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(15)社会保障協定 その7

 日本と社会保障協定を結んでいる国から日本にやってきて働く場合、社会保障協定によって日本の社会保障制度の適用の免除を受けようと思えば手続きが必要です。

 社会保障協定を結んでいる国から来日して、被用者(会社に雇用されて働く方)として日本で働く場合の取扱いについては、次のようになっています。なお、日本から社会保障協定を結んでいる国で被用者として働く場合の取扱いも基本的には同じですので、省略します。

☆☆☆☆☆資料20 ~ 協定を結んでいる国から日本で働く場合の加入すべき制度について(二重加入の防止)/日本年金機構のホームページより

①被用者が一時的に日本に派遣される場合。

 1)一時的に日本に派遣され就労する人が、日本の社会保障制度への加入
   が免除されるためには、協定相手国の社会保障制度に加入しているこ
   とを証明する『適用証明書』の交付を、協定相手国の実施機関から受
   ける必要があります。

 2)事業主から協定相手国の実施機関に申請手続きを行ってください。

 3)具体的な手続きは、以下の通りです。

    a)協定相手国の実施機関に適用証明書の交付申請をしてくださ
      い。

    b)審査の結果、申請が認められた場合には、その実施機関は適用
      証明書を交付します。

    c)来日後、日本の事業所に適用証明書を提出してください。

      ※年金事務所が提示を求めた時、また調査の際に、日本の社会
       保障制度に加入していない理由を尋ねられた時には、適用証
       明書を提示してください。

      ※ベルギー、フランスについては本人が所持することとなって
       います。

    d)当初の一時派遣期間の予定を延長して日本で就労する必要が生
      じた場合は、相手国の事業主は上記の実施機関に新しい適用証
      明書を申請してください。

②協定ごとに免除される制度が異なります。

 ※ご留意願います。

③日本の社会保障制度のみに加入する場合の手続き。

 1)日本へ長期派遣されるまたは日本国内の会社などで現地採用となる場
   合など日本の社会保障制度のみに加入する人は、その事業主が厚生年
   金保険・健康保険の資格取得届を年金事務所等へ提出してください。

 2)日本で長期的に自営活動をする人は、本人が住所地の市区町村へ国民
   年金・国民健康保険の資格取得届を提出してください。

   ※帰国する際には、資格喪失届を提出してください。

★★★★★資料20はここまで ~

 なお、上記の内容は一般的な内容です。国によっては異なる場合があるかもしれませんので、実際に手続きをなさる際には、事前に日本年金機構などにお問い合わせください。また、自営業者として働く場合の取扱いも基本的には同じです。

 今回はここまでです。よろしければ次回(7月16日予定)もお読みください。

追加です ~

 いまお話ししている社会保障協定の目的の1つに「二重加入問題」の解消があると以前触れましたが、カナダにはカナダの年金制度(CPP)がありますが、この制度とは別にケベック州の独自の年金制度(QPP)というのもあります。しかし、このQPPは、カナダ協定では対象外となっています。QPPの加入期間がある方については、「二重加入問題」などは残ったままとなっていますので、注意が必要です。

なお、6月4日の記事は訂正済みです。


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