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【クトゥルフ神話TRPG】オリジナルシナリオ「狭間の世界」

クトゥルフ神話TRPGシナリオ「狭間の世界」

ーもう一度会いたかった。例え言葉を交わせなくとも。
               叶うのならば、君の隣へ。ー

1.はじめに

クトゥルフ神話TRPGのシナリオです。
本シナリオは、KP向けのものですので、ご注意ください。
クトゥルフ要素や、ホラー・グロ要素は薄め(フレーバー程度)
ストーリー重視の方におすすめです。

難易度:★☆☆☆☆(戦闘)★★★☆☆(シナリオ)★★★☆☆(KP)
シナリオ傾向:推理寄り、戦闘はほぼなし
想定プレイ時間:3〜4時間程度(テストプレイ済)
舞台:現代日本
推奨人数:KP1名 PL3名程度
推奨技能:目星、聞き耳、美術、図書館など
推奨職業:1人は警察か探偵がいると、合流しやすいと思います。

コメントや感想、シナリオ矛盾の穴や、ご質問などいただけるととてもありがたいです!!
リプレイ動画などをもし作ってくださる方がいらっしゃれば、概要欄に記事リンクなどを貼っていただけますと泣いて喜びます。

2.登場人物


●ハセ タカノリ(54)
本シナリオの核となる人物。
当時、新進気鋭の画家であったハセは、妻と娘との幸せな生活を送っていた。
10年前に家が火事になり、1人で留守番をしていた娘を亡くす。
それ以降、無気力な生活を送り、近くの裏山に持っていた別荘で
亡くなった娘を求めるように彼女の絵を描き続けていた。
あるアーティファクトを使う過程で正気を失いかけてはいるが、
娘への愛情から、なんとか理性は保たれている状態。
その希望が潰えるとおそらく無気力状態になる。

ある理由で鏡などに映らない。

●ハセ エリカ(享年8)
タカノリの娘。10年前、家で留守番をしていたところ、家が火事になり、死亡。
火事の原因はわかっていない

●ハセ ジュンコ(50)
タカノリの妻。エリカを亡くした後、自暴自棄になって絵を描き続ける夫を
見ていられなくなり別居。
現在は同じ町にある実家に暮らしている。
タカノリのことはまだ気にかけており、
いつか一緒に娘の墓参りをしたいと思っている。

●空鬼
本シナリオの黒幕的キャラクター。
元来次元を移動する力を持ち、二次元空間を主な住処としていたが、
三次元空間に移動した際にあるアクシデントに巻きこまれ
その力をほとんど失ってしまった。
自らの住処に戻るため、なんとか残った力で、
アーティファクト「描いた物を二次元に送りこむ筆」を作り上げる。

この筆は描かれた正確性に応じて二次元に送り込まれた際の能力などに
差異が生じてしまうため、画家であったタカノリを唆し
自らの似顔絵を描いてもらう。

ほぼ完全な姿で二次元に戻れた空鬼は現時点で満足しており、
自らの住処を荒らされない限り、積極的に人間に危害を加えることはない。
なお、人間の姿をしているときの空鬼は「特に何の特徴もない男」

●絵にされた人物
(基本はPLの数と同数が望ましい。以下「犠牲モブたち」という。)
PLと親密な関係にあったばかりに犠牲となる哀れな人たち。
人物設定などはKPやPLの属性によって決めて良い。
基本的にはタカノリに似顔絵を描いてもらったところ二次元世界に放り込まれ、あるものは困惑し、あるものは怒り、あるものは悲しんでいる。
PL達が後半二次元世界に入り込む(助けにいく)動機になるため、
できるだけPLと親密な設定・RPが望ましい。
PLと同数である必要はないが、前述の通り、
「まあ無理して絵の中に入らなくてもいいか」と、
ストーリーが停滞する可能性があるため上級者KP向けかも。

●画廊の主人
こじんまりとした画廊を開いている画商。いきなり画廊に絵を持ち込んできたタカノリから破格の値段で絵を引き取り、そのあまりの出来栄えからその絵を掲示している。

3.シナリオ時系列

2011年
 ・ハセ家が火災で全焼。ハセエリカが死亡
  →地方新聞やネットニュースを見れば、
   画家の娘が火事で死んだことはわかるだろう。
 ・タカノリ、アトリエにこもり娘の絵を描き続けるようになる
2012年
 ・タカノリ、ジュンコ別居
  →ジュンコは、タカノリはアトリエにいるだろうことは知っている。
2020年
 ・空鬼、3次元から戻れなくなる
2021年 
 ・空鬼、タカノリに筆を託し、似顔絵を描いてもらう
 →空鬼は2次元世界に帰還。
 →タカノリは筆を使って娘と自分、2人の絵を描くが、筆の能力は
 「描いたものを二次元に送る」ものであるため、
  絵からは、空鬼の絵のような感情やリアルさは感じられなかった。
  この時自分の絵は鏡に映った自分を見て描いたため、
  鏡の中の自分が二次元世界に送られ、自分の姿が鏡に映らなくなった。
 →犠牲モブたちの似顔絵を描き、実験を行う。筆の能力に気がつき絶望
  描いた絵(娘と自分の絵、犠牲モブたちの絵)は画廊に
  適当な値段で売ってしまい、アトリエでPLが来るまで
  「なぜだなぜだなぜだ」「エリカ・・・」などと呟き娘の絵を描き続ける。   
  たまに山を降りてきて適当に食事をし、またアトリエに戻る。
 (PLに導入で姿を見られるのはこの時)
  →二次元に送り込まれた犠牲モブたちは、現実世界では行方不明状態。
   人数が多ければ地域ニュースなどになる。
   ただし、空鬼は人間ではないため、当然行方不明者としてカウントも
   されていないし、捜索願いも出されていない。
 ・シナリオスタート

4.シナリオ

4−1導入

任意のPLが深夜1人でいると、(例:コンビニで雑誌を立ち読みしている)後ろを誰かが通る気配がした。通るスペースを作ろうと少し前に寄り、なんの気無しに顔をあげたPLは、ガラス越しに、自分の顔以外に何も映っていないことに気がついた。それと同時に、確かな足音とともに背後を誰かが通って行ったーおかしい、そんなはずはない。PLは立ちくらみに似たような恐怖と、自分が今まで出会ったことのない、何か冒涜的な存在を感じるだろう(SAN値チェック0/1)

4−2 事件への関わり

PL達が日常生活を送る描写
→友人(または恋人・家族など、各PLにとって大事な人物の設定)とラインの連絡が取れない、いつまで経っても家に帰ってこないことに気づく。
行先候補の指定【警察署or探偵事務所(探偵がPLにいる場合、或いはKPが探偵NPCを行う場合)/失踪者の自宅】

4−3メンバーとの合流

捜索願いを出したり、探偵事務所に依頼をしたり、警察に相談したり、といったタイミングで合流をしておくとその後の進行がスムーズ。(例:あなたもお友達が行方不明なんですか、実は私も・・・)
→KPは上記を促すような進行をすることを推奨します。(バラバラに行動させると、処理が大変です。。。)
→PLが少ない場合、警察署での聞き耳技能/自宅での目星技能成功で他にも行方不明者が何名か出ていることを知る。(この場合、犠牲モブたちは、モブの友達ということになります。NPCとしてシナリオに絡ませて、誘導しても可。)
行先候補の指定【警察署or探偵事務所/失踪者の自宅】


4−4手がかり探し1(失踪者の自宅)

 ・失踪者の自宅などで目星に成功すれば日記が見つかる
 (SNSを知っていれば目星は不要で同様の情報が見つかる)
  →特に悩んでいる様子などはない。
  →美術館に行った、などという記述が多い
  →(クリティカル)失踪日前日の日付で、「明日似顔絵を描いてもらうことになった」という記載が見つかる
 ・探索が行き詰まった場合、任意のタイミングで幸運技能を振ってもらい、
  →「気分転換に、美術館でも行ってくれば?犠牲モブも絵が好きだったよな」
   等と知り合いに言われる場面を作りましょう。
行先候補の指定【警察署/探偵事務所/失踪者の自宅/美術館】

4−5手がかり探し2(美術館)

 ・あまり人はいない。地域密着型の美術館。
  →美術技能で判定。成功の場合
   ・写実的な少女の絵に目が留まる。
   ・そういえば、自分の街にもそこそこ有名な画家がいたな、と思う。
   →絵に対してさらに目星された場合
    ・画家の名前は「ハセタカノリ」
   →絵を見ていると後ろから声が聞こえる・・・聞き耳に成功した場合
    ・「最近近くの画廊で似た絵を見た」という話が聞ける
  →いずれも失敗した場合は聞き耳で判定し、成功した場合
   ・「近くの画廊にいい絵がある」という話が聞ける
行先候補の指定【警察署/探偵事務所/失踪者の自宅/美術館/画廊】

上記が全て失敗した場合は目星でひっそりとした画廊をみつけるなどで、行先候補に加える

4−6手がかり探し3(画廊)

 以下のような描写
「ーひっそりとした画廊に入ると、肖像画が何点か飾られていた。PLはその絵に描かれた人物に見覚えがあるだろう。いや、見覚えがある、どころではなく、それはPLが探していた人物そのものだった。」
・画廊の主人に話を聞く場合【言いくるめ/信用】などが必要。または絵を購入すると話をしてくれる。絵の値段は1D100万円。以下の話が聞ける。
 →絵は突然男が持ち込んできたが、あまりの出来栄えに飾っている。
 →顔はすっかりやつれていたが、ハセタカノリではないか?
 →娘を亡くしてから美術界を去ったはず。

・飾られている絵は以下の通り。美術館で描かれているハセの絵を見ている場合、これらがハセの絵だと気がつく
「目星−10」「美術」で追加情報を得られる
 「犠牲モブの絵」(モブの人数分)
  →写実的タッチで描かれている。
  →非常にリアルで、他の絵にはないような迫力のようなものが感じられた。
  →笑顔で描かれているものの、そこから伝わってくる感情は
   生々しい怒りや悲しみといった負の感情だった
  (絵に閉じ込められて怒ってる/悲しんでいる)
 「中年男性と少女の絵」
  →サイズも大きく、非常に細部まで描かれている
  →2人とも穏やかな笑顔だが、犠牲モブの絵のような迫力は感じられなかった
  →(追加目星)親子の絵にしては少し歳が離れているように思った。
  「中年男の絵(空鬼の絵)」
  →写実的タッチで描かれている。特に特徴のない男の絵。
  →非常にリアルで、他の絵にはないような迫力のようなものが感じられた。
  →真顔で描かれているものの、そこから伝わってくる感情は
   穏やかな喜びの感情だった
  →(追加目星)特に特徴がないのではなく、「特徴を何一つ見出せない」顔だと感じる
 「風景画など」(元々画廊にあったものでハセの絵ではない)

行先候補の指定【警察署/探偵事務所/失踪者の自宅/美術館/画廊】
※娘を亡くしたことについて図書館などで新聞を調べようとなった場合図書館を加えて良い。

4−7 手がかり探し4(アトリエの場所)

以下のいずれかでアトリエの場所を特定できる。
・図書館技能に成功する(失敗の場合ゲーム内時間を経過させる)
 →火事が起こった現場を特定(ハセタカノリのかつての自宅)
・現場に行くとすでに誰かの家が建っている。
 →聞き耳/目星で「こんな新しい家が建ってしまったのね」と言っている「複雑そうな面持ちで家を見つめる」中年女性(ハセジュンコ)を見つける
・ハセジュンコに対して【言いくるめ/信用/こぶし(!)】などで話を聞き出せる
 →自分はハセタカノリの妻であること
 →10年前に娘を亡くしたこと
 →今はタカノリは自分のアトリエにいるだろうこと(住所get)
→タカノリはまだ娘の死を認められない。いつか一緒に墓参りをしたいと思っていること
行先候補の指定【警察署/探偵事務所/失踪者の自宅/美術館/画廊/アトリエ】

4−8 ハセタカノリとの邂逅(アトリエ)

アトリエに移動した場合、以下のような描写
「鬱蒼とした木々をかき分け、獣道のような細い道を歩いていくと、やがて小さな山小屋を見つけた。」
→目星技能に成功した場合
 ごくシンプルな外装だが、ここ数年手入れがされていないのは明らかだ
→聞き耳技能に成功した場合
 ほとんど音は聞き取れないが、なんとなく人の気配はするように思えた

アトリエの中には部屋が3つある
・保管庫のような部屋
ハセがこれまで描いた夥しい数の娘の絵を発見する
→目星/美術技能に成功した場合
 画廊で見た絵のような、迫力や絵から迸る感情といったものは感じられない
・リビング
生きていくのに最低限の食糧などが見つかる
机の上に殴り書きにされたような日記が見つかる
日記は終始乱れた字で書かれており読み取れるのは以下の通り
→どれだけ描いても、あの頃のエリカを描けない。魂が入っていないんだ。もう一度でいいから、会いたい
→変な男に会った。「描いたものに魂が宿る」という筆を譲る代わりに、似顔絵を描いて欲しいという。頭がおかしいやつだと思ったが、試しに書いてみると、確かにできた絵は自分がこれまで描いたどんな絵よりも生々しさや感情が会った。絵を渡そうとしたが、その男は
しばらく絵を見入っているうちに立ち去ったのか、いなくなっていた。
→娘の絵を描こう。俺も一緒だ。10年で俺はずいぶん歳をとった。今じゃ歳が離れた親子の絵だな。
→上手くいかない。今までの絵と一緒だ。どうして、どうして、どうして、どうして、どうしてー
→鏡に俺の顔が映らない。どうでもいい。
→何人かで実験をしてみた。意外とハセタカノリの名前を覚えているやつはいて、ホイホイ似顔絵を描かせてもらった。この筆は「描いたものに魂が宿る」んじゃない、「描いたものを絵に閉じ込める」筆だ。これじゃあエリカの絵を描けない。
→この筆で描いた絵は売り払った。こんなものに頼らずにエリカを描かなくては
→エリカ、
あとは文字が乱れていて読み取れない
・作業スペース
聞き耳技能で判定。成功すれば、つぶやき声が部屋から聞こえてくる。
日記を見る前に部屋に入ろうとする場合は、「後戻りはできなくなるかもしれないがよろしいですか?」と、誘導してあげることを推奨。
タカノリは正気はかろうじて保っている状態だが、基本的には無気力で、PLたちに積極的に協力するつもりはない。PLが話しかけるまでは
「エリカ、エリカ」
「なぜだ、どうして描けない」などといっている。
→「言いくるめ/美術」などで、PLが娘の絵にタカノリを描き足すことなどを提案すると協力、同行してくれるかもしれない。
→暴力などで無理矢理に話を聞いても良いが、アイデア判定などで穏便に済ませたい。
部屋に対して目星技能成功した場合
→禍々しい力を秘めているような、不気味な筆が打ち捨てられているのを発見する

これまでの状況を整理するとおそらくPLは以下のような推理を行う
・この絵には本人たちが閉じ込められている
・絵から元の世界への戻し方はハセタカノリに聞いてもわからない
・筆を渡し、自分から絵を描くよう依頼した男は今絵の中にいる
・彼は行方不明などのニュースにもなっておらず、彼がこの事件の原因なのでは
→画廊にある絵に自分達を描いてもらえば男と話すことができるかもしれない。
 (ここは、難しいようであればアイデアロールなどで、誘導してあげる)

4−9 絵の中へ

・画廊にはまだ絵は売れずに置いてある。
・絵に自分達を描いてもらうためには、絵を買い取るか奪い取るかする必要がある。

描いてもらうといつの間にか自分が真っ白な空間の中にいることに気づく。
全員SAN値チェック(1/1D6)
・空鬼の絵に描いてもらった場合
→扉が(犠牲モブたち+2)個ある。
目星技能に成功した場合
→一つは大きく豪華な扉だ。残りはどれも質素な扉だ。
→扉にはいずれも鍵がかかっている(鍵開け技能は無効)

以下の描写
PLたちが扉を調べていると、背後からのっぺりとした声がした。
「おや、どうしました」
振り向くとそこには何の特徴もない、いや、何ら人間らしい特徴や個性が見出せない男が立っていた。
「困りますね、勝手に私の世界に立ち入られては。」

4−10 空鬼との邂逅

・空鬼は積極的に人間を殺すつもりはない。自分の世界を人間の血で汚すつもりがないからだ。ただしまとわりついて来る小虫を殺すことには躊躇いはない
・一方で人間に積極的に協力する動機もない。人間は基本的に自分よりも下等な種族だと思っているからだ。
・空鬼は各扉につながる鍵を持っている。
大きな扉→三次元世界(元の世界)への扉
質素な扉→犠牲モブたちの部屋+タカノリの影の部屋
・元の世界に帰りたいという場合、機嫌を損ねていなければ戻してくれるかもしれない。
・他の扉を開けたい、連れ帰りたいという場合断られる
「彼らは私のペットなのですよ。もっとも、勝手に増えてしまうのが困り物ですがね」
・しつこく食い下がったり、無理矢理に奪おうとした場合空鬼との戦闘となる。

以下の描写
男の姿が歪んでいく。いや、まるでインクが滲むかのように、濁っていく。
人間ではない。ぐにゅる、と音を立てながら、男は巨大な、冒涜的な怪物の姿になっていった。猿にも似ているが昆虫のような印象も会った。名状し難い姿はシワだらけであり、顔には何の表情もなかったものの、残忍さ、凶悪さが滲み出ていた。
(SAN値チェック0/1D10)
STR CON SIZ INT POW DEX
2D6+12 3D6+6 2D6+12 2D6 3D6 3D6
移動7 耐久力18 装甲3
技能
かぎ爪(30)1D8+ダメボ
噛みつき(50)1D6+ダメボ

倒した場合、或いは鍵を盗む、何らかの方法で鍵を手に入れた場合各扉に入ることはできる。

・犠牲モブたちの部屋
 →感動的な再会を演出してあげてください。
 →なお、絵の中は時間の概念がないため、空腹で倒れているなどは考えなくて良いです。
・ハセの部屋
 →最後に訪れるようにしてください。
以下のような描写
「その部屋には、ハセタカノリと、その娘エリカがいた。ぼんやりと、佇んでいるよう2人の間には何か、静謐な時間が流れているようにすら思えた。」
 →タカノリ(影)とエリカ(絵)がいる。
 →タカノリは鏡に映った自分が描かれている状態で、基本的に何を話しかけても返事はない
 →エリカは、長年の狂気じみたタカノリの創作を通じて奇跡的に「絵に魂が宿っている」状態。簡単な受け答えならできるかもしれない。或いはやはり絵は絵で、何も返事はしないのかもしれない。KPの解釈で良いです。
 
・犠牲モブたちを連れた状態で元の世界に戻るとED

5.ED

以下の描写
「PLたちが大きく荘厳な扉を開けると、ーそこは元自分達がいた場所だった。彼らは元の生活に戻っていく。しかし、そこはもう「元の」世界ではない。PL達は知ってしまった。この世界には自分達が認識も想像もしていなかった冒涜的な存在がいることに。そして、その経験は自分達の認識する世界を変えてしまったことに。」


★個別エピローグ
・タカノリを連れてきた場合
→タカノリの影は消滅し、本体と一体化する。絵の中で彼の影がすごした、娘との静かなひとときの記憶は、もしかすると彼が事実を受け入れ、前に進むためのきっかけになるかもしれない。
※ジュンコが心配になってアトリエを訪れ、憑物が落ちたような彼をお墓参りに誘うことでエンド、というのが想定EDです。


・エリカを連れてきた場合
→彼女は、2次元の世界から出てこれるのだろうか?出てきた彼女は自我を持つのか?
出て来れたとして、それは「ハッピーエンド」なのか?
KPの解釈に委ねたいと思います。出て来れない、という解釈の場合は上記想定EDに合流します。

・どちらも連れて来なかった場合
→タカノリは自分を絵の世界へ送って欲しい、娘の絵に自分の絵を描き加えて欲しい、と望む。
→美術技能に成功すれば、タカノリは目の前から消え、親子の肖像画が出来上がるだろう。
→そこからPLが感じた感情はどのようなものだっただろうか。
 或いはそれは、「狂気じみた穏やかさ」というものかもしれない。

END 最後までお読みいただきありがとうございました。





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