気楽にやろうよ

今日は2つのテストが終わりました。
スタートでなかなかの滑り出しです。
滑ってませんけどね!

今日は藤子・F・不二雄先生の
『気楽に殺ろうよ』という不思議な作品について気づいたことを書きます。

ある主人公が突然の痛みに襲われます。
目が覚めるとそこは食欲と性欲が逆転した世界でした。

食事を摂るときはカーテンや鍵を閉め、
性的なものはオープンに行われる。
そのような世界でした。

その世界では
食欲→個人の欲を満たし、独善的な後ろめたいもの
性欲→人類の繁栄、公共的、発展的で良いもの
と設定されています。

子供がいる人には殺人権利証が与えられています。

性欲がオープンになった分、生命に対しての重要度が相対的に低下していることが窺われます。
(赤ん坊をゴミ箱に捨てるなど)
私たちの世界でも、性欲は罪だと多く教えられていますが、種の保存のため
実は性欲に対する罪悪感が大きく関わっているのかもしれないと気がつかされました。

妻以外の女性と食事に行った会社の同僚は浮気認定され、簡単に包丁を向けられて殺されます。

しかもその妻は夫を殺した後平然とした顔でこちらに「いつもお世話になっておりました」と挨拶。

主人公の男性はおかしな世界にきたものだと最初は困惑していましたが、
あまりに周りが平然としているために、自分が精神病になったのではないかと思い、病院に通ってカウンセリングを受けます。

殺人が許容されている異常性に訴える主人公。
先生は「なぜ生命は尊重しなければならないのか」と問うが、
主人公には説明できないのです。

そこから主人公は自分は本当に精神病で、早くこの世界に馴染まなければと頑張ります。

病院から帰る途中、妻に
「殺人権利証を売ってくれと頼まれたが売らなかった。なぜなら、買いたいと言っていた人は、課長に昇進しそうなあなたを嫉妬心から殺そうとしているんですもの」と報告します。

元から嫌なやつだったし明日殺してやる!と意気込む主人公。
妻も子供も応援します。

そこで迎えた朝。主人公は「なんだかいつもと違うような…」
と世界に違和感を感じますが、「妄想から直ったんだから」と気を取り直します。
ナイフを懐に入れて、勇み足で出ていく夫に妻は「お弁当忘れてるわよ!!」と声を掛けるが聞こえていない。
そしてラストの一コマはこの画像で終わります。

個人的には性欲の持つ役割に気がついたことが大変良かったことです。
作品としても非常に面白かったです。

この後はどうなってしまったんでしょうね〜…


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