見出し画像

伝える

ああ今までこんなに感動したことがあっただろうか。
両手の手首から肩にかけて鳥肌がざわざわっと沸き起こってくる。脳よりも先に反射的に皮膚から伝わってくる何か。

2022年10月1日土曜日、私は、一人で山中湖交流プラザきららにいた。
数週間前、茶友に中村さん!「Mt.FUJIMAKI 2022」というフェスのチケットがあるんだけど良かったらどうですか?と誘われた。今までコンサート、フィールドバレエ、シルクドソレイユ、落語、演劇などいろいろなイベントには行ってきたけど、野外フェスは初めて。パンフレットをみると出演者には、中島美嘉さん、岸谷香さん、奥田民生さんなど、青春時代なじみのある歌手の方々。そして「よー、そこの若いの」で有名な竹原ピストルさん。テレビCMで初めて聞いた時、そうだよな!そうだよな!「よー・そこの若けーの大人の言うことを聞くなよ!」どうせ大人は自分の成功法則でしかものを語らないからなぁ~と、40才頃の私は、自分を棚に上げてそう思っていた。そんな私は現在50を超え、自分の正確な年齢をいくつだったか最近まで忘れていた。そんなことはどうでもいいが、竹原さんの独特な語り掛けてくるような歌い方と擦れたそして野性味あふれる声に心がビンビン震えたのを思い出す。最後にフェスのタイトルにもある藤巻亮太さん。山梨県御坂のアーティスト。へぇー山梨県のアーティストがこれだけのメンバーを呼べるんだ!とビックリした。iPhoneのカレンダーをみると空いている。行ってみるか!

当日は土曜日、ローテーションである6時からの恵林寺坐禅会に参加し、8時から天候不順で延び延びになっていた市営住宅3階への畳の納品を済ませ、心置きなくいざ出発。

愛車日産NOTEは快調。私が住む塩山から会場の山中湖交流プラザきららまで、およそ55㎞、車で1時間少し。ガソリンが高くなっている昨今、ECOモードでガソリンを節約しながら意識して走るのにも新しい喜びを感じている今日この頃。
会場に到着するとだだっ広い駐車場に係員がいて案内してくれた。2,500円を払い奥の駐車スペースに車を停め、いざ出陣。初フェスなのでどんな感じか全く分からなかったが、指定席はないだろう、確かパイプ椅子などが写っているパンフレットなどあったような気がしていたので、パイプ椅子と帽子だけは用意していた。
なんだなんだ!テントがいっぱい張ってあるぞ!なるほどなるほど、アウトドア用品店が挙って出店している。そしてキッチンカーもたくさん出ている。人がたくさん来るのでコラボしているんだな!出展料いくらくらいかな?と経営的視点でみている私がそこにいた。
まず受付を済ませ、手首に輪っかを付ける。そうだ以前、病院に入院した時に付けたやつと同じだ。会場内と飲食、販売スペースを分けているので、出入りをチェックするのにいちいちチケットでチェックするより楽だ。へぇーこんな利用法もあるんだと感心。

会場に入ると、大きなステージ、特に両脇にある縦長の巨大スピーカー幅1m×縦8mくらいあるだろうか?凄いなー!音がでかいわけだ。そして芝生を敷き詰められた会場が広がっている。ステージ手前の最前スペース。そしてその後のプレミアムエリア。そして立ち見エリア。最後列に椅子などを置いて寛ぎながら見ることができるエリアと4つのエリアに分かれていた。辺りを見渡すと、既に最後尾の椅子エリアにパイプ椅子や横になれる椅子など様々なスタイルの椅子やレジャーシートで陣取っている方々がいる。フェス初心者の私は早速、椅子エリアの一番奥の空いている一番前に椅子を置いて陣取った。後で考えるとやっぱり正面の方が良く見える。次回からは、早く行って正面に座ろう。
さて、席を確保したので腹ごしらえ、一度会場を出て、先ほどの飲食エリアに移動。
するとあるブースでノンアルのレモンサワーを無料で配布している。1つ頂いて、これに合ったものは何かなぁと探していると一番奥のキッチンカーで、ピザがあったのでマルゲリータを注文。いつもの如く、ご亭主といろいろ話をすると放光寺参道市にも一度出店されたことがある富士吉田のカポリーナさんだと分かる。そういえば、キッチンカーが大きいので、放光寺参道市の時に駐車スペースに入れるときに苦労した記憶が蘇る(笑)
妙なご縁を感じ、またお越しくださいと声をかけピザを受け取る。飲食エリアに置いてある椅子は満席。空いたスペースを見つけ、芝生にどんと腰を下ろして、先ほど頂いたノンアル酎ハイと一緒にマルゲリータを頂く。正面には富士山。
辺りには赤とんぼが舞い、秋を一段と感じさせる。
さて、いよいよ本題。ここからはそれぞれのアーティストについて感じたことをお話ししようと思います。
まずは、藤巻亮太さん、コロナで中止を余儀なくされ、久しぶりの再会となった「Mt.FUJIMAKI」いろいろな思いを述べられていた。そして3月9日をはじめ数曲を熱唱。私はレミオロメンが山梨県出身の歌手くらいしか知らなかったが3月9日は、耳馴染みがあり、ああこの曲かぁ~。物悲しくていい曲だなぁ~と、粉雪もそうかぁ。改めて藤巻さんて、いい曲を作られるんだなぁと再認識。そして、フェスの音量にも慣れてきた。

2人目は、一度生で聞いてみたかった竹原ピストルさん。やっぱり凄いね!思いが伝わってくる。みんな頑張れ!って歌を通して伝わってくる。大切に魂の叫びを歌っている印象。そして、感謝感謝、ありがとう、優しいねと観客にお礼を言っている姿がとても謙虚、お人柄が滲み出ていた。

そして中島美嘉さん、髪の毛を後ろで1つに縛り、漆黒のワンピースで登場。細っ!!雪の華が好きで、当時アルバムを買って今でも車に入っている。雪の華、ORION、ああ中島美嘉だー。そして藤巻さんとのデュエット曲を一緒に、中島美嘉 with 藤巻亮太 「真冬のハーモニー」、2人で明るい未来を作っていこうって感じの明るい曲、そして「僕が死のうと思ったのは」を。衝撃的なタイトルなので、最後まで聞いてくれたら内容が分かってもらえるだろうと、前置きをおいてから歌い始める。丁寧に丁寧に。圧巻だったのは、最後、全身から振り絞るかのように「世界に少し期待する よーーーーーーーーーーーー」って震えた!!
身体で音を感じ、全身から声を絞り出すように大切に歌う、まるで巫女さんのよう。
岸谷香さん、プリンセスプリンセスのボーカル、奥井香から俳優の岸谷五朗さんと結婚して苗字が変わったんだ。冒頭「世界でいちばん暑い夏Mt.FUJIMAKIバージョン」で、「Hold me tight darling」 とハイトーンボイスで歌った瞬間、最後列に陣取って椅子に座っていた人たちが、波となって中間の立見席への移動が始まった。「ホーミータイダーリン」と叫んだだけで、こんなに人を動かせる力があるのかーと一流は違うなぁと思いつつ、私も慌てて立見席へと移動した(笑)

面白かったのは、一曲目の「世界でいちばん暑い夏」を歌い終わった後、岸谷さんは、ジャケット脱ぎ、タンクトップに。時間は夕方、日も沈みかけ肌寒い感じになっていた。一曲踊りながらの熱唱で、熱量が凄く熱くなったのだろう。その光景をみた藤巻さんは、「なんかすみません。」と恐縮していました。岸谷さんはジャケットを脱ぎタンクトップに、一方、藤巻さんは、半袖からジャケットを羽織って登場と本来ホストとして、盛り上げなければいけないのにみたいに感じたのだろう(笑)

そして、岸谷さんは冗談交じりに、荷物が多いアーティストですみませんと言ったのです。一瞬なんのことだろうと思っていたましたが、そうかアコースティックギター、エレキギター、ピアノと何種類もの楽器を持ってきていたということか。よくよく考えると40分5,6曲のステージに名曲を揃え、全力で歌うために万全の準備してこられたのだと感心させられました。
M、世界でいちばん暑い夏、DIAMONDSなどそれぞれの楽器を使って、まさに全身全霊を込めて楽しくノリノリで歌っていました。凄いパワーで会場も一体となっていました。このステージを見た後、岸谷香さんのYouTubeチャンネルを見ている私なのでした。しかも、ぜひ近くでライブを見たいとコンサート情報をチェックしています。岸谷香さんのYouTubeチャンネルをみていて才能があるのはもちろんのこと音楽が本当に好きなんだなぁファンに楽しんでもらいたいんだなぁと思わせるアーティストだと感じました。そんな熱意の一期一会のステージができる岸谷香さんだからこそ、その思いがファンの心に伝播するんだと感心させられました。
大トリは、奥田民生さん。日は暮れ、月が出ていました。そんな中、こんなに人がいたんだってくらいの人が居て、中間の立見席も満杯。みんなノリノリで踊っていました。
選曲は、藤巻さんのリクエストで、藤巻さんがバンドでコピーをしていたユニコーンの名曲、「すばらしい日」も交え、藤巻さんと粉雪のデュエットもあり、良い感じに力が抜けた大物感たっぷりのザバンドっていう感じの染みる大人の演奏でした。

今回の「Mt.FUJIMAKI 2022」について関係者の話を聞くと、こんなにメジャーな歌手が一堂に集まることはまずないそうです。いろいろなご縁で、一度にこれだけのアーティストの歌を聴くことができて、本当に良かったです。それぞれ個性が際立ち、楽曲もそうですが、どう伝えるかに一流の凄さを肌で感じることができました。なんとも贅沢な経験をさせて頂きました。「Mt.FUJIMAKI 2023」が楽しみです。Liveってやっぱりいいな!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?