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第12回 ニャンコ先生

こんにちは、Vibrence建物とまち担当のtatです。
みなさん、ニャンコ先生というと何を思い浮かべられますか?
パラリンパッとニャンコ三回転をするニャンコ先生を思い浮かべられた方は多分僕らと同年代ぐらいです。その昔「田舎っぺ大将」に出ていたニャンコ先生は印象深かったですよね。でも、今の若い世代にとってのニャンコ先生は「夏目友人帳」に出てくる酒好きで食いしん坊の妖怪の仮の姿の『ニャンコ先生』らしいのです。
その「夏目友人帳」の舞台のモデルになっている人吉市に山陰からのドライブの続きで連れて行ってもらった話を少しだけしたいと思います。
自分にとって人吉は2度目の来訪です、とは言っても初めての訪問は半世紀以上も前のまだ幼稚園に通っていた頃まで遡るんですが、父が経営するタクシー会社の慰安旅行に運転手さんや食堂のおばちゃんたちと一緒に連れて行ってもらった時以来です。(両親はその旅行には行っていないのでおばちゃんたちに連れて行ってもらったんです)
流石に細かいことは記憶に残っていないのですが、桜島で泊まった旅館、いく途中のバスの中でのみんなの表情、あとは人吉で有名な川下りのシーンは映像として記憶の中に残っています。ほとんど残っていない記憶の人吉は川下りだけなので山深いものすごい田舎としてイメージしていました。
実は「夏目友人帳」はCSのアニメチャンネルで初回からいくつかのシリーズを繰り返しやっているのでたまたまチャンネルで当たると楽しんで見ていました。細かい内容は割愛しますが現代の水木しげると呼べる原作者の緑川ゆきはそつなくスッとして妖怪マンガを描いていて、大人も楽しめる作品になっています(機会があれば是非みてください)。
ただ、気になっていたのは人吉ってこんな大きな街?って疑問でした。小さい頃の印象で山の中の川下りが有名な観光地で小さな街、どっちかというと村的なイメージで想像していたのです。
ごめんなさい、今回降り立ってみて自分の印象が間違っていたのを理解しました。人吉は歴史と文化のある豊かな街でした。連れて行ってくれた友達に聞いたところ人吉藩相良氏が治めた城下町で広く栄えてきた街で今もその風情を残しています。山地に広がる盆地はお米もたくさん取れたであろうことを想起され、古代より豊かに暮らしてきたことが伺えます。街も文化的なものを大事に保存、使用している様子がすぐにわかる本当に美しい街です。
特に街中に普通に国宝「青井阿蘇神社」があります。

楼門は珍しいことに茅葺二層の荘厳な構えで出迎えてくれます。


拝殿も茅葺、この日は奉納の舞の練習をしているようでした。

弊殿、廊と続いて本殿は銅葺の流造、側面背面まで鑑賞できる珍しい社になっています。国宝級の社でしげしげと本殿を間近で眺めることができるありがたい存在なので是非一度行かれることをお勧めします。
楼門があることからわかるように神仏混淆の色濃い社で伊勢や出雲のような古色な風ではなく地方の近世寺社の特徴がよくわかります。

こんな街中にこんな立派な社が立ってるんです、すぐ隣に妖(あやかし)がいるまちであることは保証します。

この後、夕暮れ迫る中 「夏目友人帳」の聖地 『大畑駅』へ。
仄暗い山道を30分ほどクネクネと登っていきます。
到着した聖地は、今は人吉水害の影響で使われていない駅となっていますが
多くの人が訪れた痕跡とその日は閉まっていたカフェがありました。
幽玄とした世界からにゅっと妖が声をかけてくるのが想像できます。

今回の旅は先を急いでいたのでゆっくりと時間を過ごせませんでしたが
また、泊まりがけでゆっくりと訪れてみたい街です。
流れている時間が全く違う、でも今ときちんとつながっている魅力的な街です、
皆さんも出かけてみてはいかがでしょう。

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