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川越

小江戸、川越に来ています。
2019年に観光客が775万人と、過去最高を記録した川越。外国人観光客も28万人で、当時はインバウンドも好調でした。20年からはコロナの影響を受け、観光客は半減しましたが、今年あたりから戻ってくることでしょう。
何がそこまで人気なのか、イマイチピンときていなかったのですが、訪れてみて少し分かった感じがします。
それは川越の名物である「鰻」を食べに、「林屋」を訪れた時のことです。相変わらずの人気で約15分待ち。さて美味しい鰻を食べようと待っていると、お店の床に線路があるではないですか。
店員さんに聞いてみると、昔このお店は米問屋で、これは米俵を運ぶためのトロッコ用の線路。100年前からあるそうです。
言われてみれば、入口から奥の扉の先までトロッコ線路が続いています。店内は当時のままなので、米俵を運んでいた風景が想像出来るのです。

これが、付加価値を生むサービスという、先週の話の絶好例です。押し付けがましく、何年前からあるとか、米問屋だったとか、蔵をどうリノベーションしたのか、をお店から話してくるのではなく、こちらが聞きたいタイミングに的確に答えてくれ(もしくは、聞きたくなるような仕掛けがある)、歴史を感じながら美味しいものを食べられるという付加価値です。
鰻の写真を撮るのとは違います。今風に言うと、「人はストーリー(物語り)で物を買う」でしょうか。

古いものを壊して新しくコンクリートの建物を建てる、スクラップ&ビルドではなく、古いものをレトロで終わらすのでもなく、古いものと新しいものを交ぜて再提案するセンスが素敵です。このあたりは、大手ゼネコンや日本のデベロッパーが苦手な感覚なので、他の都市の大型モールやアウトレットとは全く違った特徴があり、訪れたい街になっているのでしょう。
それが川越人気の理由なんだなぁ、と1人で納得していました。
“古いものと、新しいもの” を上手く混ぜる。
これはとても大切なキーワードです!
トロッコの話を聞いて食べた鰻は、さらに美味しくなりました。

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