辞めないでほしいと思います。

最後までお読み頂きありがとうございます!

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