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2024/01/10 いまさら人に聞けない現在の民泊の制度をレビューしてみる その③ 事前準備編

現在の民泊制度をレビューしてみるの第3回目の今日は事前準備編です。

今回も神奈川県のチェックリストに沿ってチェックをしていきたいと思います。
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/26258/20210414hajimetaikata.pdf

事前準備編

7 周辺住民への周知

国のホームページでは、事前周知は望ましいとなっていますが、神奈川県の住宅宿泊事業の適正な運営に関する指導指針では、事前の周辺住民への周知では、書面等により周知することとなっています。その場合の周辺住民とは、敷地の境界線から水平距離が原則として10m以内の敷地にある建物に居住する住民となっています。
意外とここがハードルが高いかもしれませんね。

8 宿泊者の安全措置

民泊の安全措置の手引きは以下のリンク先で公開されています。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/content/001368071.pdf

こちらをみると
非常用照明器具
防火の区画等
届出住宅の規模

非常用照明器具について

こちらのチェック表をみると
一般的に戸建てであれば、非常用照明器具は不要になりそうな気がしますが、我が家の場合は、2階が居室というよりもロフト構造となっていて、建物としては採光上有効な窓がないため、納戸扱いになってしまうので、ここがもしかすると、非常用照明器具が必要という扱いになる可能性があります。

防火の区画等について

防火区画の適用については、複数の宿泊室に同時に複数のグループを宿泊させるか否かで決まるので、これはNoなので、不要と考えれらます。


届出住宅の規模に関する措置

今回の事例は、以下の4つの項目のいずれにも該当しないことから、規模に関する措置の適用は受けないと判断できます。

イ 2階以上の各階における宿泊室の床面積の合計を100㎡以下  Yes
ロ 宿泊者使用部分の床面積の合計を200㎡未満 Yes
ハ 各階における宿泊者使用部分の床面積の合計を200㎡以下 Yes
二 2階における宿泊者使用部分の床面積の合計を300㎡未満 Yes
ホ 3階未満 Yes


9 消防法令適合通知書の取得


 こちらについては別のNoteを作成しましたのでそちらを参照ください。

https://note.com/preview/nd8bbc9aabd50?prev_access_key=2a53311cf19ed01b9f2cc44adc56814b


10 外国人宿泊者の快適性・利便性の確保

外国人宿泊者の快適性・利便性の確保については、以下のことを講じる必要があるようです。
(1)外国語を用いて、届出住宅の設備の使用方法に関する案内をすること
(2)外国語を用いて、移動のための交通手段に関する情報を提供すること
(3)外国語を用いて、火災、地震その他の災害が発生した場合における通報連絡先に関する案内をすること
(4)外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保を図るために必要な措置

これは宿泊ガイドブックのようなものを作成し、日本語のほかに数種類の外国語バーションを作成しろということかと思います。しかしこんなことまで国がガイドラインを作ってあれせいこれせいというようなものなのかなと思ってしまいますね。ちゃんとやるやつはやるしやらない事業者はレビューで評価が悪くなって自然淘汰されていくように思うので、そのあたりが変に日本的な規制制度になっているなと思います。
つまり、参入障壁は高いのだけど、一度参入したら保護されるというような感じですね。こういうようなルールだから、既得権が発生して、新しいことがやりにくい社会になっていくのではないかとさえ思ってしまいます。

11 届出書類の提出

届出書類は以下のとおりです。
このうち必要になるのは以下の項目になりそうです。
(1)氏名、住所
(4)住宅の所在地
(6)委託をする場合は、住宅宿泊管理業者の商号
(7)個人 生年月日、性別
(11)住宅宿泊管理業者の場合は、登録年月日、登録番号
(12)連絡先
(13)住宅の不動産番号
(14)住宅宿泊事業法施行規則第2条に掲げる家屋の別
(15)住宅の種別
(16)住宅の規模

12 各保険の加入

以下の2つへの加入が進められています。
火災保険
第三者への賠償保険

民泊保険で調べてみるとこんなサイトがありました。
これだと年間32,000円/1施設で保険に加入ができます。

ほかにも民泊運営安心サポートパックというのもあり、これだと年間7万円程度

似たようなので、民泊民宿協会というのもありました。

このあたりは、探せばまだまだありそうですので、今後も調べてみたいと思います。

13 標識の提示

住宅宿泊事業者は、届出住宅ごとに、公衆の見やすい場所に、以下のような標識を掲示する必要があるようです。最近私の家の近くでも、この標識を見かけました。


まとめ

まとめると、法制度をよく読むとなんとかやってやれない程度のところで申請ができるような気がしますが、それでも当初のAirbnbの理念からすると、圧倒的にやりにくい状況になっているなというのが感想です。
どうしても、国としては、事業者とそれを監督する官庁という構図で、ご指導したいのか、それとも既存の枠組みで順守している旅館業法の事業者からの圧力の問題なのか、事業者に箍を嵌めるルール作りの結果なのかなという感想です。
とは言え、よく読めばできるレベルまで規制緩和をしてくれたという意味では、落とし所をちゃんと作ってくれたとも言えると思います。できたルールを批判するのは簡単ですが、大事なのはそのルールとうまく付き合って、事業で収益をしっかり上げることだと思います。そのあたりどうやって事業収支を考えるのかについても引き続き検討してみたいと思います。

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