見出し画像

(56)国民年金の第2号被保険者について その2

 国民年金の第2号被保険者は、厚生年金保険の被保険者なのですが、では「国民年金の第2号被保険者=厚生年金保険の被保険者」なのかというとそうではありません。国民年金の第2号被保険者と厚生年金保険の被保険者との関係は、次のようになっています。

☆☆☆☆☆資料73 ~ 被保険者の資格の特例/国民年金法附則第3条

①第7条第1項第2号(前回の資料71の①の1)の規定の適用については、当分の間、次のように読み替える。

読み替えた国民年金法第7条第1項第2号 ~

①次の各号のいずれかに該当する者は、国民年金の被保険者とする。
 (第1項)

 1)厚生年金保険の被保険者。(第2号/以下、「第2号被保険者」)

   ※65歳以上の被保険者にあっては、厚生年金保険法附則第4条の3
    第1項(高齢任意加入被保険者)に規定する次にあげる給付(下記
    の②)の受給権を有しない被保険者に限る。


参考までに ~

②法附則第4条の3第1項(上記の①)に規定する老齢または 退職を支給
 事由とする年金たる給付であって政令で定めるも のは、次のとおりとす 
 る。(厚生年金保険法施行令第5条/ 高齢任意加入被保険 者の資格の
 取得及び喪失)

 1)老齢厚生年金及び特例老齢年金並びに旧法による老齢年金、通算老齢
   年金及び特例老齢年金。(第1号)

 2)国民年金法による老齢基礎年金及び同法附則第9条の3第1項(省
   略)による老齢年金並びに旧国民年金法による老齢年金及び通算老齢
   年金。(第2号)

 3)旧船員保険法による老齢年金、通算老齢年金及び特例老齢年金。
   (第3号)

 4)平成24年一元化法改正前国共済年金のうち退職共済年金並びに旧国
   家公務員等共済組合法及び旧国の施行法による退職年金、減額退職年
   金及び通算退職年金。(第4号)

 ・・・中略

 6)平成24年一元化法改正前地共済年金のうち退職共済年金並びに旧地
   方公務員等共済組合法及び旧地方の施行法による年金たる給付であっ
   て退職を支給事由とするもの。(第5号)

 ・・・中略

 7)恩給法による年金たる給付であって退職を支給事由とするもの。
   (第8号)

   ※「恩給法」は、他の法律において準用する場合を含む。

 8)地方公務員の退職年金に関する条例による年金たる給付であって退職
   を支給事由とするもの。(第9号)

 ・・・以下、省略

★★★★★資料73はここまで ~

 65歳になった時点で、老齢基礎年金や老齢厚生年金などの受給権のある方は、国民年金の第2号被保険者ではなくなります。一方、65歳を超えても老齢基礎年金や老齢厚生年金などの受給権のない方(支給要件を満たしていない方)は国民年金の第2号被保険者のまま継続していくのです。

 このことは、第3号被保険者に当てはまる被扶養配偶者にも影響します。65歳の時点で老齢基礎年金などの受給権を満たしている厚生年金保険の被保険者は、65歳以降は国民年金の第2号被保険者ではなくなります。

 その方に第3号被保険者(被扶養配偶者)がいる場合には、その方はその時点で国民年金の第1号被保険者になります。国民年金の第3号被保険者は20歳以上60歳未満の被扶養配偶者が対象となりますので、国民年金の第3号被保険者でなくなるということは、国民年金の第1号被保険者になります。ということは、国民年金の保険料の負担が生じます。

 しかし、65歳の時点で老齢基礎年金などの受給権を満たしていない厚生年金保険の被保険者は、老齢基礎年金などの受給権を満たすまでは国民年金の第2号被保険者のままです。その方に第3号被保険者がいる場合には、国民年金の第3号被保険者のままです。

 第3号被保険者については、後日(だいぶん先ですが)取り上げる予定にしています。次回からは、健康保険や厚生年金保険の適用事業所について取り上げていきます。


 今回はここまでです。またよろしければ次回(4月21日予定)もお読みください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?