20-21シーズン 開幕節~on fire
コロナ禍の正体不明な息苦しさを洗い流してくれるような快晴。
目の前には電車のホームへ続く上り階段と上りエスカレーター。迷うことなく階段を選び、1段飛ばしで駆け上がった。
階段を選んだのは電車に乗り遅れそうだったたからでもないし、健康に気をつかったからでもない。どうしても、はやる気持ちを抑えきれなかった。
そう、今日はアスフレのホーム開幕戦。半年ぶりに僕たちの日常が戻ってくる。
1.開幕節
開幕節の相手は越谷アルファーズ。B1チームから有力選手を積極的に補強し、プレシーズンマッチでB1の北海道と新潟を倒している手強いチーム。
一方、アスフレはイシュが入国遅れで不在。さらに、開幕直前合流のバーンズ先生は明らかな調整不足(特にウェイトが…)。さすがにこんな状態では連敗濃厚だろうと思っていたところ、まさかの1勝1敗。
1勝をもぎ取れた要因は色々あるが、その中で最も大きなインパクトを残したのは、この男の爆発だろう。
髙木 慎哉。
彼の活躍を振り返ろう。
2.「He's on fire」
髙木はベンチスタートだったが、2試合の合計得点でチームトップ。とにかく、3Pシュートを高確率で決めまくっていた。
第2試合の公式スタッツは4/6だが、岡田と髙木のシュートを公式スタッツが取り違えているため、独自に修正している。
さらに、クラッチタイムでの勝負強さも見せてくれた。第1試合、残り31秒4点ビハインドの状況で沈めた3Pシュート。得点差を1ポゼッションに引き寄せる素晴らしい活躍。逆転勝利への足掛かりとなった。
3.キャッチ&シュート
3pシュートを72.7%で決められたのには髙木の能力だけでなく、他選手の動きも関係している。
下図は開幕節の髙木のシュートチャート(○が成功、×が失敗)。これから「コーナー3Pが1本もない」ことがわかる。
次に、11本の3Pシュートの中で「キャッチ&シュート」(※)をどれだけ打っているかを示す。ここから「ほとんどがキャッチ&シュート」だとわかる。
(※)キャッチ&シュート:パスを受けてから余計な動作なく打つシュート
・「コーナー3Pが1本もない」
髙木はコーナーで待機している受動的なシューターではない。フリーになれるようにオフボールで能動的に動いていた。また、周りの選手は高木の動きに合わせてスクリーンやボールムーブでしっかりとサポートしていた。
・「ほとんどがキャッチ&シュート」
髙木のオフボールの動きと周りの選手のサポートが効果的に作用し、キャッチ&シュートを打てる状況を上手く作り出せていた。余計な動作が入らないので、高木のシュート確率は高くなった。
開幕節では、「シューター髙木や岡田を活かす」という共通認識がチーム全体にあった。その共通認識の中で、選手が滑らかに連動していたことが個人的に強く印象に残っている。
4.方向転換?
昨季のアスフレはハンドラーの個人技に頼った強引な攻めが多かった。一方、今季の開幕節では個人技に頼らず、チーム全員でシューターのシュートシチュエーションをとても丁寧に作っていた。
今季、増子の抜けた穴を心配する人が多い。しかし、東頭さんはその穴を埋めずに放置し、方向転換したのかもしれない。髙木の3Pシュートからはそう感じとれた。
とは言え、チームメンバーがまだ全員揃っていないので、まだわからないけどね。
5.最後に
昨シーズンが終わってからの半年間は何か物足りなった。
コロナ禍では時間と場所を気にせずに視聴できるオンラインコンテンツが増えた。今まで知らなかった世界に触れられて、自分の世界が少しだけ広がった気がする。でも、それを心から楽しいと思えることはなかった。
開幕節では約4000人キャパの大田区総合体育館に1000人限定。声援&ガッピ―の太鼓無し。まだまだ以前のような観戦スタイルではない。
だけど、やっぱりライブ(オフライン)観戦は特別だった。マスク越しでも、心が躍るようなバイブスや息がつまるような緊張感を肌で感じられた。声は出せなくても、「勝ちたい」「勝たせたい」という一体感があった。依然としてコロナリスクは残っていても、日常が戻ってきたと確かに実感できた。
結果は1勝1敗だったけど、それ以上に価値のある、楽しいホームゲームだった。これはもう、2連勝できたってことにしちゃいましょう。何なら、もうアスフレ優勝ってことでいいね。
では、今季が無事に終わることを願って。
Go Win Z!!!
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