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シナモンロールインパルス

昨晩急にシナモンロールインパルス(ふと、シナモンロールを焼きたいという衝動)がやってきて、朝起きてからうだうだしながら日焼け止めを塗ってハットを被った姿でスーパーに買い出しに行った。身なりを整えるよりもとにかくシナモンロールを焼きたかった。

最近は瞑想をして、ふと自分が「やってみよう!」と思ったことは四の五の言わずやるようにしている。とは言えこれまであまりにも長くやりたくない事、やらなくてはいけない事を優先してきた私が、全ての衝動の通りに動けているかはわからないけど、あまり厳しくしても得にはならないから「やりやすいところからやっていこう」というような気持ちだ。

今は本当にどうでも良さそうな事が多い。あまりにも美味しい坦々麺に出会ったから、人にも勧めたくて『1,000円クーポン』と称してクーポンぽい紙に現金1,000円を挟んでプレゼントしてみたりとか。晴れてて気持ちいいから外歩きたいな〜と思ったら、仕事の休憩を取って少し外に出たり。そんなもんだ。


これまで長く自分とのつながりの時間ーボーッとしたりして自分の中の自分の声が聞こえるまで待つ時間ーをことごとく排除してきたわけだから、最初からそんな重要そうな衝動ばかりが来るわけでもない。けど、その意味のなさそうな一瞬一瞬が望みへと続く重要なファクターなのだ。

そう、信じて私は今これに取り組んでいる。気分は、いいよ。まだまだ癖は抜けないけど、きっと大丈夫。


そんな衝動に従って手に取った本、週末北欧部chikaさんの「マイフィンランドルーティン100」という本に、chikaさんが愛するシナモンロールのレシピが載っている。chikaさんの北欧の愛するものが詰まったその本を読んでいると私もその国の香りを感じてみたくなる。そしてそこからいいないいな〜作りたいな〜を経て、ついに今回のシナモンロール作りになったわけ。


簡単3ステップ、材料3つだけ!みたいな料理とかお菓子が好きでそれ以上の材料が必要になるととたん面倒くさくなる私なのだけど、今回は情熱と衝動が面倒くささを上回った。


人間は、本当にやりたいことならこれくらい軽やかに行動できるのね。対してお料理得意でもない私がシナモンロールなんて個性的なものを作ろうと思うなんて。



母はシナモンが好きではないと言っていた。母 はよく嫌いなものを見るとそれを「嫌い」と言っていたので、私もなんとなくその対象には触れないようにしていた。セロリやパクチーなどの香りの強い野菜なども。私もあまり食べる機会もなく苦手と思っていたけど、今はセロリは大好物で副菜で出ると歓喜である。

クリスマスイブに実家に帰った時に私はいそいそとクリスマス仕様のシナモンロールを買って帰った。母はもちろん食べないと言っていたけどもう私はいい大人になり、何も気にせずに好きなものを食べる。

そう言えば、母が「こういう顔はタイプじゃない」っていう芸能人を見て、私もタイプじゃないかな、と議論するのも面倒だし否定されるのも気分が悪いからオウム返しみたいに合わせていたこともあったけど、あーゆー顔も、私本当は嫌いじゃないんだよね。

ごく当たり前のことだけど、自分の好きは誰かのそれとは違うし、やりたいことワクワクすることもそれぞれだ。一人一人の観念も。なのに、誰かに否定されて落ち込んだり、面白いなって今は思う。「あの人がああ言ってて…どうしたらいいの?」って困っていた私が、今の私と同じ人生の延長線上にいたなんて…



私のこの意味のなさないかもしれないお菓子作りの衝動も、それは紛れもなく私から生まれた本当なのだから、これからもこんな時間を私は過ごしていく。

「そんなことしてないでもっと意味のある事を」そう言われても…

私が楽しく過ごし続ける以上に意味のあることなんて本当はないのだから。

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