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政府の自粛要請はいつ終わるのか?

1.大規模イベント自粛要請から2週間

 2月26日に突然、そうり君から発せられた「今後2週間の大規模イベントの中止や延期」の要請。前日の25日に政府から発表された対策の基本方針では、イベント開催について、「現時点で全国一律の自粛要請を行うものではない」と明確な基準を示さなかった。
 しかし翌日27日には全国すべての小中高、特別支援学校を対象に「3月2日から春休みまで臨時休校を行うよう要請する」という二転三転の要請の波状攻撃が行われ全国で混乱が起こった。
 2月26日の要請から、もう直ぐ2週間が経過しようとしているが、まったくもって終わりは見えない。死亡者すら大幅に増加していないものの、感染者数は飛躍的に増えている。
 そうり君は29日の会見で「断腸の思いだ。何よりも子どもたちの健康・安全を第一に感染リスクに備えなければならない。責任ある立場として判断しなければならなかったことをご理解いただきたい」と語った。しかし、児童クラブや保育園、幼稚園は対象外とされており、小中高の休校に関しても自治体の判断に委ねるということだったが、政府の休校要請にも関わらず、対応していなかった群馬県太田市の保育園で保育士が感染。濃厚接触者は150人を超えるという。
 果たして小中高の閉鎖だけで良かったのだろうか?

2.PCR検査が保険適用で受けられるようになったけど

 3月6日から「PCR検査」が保険の適用となり、保健所の許可が不要となりより多くの人が検査を受けられるような体制になった。(実際、誰でもが簡単に受けいられるものではまだないけど)今まで相当な可能性がある人しか受けられなかった検査が受けられるようになったから喜ばしいことではあるけど、検査を受ける分母が広がれば広がるほど感染者の数も増えてくる。
3月7日現在で、日本国内での感染者は、ダイヤモンドプリンセス号の感染者を除き461人。感染者が中国を除き、世界で9番目であり、この数字だけ見ると封じ込め頑張ってるじゃんと思うかもしれないけど、中国以外で感染者数世界一位である韓国では3月5日午前9時現在で、PCR検査を受けた人数は14万人以上、日本では3月4日の正午時点で8111人と、その差は17倍以上にもなる。3月5日時点でのは韓国での感染者が6162名に対し検査数は14万775件。検査数からみる感染者数は韓国で約5,8%、日本では約4.5%。もし日本国内でPCRの検査が増えていけば、感染者数も当然増加していくことは単純に予想がつく。ここで問題になってくるのは、自粛要請を終わらせていく根拠が検査が進むにつれ、政府としても示しづらくなってくることだろう。

3.1~2週間が正念場だったはずが…

 ここ1、2週間が正念場だという専門家委員会の答申を、「責任は私にある」と言うそうり君が解釈して臨時休校とイベント自粛を発したわけだが、1~2週間経って感染者数の増加が止まらなければ、自粛を終わらせる根拠がなくなってくるわけで、おおよそ春休みも入れて3月いっぱいと見込んでいた期間が延長される可能性が大いにあるのではないか?
 気温が高くなればウィルスの活動も沈静化すると当初は言われていたけど、摂氏26度の気温のシンガポールでも3月2日現在で106人の感染者が見つかっている。
 小中高校だけ休ませても、PCR検査をすることによって、無自覚、未発症の者も含め感染者数の増加は止められない、数字が増えていけば増えていくほど自粛を終わらせる根拠を示せない、そうり君たちは一体どんな判断をするんだろう?
 オイラの仕事も2~3週間休みならば持ちこたえられるけど、それ以上に長引くと、経費ばかりが出ていき収入がない、従業員への給与の支払いもままならず倒産…というところは最悪避けたいのだけれど、そうせざるを得ない事業所がいっぱい出てくるのは明らかである。

4. 緊急事態宣言の法律改正でいいのか?

 そうり君は4日夕方、野党5党の党首と個別に会談し、新型コロナウイルスの感染がさらに拡大した場合に「緊急事態宣言」を発令できるようにする法改正の方針を野党各党に伝えた。
 緊急事態宣言に盛り込まれる予定は以下の通り
① イベントなどの開催制限。一定以上の面積の映画館やライブハウスの使用を事実上、禁止することが可能になる。
② 学校、保育所などの使用制限・停止の要請指示。そうり君の休校要請には法的根拠がないとの批判が出ていたが、緊急事態宣言により、法的根拠を持たせることができる。
③ 医療施設開設のための土地・建物の強制使用。国が必要と判断すれば、土地を強制的に使用し、医療施設に充てることが可能になる
④ 医療品や食料の収容・保管命令。現在、マスクなどの品薄が続いているが、業者に対して、売り渡しや保管を命令することが可能になる。物資を隠すなどした場合、6カ月以下の懲役、または30万円以下の罰則規定もある。

 緊急事態に求められるのは、やはり効率性とスピード。緊急事態宣言の発令によって、ウィルスが封じ込められない事態を避け、経済活動に対する影響も最小限に留めるという努力が必要であると思う一方、際限なくトップダウンでやってしまうのは独裁国家と一緒になってしまうので、「事態が収束して平常時に戻ったら元に戻るんだ」と国民に対して安心感を与え、国民からは信頼感を得るということが何よりも重要で、民主主義が試されている時でもあると思うという声もある。
 この法案は、今週にでも審議され採決されるかもしれない。安心できるリーダーの下での非常事態宣言ならいいけど、思い付きの行き当たりばったりのリーダーの下での非常事態宣言はめちゃ困る…非常事態宣言のどさくさに紛れて、憲法改正(改悪)まで突き進まぬよう、国民はちゃんと見ていなきゃいけない大切な時期なのだ。

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 今の日本は「遊星からの物体X」の血液検査を受けるベンチに縛られた南極隊員のような感じだけれど、もっと別の発想が必要かもしれない。こんなこと書いたら、みんなから袋叩きに会いそうだけど、ここまで来たらウィルスを撲滅しようという生き方を選ぶのか、ウィルスと共生しようとする生き方も選択肢として選ぶのか?これも1つの判断ではないかと思う。 

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