100万円持つ山田さん
小学生の頃、私は笑いをとることに全力を注いでいた。
女子ということをかなぐり捨てた顔芸もしたし、本人が見たら確実に怒られるであろうモノマネもしていた。
そんなクソガキの私が、放課後に校庭で友達と遊んでいたとき、山田先生が帰ろうと駐車場の方へ歩いているのが見えた。
山田先生が何の教科の先生かも覚えていないが見た目が阿佐ヶ谷姉妹のえりこさんに似ていたようなそうでもないような…という感じ。
クソガキッズの私は友達とすかさず山田先生の所にかけよった。
「先生ーー!!何しとるーーん???」
見りゃわかる。帰ろうとしてるんだ。
「先生ーーー!!そのカバンの中何入っとるんーーー??100万円ーー?」
なわけねーだろクソガキ。
今思うと早く帰りたいであろう先生を引き止めて申し訳ないと感じる。
そんなことは全く分からず遠慮なく話しかける私ことクソガキッズは、ここで一句ひねる。
「ちょっと待て 100万円もつ 山田さん」
急に俳句を読み出すという異常行動をとったが、なぜかその俳句はウケた(よかった)
「ちょっと待て」
なぜタメ口?
「100万円もつ」
もってないよ
「山田さん」
なぜ〝さん〟付け?
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