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ゲーム音楽を支える裏側の変遷

さて、はじめに断っておきますが、いろんな人の主義主張を尊重します。
自分の体験と感想なのです。

もうすぐ半世紀も生きてきて、ずっとゲーム音楽界隈に関わってきたものなのですが、やっぱり、いろんなところでゲームチェンジというか、革命的な変化が起きていった時代を通ってきたなぁと。
それに合わせて、表現も変わっていっているところも。

◆最初に聞いたピコピコサウンド


自分のゲームの最初の体験は、
ゲームセンターか、家庭用のブロック崩ししかできないようなシンプルなTVゲーム機、またはゲームウォッチとかでしょうか。

しばらくしてから、気が付いたのですが、その当時のはビープ音とかアナログな電子?電気?回路で音楽が出力されている時代なわけで、あるいみアナログシンセ音が鳴っていたのかもしれない。

発信器や変調器、コンデンサーとかで音色が決まるみたいな。興味深い。

◆家庭用カートリッジ差し替えTVゲーム機 と パソコン


セガマークIII + FM音源パック、ファミコン + 拡張音源
マスターシステム、メガドライブ、スーファミ

X68000 + MT32 CM64、PC8801mk2SR + FM拡張、PC9801
MSXは触る機会があんまりなかった記憶

デジタル制御が可能な様々な音源チップが音楽を奏でる時代

メモリが増えてくるとドラムだけでも 
DPCMとかADPCMとかサンプリング再生みたいなものもでてくる。 チップ側でピッチ変更ができる機能があったり、簡単なディレイっぽいリバーブみたいなのとか。

フィルター系だとAmigaとか海外の方がいろいろトラッカーみたいな音源の機能が味わいあって良かったり。

アーケードだと、いち早くサンプリング音源によるドラムから、ベースとか、歌い始めたりとか。

ステレオになっているだけでも画期的みたいな感じだったり。
(強引に音源2つのせてたりとか)

GBとか L R 両方のどれかだけどか、
GBAとかはもうサンプリング音源(容量は少ないので波形メモリっぽい感じの駆動みたいな)

◆CDメディアがでてくる


CDRom2、FM-Towns、セガサターン、PS1、64

音楽のCD-DA再生とかで、収録音をそのまま流してしまうとか。
歌ものの曲がゲームのBGMで流れたり、ボイスがたくさんつかわれたり。

そろそろドット絵からポリゴンに表現が変わっていくように

テクニカルなサウンドエンジニア?サウンドプログラマー的な仕事はこの後くらいの世代のゲーム機から関わっていて

PS2、Xbox、GC、DC、アーケード と似たような機能で落ち着いてくる。
それほど差はないけど、ちょっと癖があるみたいなものたち。
設計思想も少しずつ違っているけど、求められているものは似てきた感じ。
まだMIDI的な音楽の再生がメインだった時代。

あと、ステレオが標準になってきた感じ。

PSGとかFMみたいな機能は削られる変わりにADPCM亜種みたいな
XMA、MDのフォーマットとかにあるものとか、いろいろ。
フォーマットには個性はあるけど、鳴っている音はそんなに変わらない。

メモリやストリームにメインCPU使っても怒られなくなったくらいから、専用音源チップはなくなり、 汎用DSPみたいなのから、やがてDAだけになっていったり。

CD-DA中のデータ読み込みできないから、うまいこと制御して、ディスクからのストリーミング再生みたいなのとか。

サラウンドのフォーマットもいろいろ意識しはじめたころ。
5.1chの家庭用AVアンプとかもでてきたり。光出力とかで対応してきたり。

音につつまれてゲームするのはなかなか楽しい

◆SteamとかXBoxとかPSとかSwitchとか 

どんどん発音数も、容赦なく容量もふえて、自由になった部分もありつつ
ロード時間とかメモリとか開発期間とか別のトレードオフがでてきたり。

でも、ちゃんと収録したり、ゲームの音楽がオーケストラ収録とかどんんどん豪華になっていたのも印象的。

HDMIとかフォーマットがどんどん決まってきていろいろ扱いやすくなってきた感じもあったり。
代わりに機種ごとの差はほとんど無くなってしまっていった感じ。

スマホとかも十分な表現力を入れても大丈夫な感じに。
作るコストはどんどん上がってしまっているかもだけど。

◆最近は・・・

音源や、収録とかこだわれる部分がどんどん増えていって
これぞっていう個性を技術的に出すのがどんどん専門化していっているような。
なんでもできるといっても、何が良いを決めるのはディレクションだったり、こだわりだったり。
いろんな音の作り方も試せるし、面白いことになっている。

VRとかのバイノーラル表現や、空間オーディオとか、もっとスピーカーいっぱい並べたりとか・・・リアルタイムの音響表現とか、  
通信速度も上がってきたので、オンラインで音が行き交うみたいなのとか

まだまだ、いろいろ許されるなら出てきそうな 

ところで、告知です

以下の2つのセッション

8/21

8/22

といった感じで、比較的新しめの話題として、
最新VR3vs3オンライン対戦アクションゲームのサウンドの話をCEDECで講演しますのでよかったらどうぞ。

あと、個人的にこの流れで面白そうなのは

8/23

文字がひらがなのみ 超ドット少ない しか出せなかった時代の話が聞けそうで楽しみ。

ではでは

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