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頭が疲れて硬くなった時に読みたい本『やし酒飲み』

『やし酒飲み』(エイモス・チュツオーラ作)という本、アフリカ文学の最高傑作ということですが、すごく変です。大金持ちの家に生まれて、10歳のころからやし酒の大酒のみだったという男が主人公。やし酒を作り続けてくれたやし酒造りの名人が死んでしまうところから話が始まります。

死んだやし酒造りが天国に行く前に、この世のどこかに住んでいるはずだということで、居場所を探しにやし酒飲みの旅が始まります。様々な出会いと出来事が妙な納得感のあるハチャメチャさで、しかももちろん常に死を引き連れて、次から次と展開されます。水木しげるの世界に近い雰囲気があります。墓場鬼太郎とか、河童の三平とかね。そういう感じの書評もインターネットにたくさん上がっていますので、皆さんやっぱりそう思われるんですね。

どんな出来事が起こるのか、ここでネタバレしてしまってはもったいないので、ぜひ読んでください。アタマを空っぽにして、細かいことは気にしないで、やし酒飲みと一緒に旅をしている気分で。

Wikipediaで知ったのですが、こういう本を、マジックリアリズムと言うんだそうです。『日常にあるものが日常にないものと融合した作品に対して使われる芸術表現技法』だそうです。上手いネーミングだなあと感心しました。

ところで、マジックリアリズムつながりで、『百年の孤独』の文庫化が話題ですね。まだ読んだことが無いので、早く手に入れて読みたいです。


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