見出し画像

鼻水と、祖母、父、僕、そして

#清潔のマイルール


今日は鼻水について書きたいと思います。

たぶん僕の人生で一番多く「鼻水」と書く文章になると思います。


(汚い話で本当にごめんなさい🙇‍♂️

 先に謝っておきます。。。)



祖母と


まずは僕の祖母についての話です。

おばあちゃんですね。


祖母は2ヶ月前に他界しました。

98歳でした。

大往生と言える歳だったかなと思います。


そういうこともあったので、僕は最近、

子供の頃の祖母の様子をよく思い出します。



祖母は戦争を経験したこともあり、

その後とても貧乏していたこともあって、

非常に節約家でした。


そんな祖母の手元には、いつも新聞に入っている折り込みチラシを

小さく切った紙が置いてありました。

子供心に

「何に使うんやろう?」

と、思っていました。


ある日、お婆ちゃんが、その折込チラシを小さく切った紙を

手にとって、

フン

と、鼻をかみました。

その時初めて、

「あ、おばあちゃんはティッシュじゃなくて、

 チラシの裏紙で鼻をかんでいるんや。

 そのために、この紙をとっているんや」

と知りました。


子供の僕は、おばあちゃんに聞きました。

「何でティッシュじゃなくて、チラシの裏紙つかってんの?」

「もったいないやろ」

とだけ、答えてくれました。




父と



父はそういった祖母の元で育てられました。

父は終戦の翌年に生まれたと聞いています。


やはり貧乏していたことあり、

色々と大変だった、節約ばっかりだったと

話してくれたことがあります。


父が子供の頃は、祖母から、

「鼻をかむ時は、チラシの裏紙を使うように」

と言われていたようです。

ただ、時が経ち、父も祖母がいないところでは

ティッシュを使っていたので、

チラシで鼻をかむのは、嫌だったのでしょう。


父は鼻水について、こうも言っていました。

「お父さんが小さい時は、周りのみんなも鼻水を垂れていた。

 栄養失調がちになると鼻水がよく出るんや。

 お父さんの子供の頃は、みんな栄養失調みたいなもんやった」


子供の頃こういう話を聞いた僕は、

「昔の人は大変やったんやなー」

という風に思ったものです。


ただ自分自身が大人になってわかったことに、

父の話の大半は、基本的に情報ソースはスポーツ新聞でした。


ある日、自分の家で犬を飼うとなった時に、

犬の名前をコロと名付けました。

確か僕が決めたと思います。


すると、父は言いました。

「日本で一番多い犬の名前はコロ、2番目はポチや」

子供心に僕は

「お父さんは、本当に賢いなあ、

 何でも知っているんやなぁ」

と、尊敬のまなざしで思っていました。


しかし、その時母が、

「お父さんのあの話は、週刊誌で読んだだけや」

と教えてくれました。


子供の僕は、

「シュウカンシなんていう難しそうな本読むなんて、

 お父さんはやっぱりスゴいなぁ」

と思っていました。



大人になって気づくに、犬の名前に限らず、

父がひけらかす雑学の類の話は

たいていどこかのスポーツ新聞か週刊誌で

特集されていたような話やったんやろうなと思います。


ちなみに父は、岐阜出身でして、

「お父さんが子供の頃は、木曽川を泳いで渡った」

と話してくれたことがあります。


木曽川。

子供の頃はわかりませんでしたが、

大人になって木曽川を知るに、

「いや、無理やろ。

 むっちゃ広いやん」

という話です。


流石に父の自分が子供の頃の、しかも鼻水の話で、

わざわざ嘘はつかないと思うんです。


でも、前科が多過ぎるんです。


なので、そんな父が話した

「お父さんが子供の頃は、みんな鼻たれていた。

 栄養失調ガチやった」

というのも、嘘かほんまかわからんなぁというのが

今になって思うことです。


木曽川の写真。写真ではなかなか伝わらない木曽川の広さ。



僕と


ほとんどの人がそうなように、

僕と鼻水は、さして深い関係があるわけではありません。


ただ僕が小学校の時、本当に汚くて申し訳ないのですが、

基本的に小学校の時ハンカチを持ち歩いていなかった僕は

鼻水といえば、セーターの袖で拭ふくものとなっていました。


セーターの袖でいつも鼻水を拭いていたので、

セーターの右袖はカピカピになっていました。


父の話ではないですが、僕の小学校の周りの男子は

大体そんなものでした。

誰もハンカチなんか持ってきていません。

なので大抵の男子のセーターの右袖はカピカピになっていました


こんなものが清潔のマイルールとは一切思いませんが、

当時の僕たちは、自分たちなりの清潔のマイルールとして、

「鼻水を垂らしっぱなしよりは、袖であっても拭いた方が良い」

と判断していたのでしょう。



そんな中、両袖がカピカピになっているユウゾウという男の子がいました。

ユウゾウの鼻水の量は半端じゃなく、明らかに学年No.1でした。

あの量の鼻水を拭くとなったら、両袖でも足りなかったでしょう。

しかもそれが、春夏秋冬いつでもなんです。

ユウゾウの鼻の下には、いつも白い跡が残っていたこと、

今でも覚えています。



大人になった僕は、未だに鼻水を垂らしている男の子を見ると

必ずユウゾウのことを思い出します。




そして、今


さて、今です。

自分にも子供ができる歳になりました。

幼児って、本当によく鼻水が出てきますよね。

自分の子供が両方の鼻の穴から、鼻水を垂らしていると、

やっぱりユウゾウのことを思い出してしまいます。



一方、街では、小学生がマスクをつけているのを見かけます。

そんなマスクをつけてる小学生を見る度に、僕は思います。


「あー、この子達は、友達が鼻水を垂らしてるかどうかも

 分からへんねやろな。

 この子達にとってのユウゾウは現れへんねやろな」



そんなことを思う僕の右袖は綺麗で、

ポケットにはチラシの裏紙ではなく、

ハンカチが入っています。



#清潔のマイルール

この記事が参加している募集

#おじいちゃんおばあちゃんへ

2,700件

最後までお読みいただき有難う御座います! サポート頂ければ嬉しいです😃 クリエイターとしての創作活動と、「自宅でなぜ靴下が片方無くなることがあるのか?」という研究費用に使わせて頂きます!