#オリジナル
コンビニとかで売ってるグラマラスバタフライ
詩：モリマサ公 記憶が真っ青に 枯れ果てた木々に降り積もり 目では見えない星くずの上で だんだん夕暮れてく 抗うすべもないまま冬 空腹で消えていく記憶たちの 理由を探してシャッターを切る ファミリーレストランで隣の席から声がしている 「パンケーキがあるよー 」 「じゃ、そういうかんじにする？」 「目が痛いんだけど、」 「ドライアイ確定じゃない？」 うまれたてのかわいいが最強、 おれはあなたたちを しらないことを 罪のように感じてる てゆーかあなたたち という現象を まどからみてたら 1分で１時間たったのには笑えた 拍手喝采まるで 「本当のこと」みたいに 高速道路の高架下をくぐって アクセルを踏み込む 様々な壁面に「タギングされた文字たち」があふれ リストカッターの薄く汚れた包帯に巻かれた 無言の腕ががっつり つり革をつかみ ドラックディーラーの 「丁寧に開ききった瞳孔」に 秋の光が吸い込まれ 徐行しているタクシーが涼やかに すれすれを通り過ぎるのがサイドミラーに写る 我々は無差別なテロリストが 「最初は赤ん坊だった」 ことを忘れないが 生まれてくるこどもが 「いつか通り魔になる」 ことも予測できない 繁華街の街路樹を おおう空気は生乾きで 血のにじむ肉色の雲は膿を孕み 地下鉄の券売機に すばやく吸い込まれて 行く冬のゆくえをみてる 本当はなにが「チャージされてるのか」 意味が「わからない」を 待つ一定の不安感が すすけていくまぶたを うっすら閉じたり開いたりさせてる 淀む川面街灯たちがきらきらと映り込んでいる 真っ暗なその果ての海がかすかに匂う、 雑踏をにらみつけながら そこに行き着くための 経路を頭の中に張り巡らし、 埋め立て地で白い風車は なにを考えているのだろうか 体中の毛穴がいっせいに開くとき ランダムな雪が冷えきった体に 旋回しながらふつふつと来る
「アイスバーン」「新しい契約」
久納美輝 詩集『アイスバーン』より http://www.shichigatsudo.co.jp/info.php?category=publi…
魔法少女が血反吐を吐く
詩：モリマサ公 アレクサ、次の曲 ペルソナ 普通の人格 死ね 生きろ 愛してるぜ マジで 自己で自己を否定して矛盾しろ アレクサ、音量１個さげて 安心しろ薬も何もやってねーよ やってるのはタバコとお酒 人って弱いんだよね 他者にはわかんねーだろイカれたフリ 他者と同じことやりたくねー アレクサ、ナンバーガール透明少女流して 僕のは美じゃ無い魔法だからね いつでもこいよ 殺してやるからよ アレクサ、リピートして アレクサ、黙れ 酔ってないよ いかれてないよ 壊せ自己矛盾 死ね俺 俺は俺を殺してやる 生きてっか？世界 俺たちはネバーダイだ 死なねーんだよ おろかなお絵描き 俺という自己を殺せ アレクサ、ニルバーナの世界を売った男ながして 未完成という名の完成 アレクサ、音量２個あげて アレクサ、音量1個さげて 死んでろ 生きてろ 死ぬなよ おなかすいたな なーんつって アレクサ、次の曲ながして 世界おせー アクリル乾くのおそい 世界がおそい さあ 見えるかい世界 それすらも否定しろ グーグル アマゾン ファイスブック アップル 命の味お肉 世界の味お肉 太陽 家 沈黙 音楽 コーヒー 仕事 性欲抜きの平穏 さまざまの攻撃性は休暇中 家族主義なしの家族 年がら年中我々は我々だ 地点という名の点が 激しくまわっている 生きるか死ぬかの崖が 張り巡らせられているマンションたち 電波の悪いゾーンで 「まいっかまいっか」 をくりかえす 張りつめた緊張 赤が足りない その時間その感情で その瞬間にしか生まれない美を 長い時間をかけて 風化される天使たち 地下鉄の販売機に 吸い込まれて行く時起こる 「チャージ」を待つ時の一定の不安感 お金 バランス パフォーマンス 健康 ポジショニング 様々な角度から歪んだ腕たちがのばされていく わたしのマイメロ えーすきとかきらいとかもうだめじゃん ドラッグディーラーの開ききった瞳孔 血のにじむ肉色の暗い雲が雨を孕み いまにも降り出しそうで すなわちふりだし 歩くひたすらにぐるぐると 顔のないつるっとしたひとたちが 不意に笑う声 ヤンキーの運転するワゴンRが 速度ましていくのみてる 愛してる多分の状態から５秒 パーティー スクロールする指の角度 刹那的リスカ 計算されたジサミ 職質のタイミングで わきおこる幸福感 数を数えているうちに迎えに来る死