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味選ぶ

2023年11月が始まって6日
ここ1ヶ月、本をなかなか読了していない どうしてだろう読みかけの本がいくつかあるから?秋以降に購入して今読んでるものをレコードプレーヤーの前に積み重ねた

・黄色い家 / 川上未映子
・空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集 / 寮美千子 編
・書を捨てよ、町へ出よう / 寺山修司
・噛み合わない会話と、ある過去について / 辻村深月
・森は生きている / 富山和子
・背中の記憶 / 長島有里枝
・鏡のなかの鏡-迷宮 / ミヒャエル・エンデ
・常設展示室 / 原田マハ
・プレーンソング / 保坂和志

うん 
買う本がどれも同じくらいに面白いことってあまり無い 今回はどれも売りに出されず、部屋の奥にホイっと仕舞われもしてない
 
箱根、ポーラ美術館のミュージアムショップで買った原田マハの小説(美術館で買うのにピッタリすぎる)はMETで働く日本人学芸員の話から始まる、涙腺がすごい刺激される 
美術、ビジネスの世界でエリート経歴の原田マハが書く小説って高尚なのかと身構えていたんだけれど、ここ半年くらいでよく読むようになった。大きな話の流れは沖へ引いていく波のように逆らえないのに、"視る"こと=目の前の対象についてピカソ青の時代を題材として"想像する"こと を叙述しているところなどが、 !泣泣

鏡のなかの鏡は、みんな大好き『モモ』のミヒャエルエンデが書いたもので、わたしは名作児童文学(モモや星の王子さまに代表されるように)が苦手な傾向にあり、苦手だけど対峙したいという気持ちもあり、同じ著者の短編集であるこれも読んでみることにした。挿絵がメチャメチャよくて、ちょっとだけ身近な人で例えると6cmって名前でdjしてる女の子が描く絵のようだし、海外でいうとエドワードゴーリーの描くバレエダンサーのようです。 短編集のはじまりからおわりへ、おわりがまたはじまりへと繋がってる 読んでいて、すこし近い、"ここではないどこか"やな これは。

レコードプレーヤーの前に本を積み重ねてみたのは、家に届くのが待ち遠しいレコードが届かないから代わりに本を重ねて気を紛らわせていたのもある。だって、日中はほとんど家に居られないから宅配ボックスを頼りにしているのに、アパートの住人たちが宅配ボックスからお届け物を取り出さないせいで空きがないらしい!
冷凍庫にあるハーゲンダッツ食べていい? この前買ってたポッキー1袋食べていい? ってLINEする頃にはもう食べ始めている みたいな甘えに近いのかなと考えて、アパートの住人たちのことも許してやろうと思う 

職場の福利厚生で飲める30円のコーヒー、まあまあ美味しいのだけれど、好きな珈琲を最近見つけた以上は飲むわけには行かず朝に好きな豆のものを淹れて持っていくようにした。
何せ、目を覚ますためのコーヒー 紙コップに入った福利厚生コーヒーなんて飲み続けたら…
大学の卒業記念品タンブラーに、今日飲み切らなかったコーヒーがあることを帰り道に思い出す
牛乳を買ってアイスオレにしようとスーパーへ寄る。
スイーツが目に入って、季節は甘いものが食べたくなるところまで来た 牛乳も450mlの一人分サイズ、スイーツもひとつ。わたしの分も含めて、いつも甘いものは二人分買ってきてくれていた人のことが頭をよぎる
スーパーの袋を重たそうに手に持ち、仕事から帰宅した彼女を玄関で迎えることが、疲れさせている責任を目の当たりにしているようでその時刻が来る前に外へ出掛ける 実家はどこ?と訊かれて答える街と、密に結びつく記憶はこれくらいだ

出掛ける理由が今はもうない 特別、孝行のなにかをしてあげるんではなくて、ちゃんと生活し続けているって証明するくらいしか彼女に対して出来ることがないように思う 



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