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(12)社会保障協定 その4

 社会保障協定済み国と社会保障協定未締結国とでは相手国に派遣される際の社会保険の取扱いも異なることになります。何回かにわかってその違いについて触れていきます。

 社会保障協定済み国から日本に5年未満の期間の予定で派遣される方は、それまで加入していた相手国の社会保障制度にそのまま加入し続けます。日本の年金制度(国民年金・厚生年金保険)の資格を取得しませんので、日本での在住期間中であったとしても、国民年金または厚生年金保険の被保険者とはならないことになります。

 また、派遣期間が当初から5年を超える予定で社会保障協定済み国から日本に派遣されてくる場合は、来日時から日本の社会保障制度に加入することになりますので、日本の社会保障制度の資格取得の手続きなどが必要となってきます。相手国の社会保障の資格は喪失します。

 次に派遣期間が5年を超えない予定で、日本から社会保障協定済み国に派遣される場合、日本の社会保障制度をそのまま継続して加入します。相手国の社会保障を管轄している機関が必要に応じて、『適用証明書』の提示を求めてくる場合もあります。

☆☆☆☆☆資料14 ~ 社会保障協定/日本年金機構のホームページより

①一時派遣(日本からの海外派遣が5年以内)の場合。

 1)日本との社会保障協定が発効済みの国での勤務。

    a)加入制度 ・・・ 相手国への派遣期間が5年以内である場合        
               には、日本の社会保障制度に継続して加入
               することになります。

    b)加入手続 ・・・ 不要です。

      ※必要に応じ適用証明書を相手国保険機関等に提示ください。

      ※海外に派遣されても、引き続き日本の社会保障制度に加入し
       続けます。

★★★★★資料14はここまで ~

 派遣期間が当初から5年を超える予定で日本から社会保障協定済み国に派遣される場合には、当初から相手国の社会保障制度に加入することになりますので、その国で資格取得の手続きなどが必要となってきます。日本の社会保障の資格は喪失します。

☆☆☆☆☆資料15 ~ 社会保障協定/日本年金機構のホームページより

①長期派遣(日本からの海外派遣が5年を超える)場合。

 1)日本との社会保障協定が発効済みの国での勤務。

    a)加入制度 ・・・ 相手国への派遣期間が5年を超える場合に                      
               は、原則として、派遣される国の社会保障          
               制度にのみ加入することとなります。

      ※ただし、国により一時派遣の延長が認められる場合がありま
       す。

    b)加入手続 ・・・ 派遣先の国により異なります。

      ※なお、日本の社会保障制度に関する資格は喪失することとな
       ります。

★★★★★資料15はここまで ~

 5年を超える予定で海外に派遣される場合、たとえば健康保険の被保険者の資格を喪失するのに併せて、その方の被扶養者もその資格を喪失します。被扶養配偶者の場合には、国民年金の第3号被保険者の資格も喪失します。なお、被扶養配偶者や被扶養者については後日取り上げる予定にしています。

 今回はここまでです。よろしければ次回(6月25日予定)もお読みください。

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