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#14 試作する 【4.プロトタイプ】

前回からの続きです.

以下の5つのプロセスのプロトタイプについて書きます.

  1. 共感 Empathize

  2. 問題定義 Define

  3. 発想 Ideate

  4. プロトタイプ Prototype

  5. ユーザテスト Test

発想したプロダクトアイデアを形にするフェーズです.基本的に1~3のフェーズに時間をかけて行ったり来たりしているので,プロダクト製作は簡単に終わらせていました.


プロトタイプの作り方

プロダクトを作るうえで大切だと思った考え方について書いていきます.

雑に作る

そもそも授業の目的がプロトタイプ(試作品)を作ることなので,自分が今までやってきたモノづくり(実験の装置製作やCanSat)とは目指すところが異なります.

雑に作る理由は大きく2つです.
1.チームやユーザーとイメージを共有する
2.実際に自分たちで使ってみて改善点を見つける


電装が必要なシステムは人力で動かしたりもしていました.アプリのUIなら紙芝居,ハードウェアの特殊な機構なら段ボールとガムテープと言った具合です.既存の商品をバラして組み合わせたり,とにかく早く雑にを心がけていました.

機械科の血が騒ぎだし,工作機械や3Dプリンターを使いたくなってしまうのですが,2週間で最低1つのプロダクトを作らなくてはいけないのでこだわってはいられませんでした。

デザイン工房には,レーザーカッター,3Dプリンター,NC工作機械,各種電装部品,金属・木材・紙,よくわからないアイテムなど何でも作れる環境になっています.チームごとに予算も与えられるので,製作へのハードルがものすごく低かったのは良かったです.

作りながら変えていく

改善していくというのが意外と難しかったりします.チームやTA,教員,パートナー企業,ユーザーの意見を上手く取り入れながら改善をを繰り返していきました.

よくある失敗パターンとしては以下の3つです.
1.軸がぶれてしまう
2.ターゲットユーザーがズレる
3.多機能化しアピールポイントが見えなくなる

これらの失敗をなくすために,チームの方向性を一つにするためにコミュニケーションに時間を割いたり,デザイン原則と呼ばれるデザインの軸を定めることが有効でした.
チームや外部と最もコミュニケーションをとったのはこのフェーズでした.

研究でも言えますが,最初は素晴らしいアイデアだと思っても,何度も議論しているうちにどうしても陳腐なアイデアに見えてきてしまいます.その結果,汎用性を高めたり多機能化の方向に進み,何がしたいかわからないプロダクトができてしまいます.
初心を忘れず,自分たちのアイデアを信じぬくことが重要だと感じました.

完全無欠な誰もが求めるプロダクトというのは存在しません(そもそもデザイン思考がこの問題提起から始まっています).
そのため,まずは特定のパターン、特定のユーザーのみが使えるもの、何か一つ秀でたポイントがあれば成立するのではないかと思います.

自分たちの力量を把握する

プロトタイプ製作において自分たちで作れる範囲のアイデアを採用するというのも実は重要です.複雑な電装技術が必要だったり,大型の機械だったりすると製作に時間がかかったり,満足にユーザーテストができなかったりします.
自分たちは既製品を上手く使うことで,電装を排除したので比較的早く作ることができました.

まとめ

手を動かしてモノを作るということに関しては,慣れているつもりなので楽しくできました.

突飛なデザインにしたり、プロダクトを擬人化してみたり、光らせてみたりと面白いプロダクトも多く見られました。自分たちは、(自分の性格的に?)無難なプロダクトが多かったように思います。

次はラストのユーザーテストです.


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