3年目の魔法と成長痛について
先日のテッククランチさんのイベントで、お話させていただいた
「企業の成長痛について」というお話が、いろいろな方から、
意外に面白かったと言って頂いたので、要旨を簡単にnoteに残しておこうと思います。
普段、シリーズAステージの投資をメインにさせて頂いているのですが、起業してから2-3年くらいの会社の方が多く、みな似たような共通課題にぶつかることが多いです。
3年というのは何となくの目安なのですが、起業して3年くらいたつと、初期に持っていた神通力というか無双感みたいなものが、消えてくるんですよね。このあたりから次のシリーズBに向かう間くらいが結構、魔法消えちゃう期間に突入する可能性が大きいです。
組織的には、採用も積極的に行って、新しい人がどんどん入ってくるような
タイミングで、各人の役割も分化されていき、規模感的には正社員、業務委託やインターンなども合わせると30名を超える規模になっているパターンが多いです。
事業的には、プロダクトマーケットフィットが出来ているような出来てないような感じで、売上は伸びているものの利益は当然出てないような状況です。
そんなコンディション下での、魔法が解けたときの典型的な症例をいくつか挙げてみましょう。
1.人数は何となく増えているが、何やっているかよくわからない人が多い
2.創業メンバーと新規メンバーの確執
“鳴り物入り”で入った幹部社員がワークしていない
3.経営者が外部のネットワーキングにばかり目がいき、内部とのコミュニケーションが減っている
4.気が付くと、1人あたり売上高が前年より下がっている
こんなときに起業家の方が言う言葉が、
「最近、チームがワークしてないんですよね、、、」
もちろん、起業家の方も誰かに責任転嫁しているわけではなく、素直にそう思っているケースがほとんどです。
だが、冷静に考えてみると、チームがワークしていないのは、そもそも、採用しちゃいけない人を採用しているからであり、そんな人、採用しちゃっているのは、戦略がブレているからであり、その戦略を決めたのは起業家その人であったりします。
じゃあ、3年目の魔法が切れたとき、起業家としてどのように対処していくのか。
数多くのケースを見てきた経験から思うのは、結局のところ、
1.改めて自分達の提供価値は何なのかということを考える
2.提供価値が適切な相手に届いているのかを考える
3.提供価値を生み出すのに適切なチーム構成(人数も含めて)になっているかを考える
この3点をしっかりと考えて、決めることだと思います。
上記をクリアにすることで、再成長軌道に乗り、シリーズBやそれ以降のラウンドもしやすくなる可能性が高くなると思います。
見方を変えると、上記の過程を経ることは、起業家の方が従来持っている魔法の力だけでなく、経営者として進化していくために必要な成長痛なのではないかと思うのです。
私は、ベンチャーキャピタリストとして、起業家の方が、経営者に進化していくお手伝いをこれからもしていきたいと思っています。
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