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Biz研究、「東京ディズニーランド」その開発の歴史をたどっていこう!

#プロジェクトX  #東京ディズニーランド #オリエンタルランド  
NHKプロジェクトXでは取り上げられていない東京デズニーランド(TDL)。
そもそもどうして東京湾浦安の町に東京ディズニーランドができたか!日本最大のテーマパークTDL開発の秘密に迫ってみたい。

日本には、様々なアミューズメント事業がある。しかし、なんといってもTDLの大きさには驚かされてしまう。創業(1983年)から40年間で、なんと8億人が来場している。日本人一人当たり、6回以上行っている計算となる。

しかしこのTDLだが、そう簡単に日本に誘致できたわけではなかった。千葉県がこの地を埋め立て、複合娯楽施設にしようとしたのは訳があった。もともと浦安という土地は、漁業の町として賑わっていたからだ。海苔や貝の養殖で、現在価値150億円あったというから、相当に潤っていた。

そんな町の近くに、工場が立ち並ぶようになったのが、1950年代の終わり。特にひどかったのが、江戸川沿いに建てられた製紙工場からの廃液だった。吐き出される汚染水によって、魚介類はほぼ死滅してしまう。浅瀬の海は、黒く濁ってしまった。

これにより町の人々は、漁業では食べていけなくなった。そこで考え出されたのが、海を埋め立てて新しい産業を起こそうという計画だった。千葉と国は、積極的に埋め立て事業をおこなう。そして、この地に娯楽施設を誘致しようと考えていたようだ。

ここに目をつけたのは、京成電鉄だった。ただし、この広大な土地に、それだけの集客ができる施設をつくれるとは、誰も考えなかったようだ。もともとディズニーランドの日本への誘致は、千葉県手賀沼で!と考えられていたようだ。1960年に、後楽園を中心とする財界人で、ディズニーランドに似たアミューズメント公園を作ろうとしていた。

しかしその後、埋め立てにより手賀沼の水質汚染がすすみ、1964年には事業会社の経営状態も悪化。地元の我孫子町では、ここを住宅地としようとする動きが出て、「手賀沼ディズニーランド」断念することになった。

この頃ディズニーランドの誘致については、日本各地であったようだ。静岡県をはじめとする各地域の代表は、米国ディズニー本社に行き、交渉するも、ほとんど断られたという。千葉県が拠点の京成電鉄もその一つ。これにも難色を示していたようだ。

1974年になって、突如ディズニーランド側が動きだす。浦安計画にオッケーを出したのだ。理由は、米ディズニー本社も日本市場を目指したいたようだが、計算すると採算がとれないと見た。それなら、日本の企業にやらしてみたらどうか!そんな思惑だったようだ。

話しは、京成電鉄・三井不動産出資の子会社「オリエンタルランド」により進められていく。ただ、交渉過程で行き詰まったようだ。米国ディズニー側は、ロイヤリティーを売上げの10%としたことと、その契約期間に問題があった。

米国ディズニー側、頑として条件を変えない。かなりの強きだったようだ。オリエンタル社としては、周囲からの反対に遭ってしまう。しかし、交渉したオリエントランド社代表は、一存でこの話を飲んだそうだ。

日本に帰国してみると、借り入れ先の金融機関が納得しなかった。親会社となる三井不動産が、及び腰で、裏書きしない方針だったからだ。

困り果てたオリエンタルランド社代表は、千葉県知事に泣きついた。けっきょく千葉県が責任をとることで、日本興行銀行をメインバンクとして資金の調達に成功する。米国ディズニー社との契約日ギリギリの交渉だったようだ。

総工費が1580億円。当時としてはあまりの巨額だった。しかし開園1年目で、入場者1千万人突破。4年後には、全負債を返済するという勢いになった。

米国ディズニー社が、日本で直営の事業を行わなかった理由。それは関連グッズ販売を見ていなかったことによる。いまや全売上げの3分の1を占める「グッズ販売」。日本人の土産品文化が米国人にはわからなかったようだ。

多額の利益を生みだしたオリックスランド社。それに甘えることなく、毎年新たな設備投資をしている。なんとその額40年で5000億円も使ったという。さらに、各アトラクションには、協賛企業のネーミングもつけ、徹底した収益化を図っている。固定費より変動費が大きく、災害にも負けない企業体質となっているようだ。

まとめ
ディズニーランドの強みの1つに、スタッフの働きの良さがあると言える。SCSEつまり[安全、礼儀、ショー、効率]。どれが優先されるか、どれから先に行うべきか!が、すぐわかる指針となっていると言う。

それがよくわかる事例は、東日本大震災だった。園内に残った2 0,000人もの客(ゲスト)の帰宅困難者にも対応。スタッフそれぞれに裁量権を与え、自らの頭で考えて行動する!そんな考えで対応しているという。また、スタッフ(キャスト)は楽しみながら働いているため、離職した後も、ゲスト(客)として戻ってきてくれるそうだ。

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