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女神寮の寮母くん。から考えるアダルトコンテンツの規制

アニメで考える社会問題
本日は「女神寮の寮母くん。」を通してアダルトコンテンツの規制について考えていきましょう。

「女神寮の寮母くん。」は月刊少年エースで連載されていた漫画が原作のアニメで、2021年に放送されました。

中学1年生の少年、「南雲孝士(なぐもこうし)」は、家を火事で失い父親は失踪し、道で行き倒れているところを、女子大生の「和知(わち)みねる」に助けられました。
事情を聞いたみねるは、孝士をそのまま女子大の学生寮「女神寮」の住み込みの寮母に誘い、孝士は喜んでこれを了承ました。
しかし、その女神寮とは十人十色の女子大生がおり、男性耐性0の超純情娘、照れると拳がでる武闘派乙女、コスプレさせるの大好き暴走レイヤー、怠惰なブルマ電波さん、怪しい実験を繰り返すマッドサイエンティストと、全員が一癖も二癖もある訳アリ美少女たちでした。
そんな女神寮での孝士と癖のあるお姉さんたちによる、ハプニング続きの新生活が始まりました。

本作は所謂「ハーレム系」と「おねショタ系」の融合作品です。
「ハーレム」はさすがに聞いたことがあるかと思います。
男性1人に対して女性複数の構図をハーレムと言い、少年漫画のラブコメは高確率でハーレム系です。
逆に「おねショタ」は聴きなじみがないかと思います。
「おねショタ」とは「お姉さんとショタ」の略であり、年上の女性と少年のカップリングのことを指します。
ちなみに、姉弟という意味の「お姉さん」ではなく、あくまで「年上の女性」というのがミソです。
とにかく、「ハーレム」と「おねショタ」が一度に楽しめる濃密なラブコメだというのは確かです。

本作のもう一つの特徴が、「際どい描写」です。
本作は「ラッキースケベ」や「全裸ハプニング」は日常茶飯事です。
深夜アニメとはいえ、かなり際どい描写が多く目立ちます。
言い方を変えるのであれば、青少年には刺激が強いとも言えます。
とはいえ、それが元々ウリである作品なわけですから、青少年を終えている私たちからすればどうというわけもないのですが。

さて、本作のように過激な描写をするアニメは昨今かなり増えているように感じます。
古いのも含めると「To LOVEる -とらぶる-」や「ハイスクールD×D」、近年の作品であれば「魔法少女にあこがれて」や「回復術士のやり直し」などが私は思い浮かびます。
元々深夜アニメは大人が見るのが前提ですから、多少は過激な描写があっても問題はなかったんでしょうね。
しかしながら、ネットが普及してしまい、いつでもだれでもアニメが見れるようになってからは一部モザイクや隠す修正が施されて配信されています。
私はアニメに関わらず、これらの修正に異議を唱えたく、本記事を作成しております。

今回は「アダルトコンテンツの規制」と題打っていますから、まずはそこから深堀りしましょう。
皆さん、「アダルトビデオ(以降:AV)」は見たことありますか?
当然、一度はあるかと思います、
多い方は毎日のように視聴されているのではないでしょうか?
そんなAVに皆さん感じたことがある違和感は一緒だと思います。
「なぜAVはすべて陰部にモザイクをかけているのか?」というものです。
実際、陰部なんて誰しも持っているはずのものであり、それをわざわざ隠さないといけないのはなぜなのでしょうか?
調べていて個人的に納得した理由を記載すると、日本は「売春が違法だから」というものと「わいせつ物のみだりな販売と拡散」が禁止されているからです。
「売春が違法だから」というのは、私も驚きでした。
だって都会歩き回ったら風俗なんていっぱいあるじゃないですか。
けど実はこれが面白くて、日本の風俗は表向きは本番はしていないという体を貫いており、あくまでそれ以外のなんでもをしているのです。
ではなぜそれがAVにまで影響しているのかというと、「売春」というのは「性的な行為をもってお金をもらうこと」であり、これは別に風俗に限った話ではないということです。
AV撮影時に役者に渡されるギャラも、(本番行為までしているのであれば)売春行為になるわけです。
では、なぜAVが売春で裁かれないのか。
「モザイク」がその答えになります。
つまり、モザイクがあることで「実際に本番はしていない体」を貫けるわけです。
あくまで女優・俳優は「本番に見えるような演技」をしているだけであって、そのものはやっていないというスタンスを取れるわけです。
これを見たときとても面白いと感じました、
もう一つの「わいせつ物のみだりな販売と拡散」の禁止は刑法175条に明記されています。
ここで言われている「わいせつ物」というのが陰部等を指しているため、モザイク処理を行って販売できるようにしているというのが実態らしいです。
以上のことから日本ではAVにモザイクがつけられているわけです。
当然これはアニメでもそうで、例えばよくあるお風呂のシーンで、ヒロインの胸と陰部に都合のいい湯煙のエフェクトがかかっていたりするのは刑法175条が関わっています。
幸いなことに「売春」には当たらないため、そこは心配しなくても良いのですが。

では、アニメにしてもAVにしてもモザイク修正は必要なのでしょうか?
私は地上波で放送されるアニメにおいては引き続き修正は必要だと思いますが、インターネット配信等では修正の必要はなく、緩和するべきと考えます、
地上波に関しては、さすがに不特定多数の人が見てしまうため、刑法以前にモラル的に問題があり、無修正で出してしまったときには関係各所が炎上してしまいかねないため、引き続き現行通りの運用でよろしいと思います。
ぶっちゃけたことを言うと、私はテレビで見る分にはパンチラやラッキースケベぐらいがちょうどいいと思います。
アダルトコンテンツは、クローズな場所で、小さい画面でこそこそ見て楽しむのが美徳だと思っています。
….と、冗談はさておき、本題に戻ります。
インターネットにおける配信では必要がないと思う理由は主に2つです。
1つは、「不特定」ではないという点です。
皆さんはネットを触っているときに、勝手にアダルトサイトに飛ばされてしまった、若しくは見てしまった、という経験はありますか?
インターネットはテレビと違い、チャンネルを触ったら勝手に変わるような代物ではありません。
アダルトサイトを見たいのであれば、それに関連するワードを検索欄に入れない限り表示されることはありません。
自らが調べて視ている以上、それは不特定多数にみだりに頒布していることには当たらないと思います。
2つ目は、年齢確認が簡単にできる時代だからです。
例えば、サブスクを登録する際に年齢を必ず入力させ、対象年齢未満の作品は閲覧できないようにするだけで、青少年の健全な育成には何の影響も出ません。
また、一般的なアダルトサイトでは必ず18歳以上か確認する画面が表示されます。
それを守ったことがある中高生を私は見たことがありませんが、体裁上は企業側は規制に対応しているわけです。
であれば、これもみだりな頒布に当てはまらないのではないでしょうか?

また、「売春の禁止」がモザイクの原因であるとするのであれば、その解釈も見直すべきなのではないでしょうか?
例えば、商業目的での売春は例外としたり、援助交際といった個人間での売春のみの規制にしたりと、方法は色々とあるように感じます。

他の法律もそうですが、やはり現代の基準とは合わないものが多々あるように感じます。
テレビも年々規制が厳しくなったり、批判に怯えて置きに行ったもののみを放送したりと、厳しい状況が続いています。
アダルトコンテンツの規制に限らず、少しづつ現代のライフスタイルに合った法律にしなければなりません。

今回はここまで。
次回もよろしくお願いします。


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