オレンジと責苦
お笑いサークル=IOKを卒業して早二週間。
大学の新学期も始まり、いよいよ学生生活のラストスパートといった具合だが、やはり孤独が重くのしかかる。
この二週間、話し相手といえば祖母くらい。
狂う。
狂っちゃうよ。
天気の話しかしないもん。ばあちゃん。
天気と花と温度の話しかしない。
狂っちゃうよ。
そんな日々を過ごしているが、すでに二度、後輩と会う機会があった。
隠居した先輩と会ってくれる、孤独を和らげてくれる、ありがたい限りだ。
一人目は、直近の大会を労うという体で、もう一人は近況確認という体で。
今のIOKがどんな感じなのか、新入生から受ける印象はどんなものか。
そんなたわいもない話だが、ソメイヨシノと雨の話しかしていない私には新鮮に感じられた。
以下、後輩と出かけた先であった思い出深い点。
IJOOZという自動販売機がある。
搾りたてのオレンジジュースが飲めるというサービスだ。
ちらほら見かけるようになったのだが、飲んだことはなかった。
後輩と一緒だったこともあり、かぶいたろうの精神で買ってみた。
350円。
学生の喉をひととき潤すには贅沢が過ぎる気もするが、せっかくの機会だ。
一人では決して手を出さないのだから、とえいやで購入した。
すると、ガラスから覗ける部分でジュース搾りが始まった。
まず山積みにされたオレンジがレールに沿って転がっていく。
そして、転がされたオレンジが、プレス機にかけられていく。
)(
再現するなら、こんな感じ。
初めてのAA。
🍊
)(
🍹
実際に見ないとわからないのだが、この圧殺部門が心配になるくらい圧殺している。
人間の頭蓋骨をいく拷問器具みたいな感じだ。
グロテスクかつフェティッシュな光景に目が釘付けになってしまった。
私が潰されるオレンジを夢中で目に焼き付けている間、
オレンジの豆知識を喋っていた。
俺プレスに夢中だったから。
そんな端っこでどうでもいい蘊蓄垂れてても意味ないっす。
あと、同胞がヤバプレスにかけられてるのに豆知識語ってる場合か?
次は我が身かもだぞ?
600種類以上いるから余裕ってか?でも、一つ一つがかけがえのないオレンジだろ?
あと、「調理」は身の丈にあってないって。
「圧搾」だよ。
おそらく調理師免許がなくてもギリやっていい行為。圧搾。
ちなみにジュースは美味しかった。
缶やペットボトルでは出せないお味。
また別の日。
後輩を誘い御嶽山を訪れた。
私は山が好きだ。
人間ではおよそ太刀打ちできない大きさのものを見るとワクワクする。
古代から山が信仰の対象になってきたのは、私みたいな人が多い時代だったからだろう。
私の山好きには、千葉県で育ったということも関係していると思う。
千葉県は平均標高が最も低い県だ。
県の最高峰はたったの408m。
人間でもなんとかできちゃう高さだ。
だからこそ、山への憧れが強いのかもしれない。
アクセスが容易なこともあり、御嶽山は何度も登っている。
自然に囲まれ、ハイキング感覚で歩ける環境。
勝手がある程度わかっていることもあり、後輩と久々の語らいにはもってこいだろうと考えた。
果たして登山自体は、4月の過ごしやすい気候もあり非常に気持ちの良いものだった。
ただ、いくら勝手が分かる緩い山といえど、山は山だ。
終盤は疲労で口数も自然と減ってしまった。
悔いが残る。
フルパワーで語らうには、体力を消耗するイベントは向かないことを学んだ。
部屋の電気が切れかかっている。
明日は電気を交換するという話題で2000文字書くと思う。
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