さらば、最後の仮面ライダーオーズ（ネタバレ感想）

今の所2回観に行きました
一度目と二度目で見方が変わって最終的に手放しで良い映画だったと言えなくなってしまった
その徒然を綴りたい

まず冒頭、割れたメダルに呼びかける映司の声
そのまま蘇るアンク
街は瓦礫の山で　一体何が起こっているのかって所から映画が始まる

一度目の鑑賞では　アンクと一緒に色々な何故を解明する流れになり、アンクとリンクする形で感情の起伏が起きる。
まるで自分がアンクになったかの様な感覚！
映司が死んだと言われても可能性かゼロては無いと奮闘し、ゴーダが映司を捨て去った後　涙を流しながら子供の身代わりになったことを責める、それはまさに10年間待ち続けた僕達が言わずにはいられない言葉だ!!
そこで「だって、手を伸ばすだろ？」って言われたら
ああ、火野映司はこういう男だった
って納得するしかない
…納得してたんだよ、この時までは確実に

そして特撮史上に残り続ける超エモい戦いの後
映司はアンクを突き飛ばし　天寿を全うする。
人は人を本当の意味では理解出来ない
ただ結果が残るだけ、だから僕達は映司に裏切られた訳じゃない
理解する何かが足りてなかっただけで　映司にとっては必然だった行為

そうか、こうなったのか！
SNSで「薄めないと飲めないオーズの原液」と言われていた意味がわかった
人の死は当然の様に重く辛い　その当然はTV番組の中では希釈して提供されるが
「実は『死』はこんなに悲しい、だから、この映画を見に来た貴方は死なないで！　最後の選択は間違えないで!!」と言う逆説が込められているのでは？
そんな深読みもした
号泣といかない迄も溢れる涙を止めることが出来なかったが…この涙は良くない、感動ではなく純粋に悲しさで流す涙は後悔が後をひく

『いつかの明日は、明後日の来ない明日だった』

そんな感じで認められないかといえばそんな訳でもなく、映司君が最後にくれたこの切なさって感情を大切にしよう…なんて少し面倒くさい系になりつつも翌週にもう一度観に行った

二度目の観劇が始まると(また泣いちゃうかな〜)とか思ってたのが　全然ハマらない!?
まず2回目では効果音のサイレンの音がメッチャ気になった
アンクが目覚めた時、瓦礫に埋め尽くされた街に響く救急車のサイレン
えっ？　病院機能してるの？
まだそんな余裕のある世界なの？

そしていきなり始まるグリードとレジスタンスの戦い

ずっと傍観しているアンクに話しかける映司
ここ、中身がゴーダだと知ってから観たら誰にも感情移入出来ず　神の視点(第三者)にならざるを得ない
(あー、知らないからー　騙されてるからこういう反応になるよねー)
(味の分からないグリードから味の分からないアンクに渡されたアイスみたいなあれは何かしら？)
等と雑念が消えない

ゴーダが正体を明かし演技力スゲーって所は何度見ても勉強になる　ホントに演技力スゲー！

色々あって恐竜のメダルで大逆転♪
そこからゴーダが欲望を暴走させていよよ最後の盛り上がり
…ってか　TVのラストでタジャドルと一緒に戦うアンクを　今回反転させて戦うアイデアは満点だ！　まさに観たかったシーンだし　何ならこのシーンの為にこの映画を作ったんでしょ？そうでしよ？　ね？
だったら何故…　何故戦闘シーンが合成なの！？
身体の透けた映司が別撮りで合成されてるのは何故!?
本当にここのシーンの重要さが分かってる？
スケジュールの都合ですか？
ここで妥協が見えた気がした

そして最後の最後、映司が自分の身体からアンクを突き放す問題のシーン
一度目は命の灯火を振り絞って叶えたアンクの復活だから　ここで映司が延命すると言う『ズル』をしたくなかったんだと解釈した
でも2回目は腑に落ちなかった
他人の命を救う為に手を伸ばす映司だが、他人が差し伸ばす手は簡単に振り払う
このアンバランスさがしこりとして残る
例えばそのままアンクに身体を預けた状態でも　実は既に手遅れで映司の命が消えてしまう、悲しい結末だけど　これならまだ理解出来たと思う、わからないけど
でも最後に突き放した行為は『自殺』だ
どうせなら生き足掻いて死んでほしい、自殺で死んで欲しくない
少女が助かって良かったって言うセリフも
自殺する人間が言うと説得力が無くなる
この映画は多分企画の早い段階で映司が死ぬ事は決まっていたんだろう　そこは仕方がない、でもそこに執着しすぎて　助けられる分岐点にはあえて目を背けて映画を作ってしまった感がある
…だけど僕はこの結末を受け入れる
これが結果だ！　公式の出した答えだ!!

だけども大丈夫、残されたアンクは欲望の権化だ
諦めるハズがない
このまま30年　映司の復活を試行錯誤して
映画MEGA MAXで　過去から飛んできた全てのメダルを受け取ったオーディンからメダルを回収するためにまた時を遡り、
過去の映司と邂逅しつつも自分に必要なメダルはしっかりと確保しつつ未来に戻り…
そのメダルで完全体アンクになって願いを叶える

そんないつかの明日の明後日はあるかも知れない

3/28追記
これを読んだ嫁さんから
ゴーダもアンクも人の身体を使ってるからアイスの味がわかるよ、あと映司は自分から手を伸ばすけど　他人からの手は前から払い除けてた(一人で背負い込んでやろうとしてた、TVの最終回でやっと手を繋げた)と指摘されました
確かにその通りなので追加記載します