見出し画像

とある科学の超電磁砲から考えるクローン技術

アニメで考える社会問題。
本日は、「とある科学の超電磁砲」を通して人間クローンについて考えていこうと思います。

「とある科学の超電磁砲」は「とある魔術の禁書目録」のスピンオフ作品で、超ザックリ説明すると、超能力が使える女の子たちのドタバタを描いた作品です。
主人公の「御坂美琴」は架空の都市「学園都市」で生活している
能力者の中でも最上位「レベル5」の第3位で、都市内で起きる様々な問題に直面します。

その一つが、アニメ第2期で描かれた「妹達(シスターズ)」編です。
御坂は自身のクローン体が造られ、レベル5第1位「一方通行(アクセラレータ)」をレベル6に進化させる計画に利用されていることを知り、止めることを目的にした話です。
クローンである御坂シスターズは合計20005体造られており、第1号から20000号までの全員を倒すことで一方通行はレベル6に到達するとされていました。

今回の本題が出てきましたね。
クローンとは何かは皆さんご存じかと思います。
「ルパン三世 ルパンVS複製人間」の適役「マモー」もクローンでしたね。
オリジナルの細胞を用い、うり二つの複製体を作り出す技術です。
もっとも古いクローンの事例は1996年に生まれた羊で、日本に保いても1998年にクローンの牛が誕生しています。
「クローン」って聞くとどことなく近未来なイメージが生まれてきますが、実は全然現代の技術なんですね。
そんなクローン技術ですが、以下の分野において活躍が期待されています。
①食料の安定供給
②希少動物の保護・再生
③移植用臓器の作成

④医薬品の製造
⑤実験用動物の革新

今回のテーマで取り上げたいのは特に②・③です。
希少動物の保護・再生については、わかりやすいかと思います。
絶滅した、若しくは絶滅の危機に瀕している生物の遺伝子情報を入手し、類似した遺伝情報をもつ生物に組み込むことで、現代によみがえらせることです。
聞いているだけだと、とてつもなくロマンですよね。
「ジュラシックワールド」の世界みたいに太古の恐竜を復活させたり、パンダなどの希少動物を増やして、全国の動物園で見られるようにしたりと、可能性は無限大です。
③に関しても、自分が持っている臓器を複製し、病等で弱ったものと交換できるようになれば、様々な病気も克服できるようになります。
それに、自分のクローンを造って、仕事や学校をさぼれるというのも、アニメではあるあるですけど、ロマンですよねw
ちなみに、御坂シスターズの制作コストは1人18万円です。
1人の人間を作るのにたった18万円なのはとても安いですね。

しかし、技術がそこにあっても恐竜は生み出せませんし、自分のクローンを造って仕事を変わってもらうこともできません。
何故なら、「倫理的にまずい」からです。
今回はクローン人間、もっと細かく自分のクローンの作成に的を絞って、その倫理的問題は特に以下の3点が挙げられます。
①個人の尊厳と自己決定権
②社会的不平等と差別
③人権

①に関して、全く同じ人間がいるのは自己決定や独自性に大きな影響を与えます。もっとわかりやすく言うなら、自分のアイデンティティが侵されてしまいます。
そんなこと、だれも望みませんよね?
それに付随して③の人権に関しても、クローンのどこまでに人権を設けるべきか、非常に難しい課題となっております。
(古いものではございますが、これを考察した論文がございました)
そして②はに関して、技術を扱える人間と扱えない人間では格差が生まれるということですね。
クローンが特権階級のみの技術になってしまうと、ただでさえ今ある格差がさらに広がってしまい、極端な話、特権階級のみが長生きできる環境になってしまいます。

以上の観点から、クローンの実用には倫理的課題が多くあり、技術があっても活用に踏み入れられず足踏みしている状態用です。
科学と倫理が常に隣り合わせになっているいい例ですね。

今回はここまで。
次回もよろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?