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#35 男性性欲と不道徳

12月16日。水曜日。ばか寒い。寒すぎて京都にいながら心が地元に帰った。と思ったが、地元はもっと寒かった。年末つらいな。
そんな今日は【男性性欲と不道徳】ということで。noteの利用規約をちゃんと読んだわけではないので、この話題が大丈夫なのかよく分からない。まあ多分行けるでしょ。

今日の記録

12時、起床。今日は授業がなかったので、だらだら。布団の中で『ビッグ・マウス』シーズン4を観終える。シーズン2,3の方が面白かったかな。それでも最高の作品ではあった。

16時頃、CoCo壱でベジカレー。その後研究室で、本日もひたすら訳の作成。今日は3ページ分。訳の関係で、途中ずっとミルの『自由論』を読んでた。面白い。訳がうまい。

21時、夜もそのまま、訳の作成。最近、訳作ってるかCoCo壱行ってるかのどっちかだな。明日はインターンなので、早く寝たい。

男性性欲と不道徳

(3000字ぐらい)

本日、Netflixオリジナルアニメ『ビッグマウス』の新シーズンを見終えたので、その話。

特別編のトレイラー。あんまりいい公式動画がない・

『Big Mouth』。個人的にNetflixで3番目ぐらいに好きなアニメなのだが、周りで好きという人が一人もいない。ので、今日はちょっとした布教も兼ねて、この話。

このアニメ、一言で言うなら思春期性欲ドタバタ劇といった感じ。主人公は性の悩みに振り回される中学生。思春期特有の悩みや、この時期の失敗あるあるとかが描かれている。
と言うとちょっと聞こえはいいが、実際はどぎつい下ネタが多く、基本的にかなり下劣なアニメ。しかし真面目なところはちゃんとやっているので、性教育の教材としても見れるアニメである(本当ですよ)。

物語は大抵、主人公のアンドリューが有り余る性欲のせいでなんかやらかすというもの。彼は四六時中性欲の満足のことしか考えておらず、それはちょっと、常軌を逸したレベルである(シーズン4では祖父の遺体を前にして自慰にふけっている)。
で、もう一人の主人公ニックは、アンドリューほど性欲が暴走することはないが、皮肉屋でちょっと性格が悪い。女子からの評判もイマイチで、身体的なコンプレックスも抱えている。彼女ができる回もあるのだが、すぐ別れがち。そして誰よりも、童貞のまま死ぬことへの恐怖を抱えている(ので、僕は一番ニックに共感できる)。

他にもいろんなキャラが登場するのだが、この作品の特徴として、各人に1体ずつ「ホルモン・モンスター」が付いていることがある。
上の動画を見ると、開始3秒ぐらいでよく分からない化け物が登場すると思う。これが「ホルモン・モンスター」で、各人の”性欲の化身”みたいなもの。こいつらのアドバイスに従う(性欲に従う)と、だいたいよくないことが起きる。

* * *

最近は映画や音楽の紹介ばっかだったので、無理矢理まじめな話に引きつける。

先週↑のような記事を読んだ。内容は大まかに、

①男性の性欲が「病気」と診断される日も近いかもしれない
男性性欲は不道徳で非生産的なのだから、医療によって管理してしまってもいいかもしれない

というもの。

これ、②が面白いなと思っていて、確かに性欲や性衝動(特に男性の)は、暴力とか抑圧として働きがちだと思う。最も顕著なのは性犯罪であるが、ただ最近は、ミソジニー(女性嫌悪)なども男性の「支配欲」に由来するとか言われているそうな。

で、『ビッグ・マウス』も、性欲や性衝動に従った結果として誰かを傷つけてしまうという話が多い。しかも性欲に囚われて物事が手に付かないという描写も多々ある。ので、「(男性)性欲が不道徳で非生産的」というのは結構理解できる話である(アニメ観てなくても理解できるか)。

そういうことを考えると、男はみんな精子だけ冷凍保存して、パイプカットしてしまった方が全体の福利が向上するんじゃないかなあと思ったりもする。そうすればセクハラとかもなくなるし(多分)、男性から女性への抑圧とかも減るんじゃなかろうか(おそらく)。あと、自分自身の中での「性欲との対決」みたいな、はっきり言って無益でしかない時間もなくなる。
ので、「性欲の満足」がもたらす幸福と、「男性の性衝動」がもたらす社会への害を天秤にかけたら、わりと後者の方が勝つのではないか、とも思ったりする。

「男性」の話ばかりしているが、歴史的には女性の性欲こそ「不道徳」とされてきた経緯がある。不倫で男は罰されないが、女性は厳しく非難されるなど。「男は女性の性欲を”無い”ものとして封じ込めてきた」というのは、フェミニズムがよく主張していることだと思う。
あと、他に歴史的に「不道徳」とされてきた性欲に、「同性愛」があると思う。1960年までのイギリスでは、男性間の同性愛行為は刑事犯罪として処罰の対象であった。ただ、これらは現代において「不道徳」とのレッテルを外されつつあると思う。

だから、もし「性欲への医療的規制」が入るとしたら、間違いなく「男性→女性」の衝動に限られそうではある。こうした性欲は事実、社会の中で「害悪」として働いてるし(セクハラや性犯罪など)、他方女性・同性愛者のそれは謂われがないのに抑圧されてきたものだからだ。男性を差し置いてこっちを再規制するということはあんまりなさそうだ。

そうなると、男性性欲に何か、実際の社会への害や女性への抑圧を打ち消すだけの「道徳的価値」や「生産性」があるのかが問題になると思う。あるんだろうか? それがちょっと、よく分からんなという話。生産性などなくても「権利」として擁護されるという主張もあり得るとは思うが、それら行為や衝動がもたらす害悪が明確な場合には、具体的な利益を示さないとちょっと厳しいんじゃないかと思う。。

・・・ただ、受験や仕事への熱意はちょっと下がりうるかもしれない。というのも、僕の周りにも「高学歴になれば彼女に困らない」と考えて受験に精を出した人はちらほらいたし(それは幻想であるのだが)、仕事についても、ちゃんと恋人がほしいから高収入の職を目指すという人は少なくなさそうである。だから単純に、性欲が規制されると頑張ることのモチベが消えるということはあるかもしれない。もちろん、「性欲を満たすため」ではなく、「自己実現のため」「社会のため」に頑張れる人が多ければいいのだが、結局後者は建前のようなもので、前者の方が実際的理由になっているんじゃないかと僕は疑っていたりする。

*これは完全な余談だが、性犯罪者には刑罰として「去勢」を課すべきではないか、という議論がある。性犯罪者は再犯率が高いので、いっそのこと「性欲」を排除してしまった方がいいのでは、という議論である。
で、刑罰による「去勢」は確か、「過剰剥奪」などと言われていて、たとえ加害者が更正したとしても一生自発的な性行為を行えなくするのは、さすがに「奪いすぎ」なのではないかとか指摘されていたと思う(「泥棒の腕は切り落とすべき」という主張が極端なように、性犯罪者にもそれは許容されないということ、だった気がする)。

* * *

いつも書くことだけ先に決めて、書き始めてからオチを考えるのだが、今日はこれといった着地点が見つからない。

ただ強いて言えば、結局のところ、「男性の性欲」が剥奪されることの不利益として、どんなことがあるんだろうなという話。当人はよく分からない「性の衝動」から解放されるし、社会的には女性の立場・福利の向上につながるかもしれない。個人的には、それによって男性の「頑張るモチベ」が消えるかもなとか思うけど、実際の性被害の苦痛などに比べればたいしたことではないだろう。

・・・ただ、苦悩多き思春期・青年期を過ごした(過ごしている)身としては、「性の煩悶」をテーマにした作品が楽しめなくなる、という寂しさはある。『ビッグ・マウス』もそうだし、僕の大好きな小説の三木卓『炎に追われて』とかもそう。そもそもそうした苦悩の無き世界では、そのような寂しさも存在しないだろうけど。僕にとってはこれが一番好きなジャンルであるので、、、

オチは特にないのだが、まあみんあもこの問題について考えてみましょうということで。男の性欲、この社会から消えても問題ないと思いますか? なんでnoteでこんなことを話しているのかは、最後までよく分からんな。


<おまけ>

坂爪真吾、という人がいて、この人は身体障がい者や高齢者の性欲についてよく論じている。ちなみに僕と同郷である。今回どっかで紹介しようと思ったが、入れる場所がなかった。

これらは僕が『ビッグマウス』を通じて知ったスラングたち。アメリカの性的俗語にちょっと詳しくなれる。

正直、自分が「よい子のみんなは読んじゃダメ!」系の記事を書く日が来るとは思ってなかった。怒られたらそのときはそのときで。