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(16)社会保障協定 その8

 社会保障協定を結んでいる国から来日して、日本で自営で働く場合も、被用者(会社に雇われている方)の場合と同様に考えます。しかし、来日して自営を行う場合には、次のようなしばりもあります。

☆☆☆☆☆資料21 ~ 協定を結んでいる国から日本で働く場合の加入すべき制度について(二重加入の防止)/日本年金機構のホームページより

①二重加入の防止について。(自営業者の場合)

 1)上記の資料13の①(6月11日更新分)の考え方は、被用者だけで
   はなく自営業者にも当てはまります。

   ※ただし、オーストラリア、インド及び中国との協定では、自営業者
    が相手国の年金制度の強制加入対象者ではなく、二重加入とならな
    いことを理由として対象外としています。

   ※フランスとの協定では個別の申請に基づいて自営業者の適用調整を
    行っています。

 2)例えば、協定相手国の自営業者が一時的(5年以内)に日本で自営活
   動を行うのであれば、引き続き協定相手国の社会保障制度のみに加入
   することになりますが、長期的(5年超)に日本で自営活動を行う場
   合は日本の社会保障制度のみに加入することになります。

 3)なお、協定相手国で自営業をしていない人が日本で初めて自営活動を
   行う場合は、日本の社会保障制度に加入することになります。

★★★★★資料21はここまで ~

 逆に日本で自営業を営んでいない方が社会保障協定の締約国で自営業を営む場合には、相手国の社会保障制度に加入するなど、社会保障協定の適用を受けるにはいくつかの要件も定められています。

☆☆☆☆☆資料22 ~ 年金Q&A(社会保障協定〔共通〕)/日本年金機構のホームページより

①自営業者も相手国制度への加入が免除されるとのことですが、具体的にど 
 のようなケースのときに免除になるのですか。

 A ・・・

1)日本の自営業者が相手国で一時的に自営活動を行う場合は、一定の条件
  のもとで一時派遣者として取り扱われ、相手国制度への加入が免除され
  る場合があります。

2)例えば、日本で会計事務所を開業している自営業者が、一時的に相手国
  で会計事務所を開業して自営活動を行う場合、一時派遣者として取り扱
  われ、相手国制度への加入が免除されます。

(自営業者の場合)

3)日本の社会保障制度のみに継続して加入し、協定相手国の社会保障制度
  の免除を受けるためには、原則として以下の条件を満たす必要がありま
  す。

   a)協定相手国で就労期間中も日本の社会保障制度に加入しているこ
     と。

   b)日本で従事していた自営活動を、一時的に協定相手国で(同一の
     自営活動を)行うこと。

   c)協定相手国での就労期間が開始時点で5年以内と見込まれるこ
     と。

           

     ※協定によっては、派遣期間の見込みにかかわらず、派遣開始日
      から5年間は協定相手国の社会保障制度のみに加入することに
      なります。

     ※派遣期間が5年を超える場合、申請に基づき、両国関係機関で
      協議し合意した場合は、引き続き協定相手国の社会保障制度の
      みに加入することが認められます。

 4)フランスとの社会保障協定においては、自営業者についての条文は設
   けられていません。

   ※ただし、個別の申請に基づいて、フランスの実施機関との協議によ
    り、フランスの社会保障制度への加入の免除が認められる場合があ
    ります。

★★★★★資料22はここまで ~


 今回はここまでです。よろしければ次回(7月23日予定)もお読みください。

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