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私は秘密を持ちたい

私はなんでも人に話したい人間ではないので、ふいに秘密を持つということについて外側に答えを求めたことがあった。たまたまたどり着いたネットの記事に「秘密を持つというのは辛いことだ」と書いてあった。そうか…と思いつつ、全てを話す気にならない私は辛いまま生きたいのかと思うとそんなこともない。じゃあ、この気持はなんだろう。

先日東京に行った時に友達に「まいちゃんは見られたい自分があるんだね」のようなことを言われた。こう見られたい自分、それが明確にあるのだと。
例えば最近は月に1度は東京に出向いているわけで、そこまでバカスカ費用もかけられないわけで、ゲストハウスやカプセルホテルに宿泊することもある。というか最近はそんなことが多い。ホテル高いんだよね、今。

それを隠したい自分がいる。優雅に良いホテルに泊まっている自分で在りたいと思っている自分がいるから。場所云々ではない心の居心地の悪さ。それは「こんな自分でいたいな」というものがあるからこその気持ちなんじゃないかって。とはいえそれが嫌で嫌で仕方ないというよりはカプセルホテルのコンパクトさや不便利な感じを楽しめる自分もいる。共有スペースもホテルのラウンジと思ってくつろげるスキルもある。

これは私が自分で「なんだかかっこ悪い」と思うだけで必要がないなら秘密にしたい部分ではあるけど、別に聞かれれば正直に話してもいい部分だ。話さないで見栄を張って嘘を重ねたら苦しくなる。持たなくていいというのはこういった恥や劣等感や罪悪感に係わる秘密なのだと思う。

借金があるだとか、過去にこんなことがあっただとか、秘密の恋をしているだとか。そういったものは誰にも話せないでいると辛いかもしれないと思う。誰か一人にでも、そのことを言えればきっとどれだけ楽になることか。それが何も知らない占い師にだとしても。


それと別で、私には思うことがある。それは別に伝えたいことではないこと。例えば、あなたのことが嫌いですよ、とか。そんなことわざわざ言う必要ない。離れればいいし。例えば、あなたを愛していました、とか。思っていても伝えたくないこともある。なんでもかんでも明け透けに話すのは好きではないし、伝えないことで分かり合えないならそれはそれで仕方ないと思う。例え伝えたところでと思ってしまう。伝えたい、苦しいってなったら抱えてなんておけないんだから。


色気が、ないんですよ。
こんな言い方するのは私の趣味の問題だけど、言えなくても苦しくない秘密なら持っていたい。

私との約束だ。絶対に、これは言わないって。
私が知っていればいい。そういうことがあるよね。

…私が死ぬときには抱えておけるかな?
その時にならないとわからないから、話すのはきっと今じゃない。

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