見出し画像

PG牧の可能性

1月8日㈯9日㈰の横浜BCシリーズ
GAME1はどこか元気がなくバスケットLIVE視聴の画面越しからでもエナジー不足が分かるプレーにどんよりとした停滞感を覚えたブースターは多かった思う。負けた悔しさよりも、どうしようもない心苦しさというか、雨が降る前の曇り空の鬱々とした感じというか。何より選手の顔が暗かったのが印象的な試合だった。

いちブースターとして不安感をもったまま迎えたGAME2。前日とは違いインサイドにスペースを確保してフロアバランスを調整出来ていた。エナジー部分も悪くない。シュートもタイミングよく打てている。でも中々決まらない。3Qじりじり得点差を詰めるも中々追いつけない展開で迎えた4Q。
終盤に起用したい岸本を温存したキングスは岸本の代わりにSG登録の#88牧隼利にゲームメイクを託した。シーズンを通してほとんど試されなかった牧のゲームメイクは意外にもキングスに新しいリズムをもたらした。

■くもり空を切り裂く牧のスマイルスリー

牧のシンプルで落ち着きのあるゲームメイクは横浜BCに対して効いていた。牧をマークする選手(森川・松崎)がPG牧を想定していなかった為にマークが比較的緩かったのもあるがシンプルかつ丁寧に始まる攻撃はキングスにリズムを生み横浜BCに焦りを与えた。
メインハンドラーとしての役割は岸本が休んでいた3分ほどだったがその間に0-6のランを決め逆転に成功し最高の形で岸本をコートに戻す事に成功。その後岸本からキックアウトパスを受けた牧が決めたスリーポイントは流れをグッと引き寄せるには十分な一発に。牧本人も重要性を理解してたまらず笑顔がこぼれていた。
牧の一連のゲームメイクからこのスマイルスリーポイントはキングスを取り巻く重苦しい環境を切り裂く一撃だった。

■PG牧の可能性

シンプルなプレーと向上してきた基礎ハンドリング。ピックの使い方の丁寧さなどハンドラーとして十分な基礎を備えているが、シンプルゆえに相手にも読まれやすい側面ももっている。実際この日はターンオーバー3回とチーム最多になってしまい終盤の横浜のゾーンプレスに捕まってしまった。
それでも牧のサイズ、フィジカル、基礎のハンドリング、ディフェンス、周りのバランスを見て動けて、加えてスリーポイントの精度。これらは非常にPGとして魅力的でハンドラー不足のキングスにとって第三のPGになる可能性を秘めており、岸本、コーとは全く違うリズムを持つPG牧はもしかしたらチームの救世主の様な存在になるかもしれない。

■正しい練習と成長

特別指定選手シーズンはデフェンスでチームに貢献、ルーキーシーズンはハンドリングが向上し、翌シーズンは苦手としてきたスリーポイントの精度を上げてきた。同シーズン後半怪我の離脱でそれから1年近くプレーできなかったが復帰を果たした今シーズン、前述したスマイルスリーにも成長がふんだんに詰まっていた。
昨シーズンより明らかにクイックリリースだしアーチも高い。それに牧はジャンプショット、いわゆるジャンプして身体が最高到達点に来たタイミングでリリースするのが特徴であったがスマイルスリーはリリースするタイミングも昨シーズンのそれより早く効率的になっていた。
改善されたクイックリリースとアーチとリリースのタイミング。長年染み付いた感覚を塗り替え試合で使える状態まで磨き上げることは容易ではない。ひとつひとつ意識して何度も反復練習してきた練習が結果に繋がった極めて重要な1本だったに違いない。だからこそ溢れる笑顔を爆発させたのではないだろうか。

正しい練習をし成長し続ける牧隼利。

今シーズンはPG牧として成長をみせてくれるのではないか。横浜BC戦以降そんな事を思ってしまう。

1月11日の島根戦も攻守において重要な役割が与えられるはず。
牧の活躍と溢れる笑顔に期待しよう。


たつまる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?