こんな夢を見た20230919
こんな夢を見た。
父と母と旅行に行く。
現実でも一度もなかったことだ。
そもそも母親が生きている時も、夢に母が出るということは滅多になかった。
最初、そこにいるのは父ではなく見知らぬ若い男の人で、母と自分と、というなんだかおかしな組み合わせだった。
単なる旅行ではなく、誰かの葬儀に出るために見知らぬ土地に来ている。
ホテルから出て、葬儀会場に向かう。
大きな建物があり、葬儀場と他の商業施設が一緒になっている。
こういうところもあるのかと思っていたら、葬儀はいつの間にか終わっていて、帰ろうということになった。
だけど、せっかく来たのだからこのまま帰るのではなく少しこの町を見ていこうということになった。
とりあえずホテルまで遠回しで戻ろう。
3人とも黒い礼服のままだが、まぁ、いいか、と思った。
建物の裏手にまわる。
裏口の方からも礼服姿の人が出てくる。
こっち側でも葬儀を行う場所があるんだと思う。
何故か、こっちの出口からは車椅子に乗った人が多く出てくる。
階段の箇所もあるが、皆慣れた感じで難なくクリアしてくる。
ふと小さな店が目に留まった。
どうやら街の電気屋さんのようだが、店の中にある古い小さなショーケース(むしろ家庭用の飾り棚といった方が正しい)の中にあるものが気になった。
こけしのような、だけど丸い置物。人形ではなくタヌキやトラをモチーフにしている。
初めて見るそれに興味がわいた。
父も母も店に入る。
綺麗に陳列されているわけではないが、やはり売り物のようだった。
どれか買って帰ろうと思って見ていると、棚の下に見慣れたものがあった。
地元の八幡馬だと思って、手に取ったが、少し違う。
「これはなんですか?」と訊ねると「なんだろうねぇ?」と言う。
40代くらいの女性。
「地元の八幡馬というのに似ているんです」
「じゃあそれかも」
「でも柄とか、少し違うんですよ」
「じゃあ、違うかも」
そんなやり取りをして、結局お香を買うことにした。
店を出て細い路地を通って、行くと黒い門があった。
門の扉は半分閉まっている。
そこを出ると通りに出て、ホテルに帰ることができる。
父と母はさっさと門をくぐる。
自分も、と思ったらさっきの店の女性が走って追いかけてきた。
自分は立ち止まる。
「すいません。主人が見てほしい物があるそうで」
自分は少し悩んだがそれを見ていくことにした。
父も母も自分が一緒じゃないことに気付かなかったのか戻ってくる気配もない。
「ま、いっか」
ホテルに戻れば一緒になるのである。
門のそばにあるカフェで待つことにした。
窓というよりガラス張りの壁に面したカウンター席で女性(と一緒に来るであろう、店の主人)を待つ。
ガラス越しに黒服の自分を揶揄う男子高校生を無視する。
ホテルまでの道順を頭の中でなぞっていたら目が覚めた。