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Bリーグ「声出し解禁」の恩恵を日本一受ける球団はこちらです

22-23シーズン 
第23節  琉球86-78広島
@沖縄アリーナ

約1ヶ月弱の中断を経てBリーグの終盤戦が再開した。
その間、

  1. 天皇杯(横浜戦)

  2. EASL サンミゲル(比)

  3. 台北富邦(台湾)

  4. ベイエリア(香港)

と試合を行ってきたキングスは過密日程からの疲れが心配されていたが、フタを開けてみればバチバチエナジーとフィジカル全開のプレーで広島を圧倒。
特に10月の広島戦で23得点を与えてしまったエバンスに決定的な仕事をさせず11得点に抑えた所は素晴らしかった。
エバンスのスピードのディスアドバンテージを克服したチームディフェンスは終盤戦に向けて完成に近づいてる印象となった。

今シーズンは正直「ディフェンスのチーム」とは言い難い軽さというか緩さが見られたがこの日は(マンツーマン時)最強。
久しぶりに現地観戦したからという一定のバイアスはあるかもしれないが国際大会の理不尽プレーを経験して強くなって帰ってきたキングス。リーグ終盤戦は非常に期待できる試合内容になったのではないか。



■エバンスの凱旋試合

エバンスの初の沖縄アリーナの凱旋試合であったこの日。
選手紹介の際、ひときわ大きい拍手で迎えることが出来た一員になれたのは自分の人生経験にとっても非常に素晴らしい瞬間だった。
この日から沖アリはマスク着用を条件に声出しOKとなっており、エバンスがフリースローラインに立った際は「おかえりブーイング」をお見舞いした(笑)
あれほど素晴らしく愛のあるブーイングは日本のプロスポーツではプロ野球を除いては印象になくイングランドサッカーのプレミアリーグでみられる「元所属選手への熱いブーイング」と「古巣相手にゴールを決めても喜ばない」と似た成熟した文化を感じた瞬間だった。

この試合はエバンスの活躍は少なかったが船生と共に迎えた古巣・凱旋試合は琉球ブースターだけでなくエバンスにとっても特別な試合になったと思う。

おかえりエバンス、またね!

■ソットはスタメン起用されタマヨはDNP

オーストラリアのアデレード36ersからやってきたフィリピンの至宝カイ・ソットはデビュー戦からスタメン起用。
エバンス   201cm
ブラックシアー208cm
カイ・ソット 220cm

と、のっけからスリービッグを琉球にぶつけてきた。

迎える琉球はいつものスタメン。

PG岸本 176cm
SG牧   188cm
SF今村  191cm
PFダンカン 205cm
C  クーリー    206cm

アジア特別枠のタマヨを起用しない、いわゆるon2の布陣。

広島のソットがBリーグ最強のインサイドの琉球にどれだけ影響を及ぼすか・・・
広島にとっても終盤戦→CSに向けて重要な試金石になる試合であったのは間違いないだろう。

結果としてはカイ・ソット18:55出場で10得点リバウンド2。
デビュー戦としてはまずまずの結果に見えるが、琉球のインサイドを大きく困らせる事は無かったというか、予想の範疇だった。
見るからに細い身体は30cmも身長の低い今村にブロックアウトを抑えられてしまうほどパワー面で問題を抱えていた。

キングスのパワーには到底及ばず、試合開始後クーリーのマークを任されていたが、琉球の圧に耐え切れずゴリゴリ押し込まれていった。

正直開始5分で広島の前提は崩れていた様に思う。
ある程度ソットで琉球のインサイドを抑えされると思っていたに違いない。
しかしワンプレーで

桶谷HC「(クーリー勝てるな)」

と判断し、ソットがクーリーをマークしている時は執拗に攻め立てた。もちろん恵まれた長い手足はスペシャルで、ブロックする技術は高いのでブロックに遭う場面もあったがインサイドというBリーグの最重要ポイントを押さえられないソットのフィジカルの弱さは上位チーム相手には弱点として見られるなという印象を持った。
(追記:試合後のインタビューで田代がソットは細身だがパワフルだったと答えていた)

ミリングHCもたしか3ポゼッションくらいでクーリーのマークをブラックシアーに変更。キングスのインサイド優位性が証明された瞬間だった。

ソットに対してネガティブな書き方になったが、素晴らしい才能の持ち主であることは間違いない。
NBAドラフト候補生1位予想の圧倒的才能、ウェンバンヤマともプレースタイルが似ていて中も外も器用に出来るスキルはNBA寄りのスタイルであり、スピーディーでスペースのある対戦相手にこそ進化を発揮すると思う。
Bリーグシーズン終了後はNBAへの挑戦が言われているが、キングス戦以外で頑張って活躍してBリーグの価値を高めてほしい。

対するタマヨは・・・・
Did Not Play・・・・(DNP)

フィリピンのバスケの将来を背負う者同士の対決は最終節に持ち越された。
EASLで結構使われていたし、いいプレーもしていたので試合に出ることに1㎜も疑いを持っていなかったが、桶谷HCの勝負に対するこだわりは私たちの想像をはるかに超えていた。

広島には1㎜もスキを与えたくない

そんな想いがにじみ出る様な采配っぷり。

序列的に似ている飛勇もDNPだったしね。

飛勇とタマヨ観たかったなぁ。

■琉球ディフェンスの圧、CSかな?

久しぶりのリーグ再開ではあったものの天皇杯とEASLで試合勘を失わなかったキングスは序盤からバチバチのディフェンスを見せていた。
インサイドの強さは前述のとおりだが、この日はバックコート陣のディフェンスの強さが光る。

スリーポイントラインの外でのディフェンスはもちろんだが
岸本176vsブラックシアー208のマッチアップもコースに入って守りTOV誘発。ハーフライン上でエバンスを吹っ飛ばす松脇。
カイ・ソットを押さえ込む今村。田代に牧と素晴らしいディフェンスの強度を見せた。

更にグッドディフェンスのたびに沸き起こる拍手と歓声が選手の動きと気持ちをアシストする。

ワイ「この試合CSかな!?」と思うほど選手のプレーにブースターのハートが共鳴していた。

その共鳴はシナジー効果を生み、選手の気持ちをさらに搔き立てオフェンスにもいい影響を及ぼす。この試合のキングスはこのループに入り込めていた。

バスケはディフェンスから

誰が言ったかは知らないが、これを体現している一番のチームはキングスだ。私はそう信じている。
(千葉Jはしらぬ)

■「声出し解禁」の恩恵を日本一受ける球団はこちらです

「マスク着用なら声出しOK」となり沖縄アリーナ完成初の琉球の本気を見た。
日本一デカいバスケ専用アリーナでの

「GO!GO!KINGS!」

は圧巻。コート上に6人目がいると錯覚するほどに雰囲気がすごい。

選手がハッスルするたびに沸き起こる拍手と、流れを左右する場面でのひときわ大きい「DEFENSE!」コール。

他チームの選手や解説がよく言う
「琉球さんのブースターは目が肥えてる」ってやつは本当にマジだと思う。

選手を後押しする声援でいったらこの日の一番のハイライトは試合最終盤の4Q残り1:11秒の今村のアンスポーツマンライクファウルの判定の前後。

ブラックシアーがディフェンスリバウンドを保持した後の下での今村のボールへのチェックが顔に当たったと判断されたシーン。

フロップなブラックシアーのリアクションがオーバーじゃね?と琉球ブースターの反感を買い、会場のスクリーンでリプレイ映像が流された瞬間・・・

会場「えええぇぇぇぇ!?(キレ気味)」

当たってねぇだろ!
フロッピングじゃねーか!

2回目リプレイ映像後は映像確認中の審判に全力にアピールするように


会場「えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇ!!!?」


と全力で判定を後押ししようとするも結果的に今村のアンスポ。

アンスポがコールされると

会場「(フロッピングだろ!)ええええええええええええ!!??」
  「はっ!?えっ!?今村触ってないだろ?」

と判定に対して選手の代わりに猛アピール(笑)

その後のブラックシアーのフリースローに対しては会場全体が一致団結して

琉球ブースター
「「Boooooooooooooooooooooo!!!」」

この日一番のブーイング。

こんなところで「団結の力」を無駄遣いしてしまった(笑)

結果的に2本とも決められてしまったが会場が一体となり全力で試合に介入してこようとする琉球ブースターのバスケカルチャーは凄まじい(笑)


声だし解禁された3月8日以降は、沖縄アリーナでは負けることはないと思う。
そのくらい沖縄アリーナの声だし応援は強烈で選手の気持ちを後押ししてくれる。

天皇杯決勝もチャンピオンシップ決勝も全部沖縄アリーナでやってくれませんかね。
そんな思いです。


3月12日は千葉ジェッツとの天皇杯決勝戦。
今シーズンの千葉は強いぞー。

しかしこの広島戦の内容を目の当たりにすると、可能性は全然あると思う。
ハンドラー不足を牧とダーラムで解消しディフェンスの強度も爆上がり中。

フィジカルモンスター原に対しては琉球のフィジカルモンスター松脇を文字通りぶつける。

ギャビンが不在であればインサイドの主導権はキングスにあるのでクリスミと富樫のPnRさえストップ出来れば勝利はぐっと近づく。


有明の天井に沖縄の空を見せてくれ

GO!KING!

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