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『大谷翔平』 今期のホームラン数と打率アップの理由とは?

#MLB   #イチロースイング  
#大谷翔平   #バレルゾーン  

2018年からアメリカメジャーリーグで活躍する大谷翔平。昨年(2023年)はリーグ本塁打王となっている。2018年22本、2019年18本、2020年7本、2021年46本、2022年34本、2023年44本。すでに日本人MLB選手の松井秀樹、本塁打数175本を超えた。これはまだ通過点に過ぎず、怪我さえなければさらに増やすと思われる。

*ホームラン量産の訳とは?
米国メジャーリーグでは、トレンドとして打球を上げる打ち方、「フライボール」にどの選手も取組むようになったためと言われている。その結果、ホームランを狙う打者が増えたということが、まず第一にあるようだ。野球アナリストの分析によると、チームが得点を増やすには、ゴロではダメで、球を打ち上げて長打にしなくてはいけないとされる。

「出塁率と長打率」を足したOPSという指標が注目されるようになった。このOPSの指標の良い選手を、より多く獲得しようという動きにもなっている。そこで注目を浴びたのが「バレルゾーン」という考え方だ。このバレルゾーンを意識した取組みをすることで、長打が増えるという。

*バレルゾーンとは何か?
長打を打つための打球速度と角度の組合わせのことをいう。打球速度は、最低でも時速158 kmが必要とされている。このとき打球角度を、25度から31度の範囲で打つと、長打となるようだ。

また、打球速度が上がれば、バレルゾーンにのる角度も増える。時速161 kmであれば、24度から33度。時速187 kmともなれば、なんと8度から50度にもなるようだ。つまり一流の打者になろうとすれば、打撃速度を上げなければならない。

大谷の場合、一貫として取組んできたのが、筋肉量とその質そして体幹力の向上である。これが打球速度をおおいに高めたということだ。トレーニングについては誰よりも多く取組んでいるし、その辺の真面目さというのは、周囲でもよく知られた話である。毎年筋力が向上し、打球速度は上がってきた。

*今年大谷が変わったこと?
今年になって驚いたのは、打率が大幅に良くなったことだ。過去6年間でみると、最も良かった年は、昨年(2023年)の3割4厘。他の年は3割に届いていない。けっこう打ち損じがあったことと、ボール球を振らされていたことが原因とされている。その理由は、毎年新たな変化球を投手が投げてくることによるようだ。

それが、今年(2024年)をみると、まるで違っていた。ボール球に手を出さない、そんな打ち方に変わっている。これはドジャースの2人の打撃コーチのアドバイスによるものらしい。コーチ歴6年のアーロンベイトと、コーチ歴9年のバススコヨックの指導だという。

彼らが目指したのが、イチローの打ち方だ。イチロースイングと名付けられた方法だが、ピッチャーが投げた球が、ホームベース中央に来るまで引きつけた位置でミートするように、意識改革を求めたという。

これは硬式テニスにも当てはまると感じた。通常の打ち合いでは、トップスピン(順回転)をかけるが、どうしても腕が届かなく遅れたときはスライス(バックスピン)かけるのだ。つまりミートポイントはかなり後ろとなるが、打ち返すことができる。

*元通訳がいなくなって?
これまで監督コーチ・チームメートとのコミュニケーションは、元通訳を通してやってきた。しかし、これでは充分な意思疎通が取れたとはいえない状況だったと言っていい。いなくなったことで、大谷は積極的に自らコミュニケーションを取るようになった。

このことで、監督コーチも指示しやすくなり、意見も聞きやすくなったようだ。また、メディアへの対応も良くなったという。ロバート監督も「大谷は成長し、大人になった!」と良評価だった。チーム内でも大谷の存在はよりおおきくなったとも言える。

あの事件で、普通なら精神的に参ってしまいそうだが、大谷はそうはならなかった。大谷本人いわく「すべての事は周りに任せた!」「自分は自分の仕事に集中するだけ」と…。

まとめ
2024年5月半ば現在、ホームラン数と打率はリーグナンバーワンである。この好調さはたまたまでないことがよくわかった。エンゼルスからの移籍で、どうなるか心配したのだが、無用の心配だったと言える。

まだ始まったばかりで、何とも言えないが、地区優勝を得て、さらに勝ち進んでもらいたいと思う。さらに個人タイトルも狙って欲しい。これは日本人の誰もが望んでいることだろう。

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