可愛いは怖い
「◯◯さん可愛いですよね〜」とか言い合ってる女の子たちを見ると、自分には入っていけない世界だなと感じる。
「可愛いは正義」
あまり好きな言葉じゃないけど、実際「可愛い」は強い。
自分が可愛いって自覚がある女の子は本当に強そうだし、ある種の傲慢さすら感じる。
私は「可愛い/可愛くない」で傷ついてきた人間だから、そういう話題に触れるのも怖い。
誰かを「可愛い」と褒めることは他の誰かをそうじゃないと言っているのと同じだ。
そしてそれはとても残酷なことだ。
だって、「可愛いは正義」なんだから。
愛することができる、と書いて「可愛い」。
恐ろしい言葉だと思う。
この人は可愛い。
この人はそうでもない。
お互いにそんなことを思ったり言ったりし合える人間がとても怖い。
女というだけで常に誰かから「可愛さ」というものさしで測られるのが怖い。
自分がそういうものさしを持っていることになんの自覚もない人も怖い。
「あんた、昔は可愛かったのにね」
「ババアみたいだな」
「整形する?お金出してあげようか」
一生覚えてるであろう親からの言葉。
可愛く生まれたかった。
可愛いと思われたかった。
それで人から愛してもらえるのなら。
今の私はもう化粧すらあまりしない。
したところであまり可愛くなれないという諦めがあるから。
化粧したら誰でもある程度可愛くなれるって言う人もいるけど、私にはよく分からない。
化粧した自分の顔を見てみても、あまりピンとこない。
「可愛い」ってなんだっけ?
これ、「可愛い」に近づいたのか、、?
お金と時間をそれなりにかけて最終的に出来上がったのがこれかと思うと、なんだか滑稽にすら思える。
化粧して、がんばって「女」のフィールドに立とうとすることは果敢なことでもあり、不毛なことでもある。
私はもう疲れたから、やらない。
化粧しなくても可愛いって思われるくらい可愛く生まれたかったな。
可愛くなくても、誰かに愛してもらいたかった。
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