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たてよこのあれこれ

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たてよこ書店を運営するなかでの”あんなこと”や”こんなこと”を書き溜めていきます。
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#古書店

たてよこのあれこれ #10

このnoteは、新潟県上越市にある「たてよこ書店」という小さな書店の店主によるnoteです。『たてよこのあれこれ』と『店主のひとりごと』という2つのマガジンを更新しているのですが、『たてよこのあれこれ』では、たてよこ書店を運営するなかでの”あんなこと”や”こんなこと”を書き溜めていきます。主にお店に関わることが多いです。 『店主のひとりごと』はこちらからご覧いただけます。 灼熱の8月中旬。「たてよこ書店公開工事」を開催しました。 今年はほとんど雨が降らず、カラッカラの夏でし

たてよこのあれこれ #08

夜の雁木通りは暗い。一部素敵な照明が設置されている区間はあるものの、ほとんどの通りは電柱の街灯のみだ。住居は縦に長細く、主な生活スペースは建物の真ん中あたりにあるので、外まで光が漏れてこない。本当に人が住んでいるのか、そう思うことすらある。 たてよこ書店の営業時間は21時まで。日没以降、通りで明かりがついている場所は他にない。真っ暗な通りにポッと一軒だけ明かりをつけている。 7月4日。「たてよこ夜話」というイベントを初めて開催した。20時に集まって、夜の古本屋さんでじっく

たてよこのあれこれ #04

前日の天気予報では完璧な雨模様だったのに、朝起きると全く降っていない。ただ、空は鉛色で、空気もどこかどんよりとしている。お隣さんとも「雨の予報でしたよね〜」と言葉を交わす。嬉しいんだか、嬉しくないんだか。天気も気持ちもまさに”曇り”だ。 最近はツバメがよく飛んでいる。巣を作る場所を探しているのだろうか。だいたい暖かくなってきた頃に巣を作り始めるらしい。従来、ツバメが巣を作る家は縁起が良いとされているが、どうやら最近はフンの処理やその他諸々の理由で敬遠されているらしい。いかに

たてよこのあれこれ #02

とにかく天気が悪い。 お店を営業していて丸一日晴れたことはほとんどなく、1日のうちどこかしらで雨や雪が降る。 東京と新潟を往復しているので、東京にいるときは「この素晴らしい快晴は日本海側(山脈)のおかげなんだよな〜」と思い、逆に新潟にいるときは「こちら側のおかげで今ごろ東京は気持ち良い天気なんだろうな」と思うようになった。 以前、お店近くの小学校(店主の母校でもある)で授業をする機会があった。4年生に向けて、雁木通りのこれからについてお話しするという内容だった。その数日前に

たてよこのあれこれ #00

ついにオープンを迎える。 7月末に物件が確定してから約4ヶ月。東京と行ったり来たりを繰り返しながら少しずつ準備を進めてきた。カレンダーを遡ってみると、合計で10回、滞在日数にすると23日の滞在でここまでたどり着いた。 どこにでもいる普通の大学生。特別お金があるわけでもない。スキルがあるわけでもない。頭にぼんやりと浮かぶ「こんなことがしたい」という気持ちを何となく追いかけ続けてここまで来た。 周りの同級生は大半が就職活動をしている。現実を見つめ、自己を省みて、社会人としての第