人間が覚える怒り

AI技術の進歩が目覚ましい。

直感的な命令で、あっという間にどんな画像も文章も仕上げるのだから驚きだ。

しかし、急速に発展した技術は、その速さゆえに多くの問題を抱えているようだ。

AIにまつわる諸問題について、人類は向き合わなければならない。

さて、AIについて、私にとってどうしても許し難い問題がある。

今日はその話をしたい。


私が許せないのは、画像生成AIにまつわる問題だ。

「AIが考える〇〇」と銘打ったダジャレ画像をツイッターに投稿する輩!!

私は貴様らを絶対に許さない。


具体例を見ていただきたい。

AIが考える「箱根温泉」として、っこの生えたamazonの段ボール温泉に浸かっている画像が添付されている。

滑稽でありながらどこか不気味さを漂わせる、AI生成画像ならではの独特の空気を醸し出している。

この画像を見た人はどう思うだろうか。

「はは〜ん。AIは、”箱根”という地名を知らないから”箱”と”根”に分解して考えるのか。AIなんてまだまだだな。」

こうして面白がる人は少なくないだろう。

しかし、それは間違いだ

上記画像は、Micrsoft Bingで提供されている画像生成AIを利用した出力結果である。

「箱根温泉」とだけ入力しても、AIはこのように風光明媚な温泉を出力するのだ。


あえて「箱 根 温泉」と、AIの勘違いを誘発するためにスペースを入れてみたが結果はこの通り。

AIが、「箱根」を「根っこの生えたamazonの箱」と勘違いすることはない

翻って、このような入力をしてみる。

「根が生えている箱が温泉に入っている。箱はamazon社が用いている段ボール箱。箱は十個ほどある。」

果たしてどうだろう。

ツノウサ氏のツイートに非常に近いものが出力される。

そう。

「AIが考える〇〇」と題された画像は、懇切丁寧に人間が誘導したダジャレ画像でしかない。

もう一度言おう。

懇切丁寧に人間が誘導したダジャレ画像

だ。

それをあたかもAIのお茶目な勘違いであるかのように発表し、多くのリアクションを得ている。

端的に言って、嘘だ。

これが仮に手書きのイラストだったら、これほどまでウケただろうか。

否。

この4万を超えるいいねに、「AIが考える」という触れ込みは欠かせない。

ダジャレとしてはあまりにも程度が低い。箱根という地名を箱と根に分解しただけだ。

では、なぜこの面白くないダジャレがウケたのか。

それは、「AIが考え」たものだと喧伝しているからだ。

冒頭でも触れたがAIの進歩は目覚ましい。

人々はAI技術の進化が社会に及ぼす影響に不安を感じている。

そんな中で、AIのおっちょこちょいな面を目にすると、

「AIは随分と簡単なミスをするんだな」
「人間ならそんなミスしないよ」
「人間はまだAIに勝っている」

そんな安心からふと笑いが溢れる。

最先端技術のダメな部分を垣間見てほっとする。

そういった心の動きがあることは否定できまい。

このツイートもそうだ。

ピンクジャージとギターの組み合わせは「ぼっち・ざ・ろっく!」から生成されるものであり、ドウェイン・ジョンソンは「The Rock」から生成されるものだ。

ピンクジャージ×ギターとドウェイン・ジョンソンは択一的な関係に立つはずで、本来このような出力はあり得ない。

少なくともこの画像が「ぼっち・ざ・ろっく!」を出力するようAIを用いた結果でないことは確かだ。


私が「AIが考える〇〇」シリーズに憤っているのは、嘘をついている点のみには止まらない。

この「AIが考える」シリーズは多くのいいね・RTを得ている。

多くの人がこのツイートを楽しんでしまっている。

そして、その人々の中には「AIが考える」というタイトルが嘘だと気がついていない人もいる。

このツイート群は、ネットリテラシーの低い人々を欺きいいねを稼ぎ、さらにAI技術の現在地点を誤解させている

私はそれが許せない。

AIがあたかも未熟な技術であるかのように人々を騙すことは社会全体にとっても大きな不利益だろう。

AI技術の進歩は多くの問題を孕んでいる。

著作権・肖像権・名誉・フェイクニュース・責任の所在・雇用の劇的な変動……。AIのあり方について、社会全体で取り組むべき時が来ている。

それだというのに、「AIはまだまだ同音異義語も区別できないお馬鹿さん」だと人々を欺いていては、とんでもないしっぺ返しを喰らうことになろう。

私は絶対に許さない。

あと、AIが考えたものだというギャップでウケていることも許さない。

単体ではしょうもないダジャレなのに。


中には「いやいや、これが本当にAIの失態だとは思ってないよ。そういう体で、みんな分かって楽しんでるんじゃん。野暮なこと言うなよ」という擁護者もいる。

コミュニティノートがついたツイート。
このツイートには
「訂正をするなんて冗談のわからないやつだな。」
「ネタにマジレスするなんて」
「みんな分かって楽しんでるんだ」
という反応が多く見られる。

反論したい。

まず、先述の通り、「AIにはまだわからないか」と勘違いしている人は一定数いる。というか、かなり多い。

それは各ツイートのリプライや引用RTを確認すればわかることだ。

故に「みんな分かって楽しんでいる」は偽だ。

そして、「楽しんでいる」という部分についてだが。




楽しいか?

面白いか?

二文字のダジャレって、物心がついて成熟した人間の娯楽に耐えるもの???????

世間って「箱根」と「箱」のダジャレで楽しんでる?

本当に面白いか?「箱+根」の画像。

これ(↓)とかも

「葬送のフリーレン」と「フリー麺」のダジャレ。

何それ。

「フリー麺」って何?

面白くなさすぎる。

でも皆さんは楽しんでるんですよね?

「フリーレンとフリー麺をかけたんだね。面白いね〜」って、分かってる人間同士で楽しんでるんですよね?????

「AIに巨人軍を描いてもらおうと思ったら、進撃の巨人になっちゃいました〜」
「いや、そっちの巨人じゃないよ」

この会話が楽しくて仕方ないんですよね?

面白いんですよね??


別に、あるだろ多分。そういうコラボとかも。

そういうコラボがあった時にも笑うのか?腹抱えて、読売ジャイアンツと進撃の巨人のコラボを見るのか?

「AIが考える」と言われたから笑っているんだろ?そうだと言ってくれ。

寒いダジャレも、AI画像を噛ませればウケるということがものすごく悲しい。

”人間”の敗北だよこんなの。


「AIが考える」というパッケージでなければ私が怒りをあらわにすることはなかった。

「これが本当の”箱””根”温泉ってね笑。なんちゃって😆というキャプションであれば何も文句は言わない。
「ぼっち・THE・ROCK!」というツイートを誰が咎めようか。
「巨人軍がもしも、進撃の巨人軍だったら笑笑笑(AIに描いてもらいました〜🎵)」という文言だったなら、私がこんなnoteを書く必要もなかった。

でも貴様らはそうツイートしない。

なぜか。

それじゃ野暮だからだ。

面白くないと分かっているからだ。

あくまで「AIが失敗する」という構造のギャップでウケているのであり、ダジャレそのものはつまらないものだと自覚しているからだ。

私は絶対に許さない。



私は「AIが考える」シリーズについて

・ギャップでウケていること
・AIの現在地を誤認させていること

この2点から、絶対に許さない。




このnoteにはAIアシスタントという機能が搭載されている。

文章を要約する機能があるらしいので、ここまでの内容を要約してもらおう。


- AI技術の進歩に驚きつつも、一部の問題や誤解が存在することが明らかになった。
- 画像生成AIを利用したツイッターの投稿が問題視されている。
- 「AIが考える〇〇」と題された画像は、ダジャレやギャップを利用しているが、その背後にはAIの限界や社会的課題がある。

noteのAIアシスタントによる本文の要約


まだまだ人間様の方が上手く要約できるなwww


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