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日経225レビュー 2024/5/27~31完

市況概要

・市況についてはブルームバーグもしくは株探より引用
・基本的に3%以上増減した銘柄を掲載しています
・タイトルはクリエイターまいこさん絵(シュナウザーのポムン)
2024年2月26日より可能な範囲でデイリーに更新していきます

5月27日(月)


「長期金利が12年ぶり高水準を更新、株式は反発-円上昇」

株式相場は反発。米国でインフレ懸念が和らぎ、投資家心理が改善した。相対的に株価純資産倍率(PBR)の低い海運株や電力株が上昇したほか、国内金利の上昇が収益環境の追い風となる金融株が買われた。米ハイテク株の上昇を好感して半導体関連銘柄も堅調。為替市場では金利上昇や介入警戒感を背景に円が買われた

日銀の植田和男総裁は27日、本店で開いた国際会議であいさつし、インフレ目標の実現に向けて「注意深く進んでいくつもりだ」と述べた。また、内田真一副総裁が講演し、「デフレとゼロ金利制約との闘いの終焉(しゅうえん)は視野に入った」と話した。発言直後の市場の反応は限定的だったが、政策正常化への警戒感が根強く、債券相場は午後に入ると売り優勢となった。

【上昇上位】
関西電力 9503 6.4% モルガンMUFGが目標株価3330円に引き上げ
古河電気工業 5801 6.3% グーグルの海底ケーブル敷設計画など手掛かりか
ソシオネクスト 6526 6.0% 北米データセンター向け案件の前進など評価か
富士電機 6504 5.5% 
川崎重工業 7012 5.4% 水戸証券では新規に買い推奨
フジクラ 5803 4.2% メリルリンチ日本証券では目標株価引き上げ
日本製鋼所 5631 4.2% 防衛関連分野の売上拡大期待続く
住友電気工業 5802 4.1% 
川崎汽船 9107 4.0% 
ルネサスエレクトロニクス 6723 3.8% 米SOX指数上昇など支援材料
東京海上HD 8766 3.7% 「不採算契約見直し」IR説明を評価
MS&ADインシュアランスグループホールディングス 8725 3.6% 
三菱重工業 7011 3.5% 
第一三共 4568 3.4% 
大和証券グループ本社 8601 3.3% 
日本電気 6701 3.3% 
日本郵船 9101 3.3% 曽我社長「1年でPBR1倍超」
楽天グループ 4755 3.2% 
第一生命ホールディングス 8750 3.1% 
三越伊勢丹ホールディングス 3099 3.1% 
中部電力 9502 3.1% 
帝人 3401 3.1% 
SOMPOホールディングス 8630 3.0%  

【下落上位】
サイバーエージェント 4751 -4.2% モルガン・スタンレー目標株価引下げ
ネクソン 3659 -3.5% 新タイトルへの期待で上昇の反動が続く

チェック サイバーエージェント

第2四半期決算を4/24に発表し、待望のメディア事業黒字化を発表し、経常利益も55%増益で着地したものの、発表翌日から売りに売られ決算前の株価に遠く及ばない状況へ。日経採用銘柄全体に同じような下落も生じているが、この下落には2つの理由があると考える。

1.好決算を予想した信用買残が急激に増え、発表後の株価下落でさらに残高が増加していること
2.利益率の低さ。投資ターンの末期にはあると思われるが、経営リソースの大半をつぎ込むABEMAは伸びの状況を見る限り今後も大きな伸びを見込めそうにない。地方競馬にも取り扱い範囲を広げると思われたWINTICKETだが新たな材料はなく、世界中でブレイクしたグランブルーリリンクもさほどの貢献になっておらず、スマホゲームの呪術廻戦も良かったのは最初だけ。失望されても仕方ない状況と思われる。

信用買残が整理されればまた1,050円を超えてくると思われるが、ABEMAが伸びないことには「これまでの投資は何だったのか?」という根本的な疑問に立ち返ることになる。

長くなってしまったが、結論的には今手を出す銘柄ではないということではないか。

5月28日(火)


東京市場では、朝方こそ買い優勢の場面もあったが続かず、日経平均株価は買い一巡後はマイナス圏に沈み、狭いゾーンでの弱含みもみ合いに終始。方向感が定まらず、買い手控えムードのなか、日経平均は結局小幅マイナス圏で着地した。

前日の米国株市場がメモリアルデーで休場だったため、手掛かり材料難のなか上値も重かった。国内の長期金利上昇が嫌気され半導体関連などハイテクセクターに逆風が意識され、全体指数の上値を重くした。日銀による金融緩和政策の変更を警戒する動きで、国内長期金利の上昇も止まらず投資マインドを冷やす格好となっている。ただ一方では、金利高が追い風となる銀行や生保など金融株が堅調だったほか、電力や海運などにも投資資金が流れ込み相場を下支えした。プライム市場の売買代金は3兆7000億円台で前日よりは膨らんだものの、4兆円台を割り込む水準が続いている。

【上昇上位】
古河電気工業 5801 9.1% 海底ケーブル関連として関心が続く
住友電気工業 5802 5.9% 古河電工と同様に光ケーブル関連として
関西電力 9503 5.5% 北海道電力波及
東京電力ホールディングス 9501 4.1% 北海道電力波及
りそなホールディングス 8308 3.3% 
ネクソン 3659 3.1% 
中部電力 9502 3.1% 北海道電力波及

【下落上位】
レーザーテック 6920 -3.2%  半導体株安の影響

5月29日(水)

前日の米国市場では、NYダウは前週末比216ドル安と反落。米長期金利の上昇が嫌気され、ディフェンシブ株中心に売りが優勢となった。

 東京市場では、主力株をはじめ幅広い銘柄に売りが広がり、日経平均株価は続落。後場は一段と値を崩し、一時300円を超える下げとなった。

前日の米国株市場ではNYダウが下げたものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸し史上最高値を更新、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も最高値をつけた。更に外国為替市場でドル高・円安に振れたことで、東京市場でも半導体関連などを中心にリスク選好の地合いが想定された。しかし、買い一巡後は手控えムードが急速に強まることに。国内長期金利が上昇傾向を強めたことから、PERやPBRの高いグロース(成長)株には向かい風が強く意識される展開となった。特に後場は引けにかけて見切り売りが目立つようになり、全体相場の下げを助長した。プライム市場の値下がり銘柄数は1300を上回り全体の83%を占めている。 

【上昇上位】
SOMPOホールディングス 8630 4.2% 国内長期金利が1.070%に上昇
コナミグループ 9766 3.3% ジェフリーズ証券では投資判断を格上げ
ネクソン 3659 3.0% 
リコー 7752 3.0%  

【下落上位】
東京電力ホールディングス 9501 -8.3% ケーブル敷設ミス
京成電鉄 9009 -6.9% 株主総会資料など本日リリースしているが
帝人 3401 -5.5% SMBC日興投資判断下げ「割安感は特段なくなった」
日本取引所グループ 8697 -5.1% 
三菱電機 6503 -4.5% 中期計画の一部を下方修正
メルカリ 4385 -4.4% 
安川電機 6506 -4.0% 
フジクラ 5803 -4.0% 
LINEヤフー 4689 -3.9% 
TOTO 5332 -3.7% 
ソシオネクスト 6526 -3.7% 
小田急電鉄 9007 -3.7% 
三菱重工業 7011 -3.6% 新中計を発表も出尽くし感が先行
IHI 7013 -3.5% 
西日本旅客鉄道 9021 -3.5% 
住友ファーマ 4506 -3.4% 
オリエンタルランド 4661 -3.3% 
川崎重工業 7012 -3.2% 
サイバーエージェント 4751 -3.1% 
味の素 2802 -3.1% 
キリンホールディングス 2503 -3.0% 

チェック サイバーエージェント

株価は続落となったが、同社の別の切り口も確認しておきたい。

一つはAI。世界のAI企業ランキングで49位にランクインしており、国内では4位。サーバーより上位につけるのはNTT・NEC・富士通。サーバーより下に位置するのは富士フイルム・三菱電機・オムロン・ソニー。2016年にAI研究部門を設け、今広告事業において形になりつつある。世界のAI研究ではgoogle、amazonという巨人も存在するが、日本国内のAI研究では一目置かれる存在となっている。

もう一つはオリジナルIPに関する取組。現在はウマ娘を中心に取組を行っているが、縦読み漫画アプリのリリースが7月にあるようだ。以下は四季報速報からの抜粋。

”IP創出において、もっとも制作費を低く抑えられる漫画領域でも、2022年に縦読み漫画を制作する「STUDIO ZOON」を設立した。元講談社の漫画編集者や小学館などで漫画連載の経験を持つ作家など、有力な人材を編集長に配置しており、今年7月には漫画アプリのリリースも控えている。”

現在のサイバーはABEMAとゲームのみが評価軸になっているが、現在誰も注目していないこれらの取組が形になる日が真の株価ブレイクの時になるのかも。いずれにせよ収益に繋がるには時間がかかりそうだが、これからはそういった事業にも注目していって損はないと思う。

5月30日(木)

前日の米国市場では、NYダウは前日比411ドル安と続落した。米長期金利の上昇が重荷となり、幅広い銘柄で売りが優勢となった。

東京市場では、リスク回避ムードの強い地合いで、日経平均株価が一時900円超の下げに見舞われた。その後は下げ渋ったものの、500円あまりの下落で着地。3万8000円台はキープした。

 30日の東京市場は、主力株中心に売り圧力の強い地合いだった。前日の欧州株市場が全面安だったことに加え、米国株市場でもNYダウが400ドルあまりの下げとなるなどリスクオフの展開で、この流れを引き継ぎ半導体関連など中心に値を下げ日経平均を押し下げた。欧米や日本国内で長期金利が上昇基調を強めており、これを嫌気する売りがかさんだ。米国ではFRB高官のタカ派的発言や米7年国債の入札が不調だったことなどが影響し、長期金利が4.6%台まで上昇、株式の相対的な割高感が意識された。また、日本でも日銀の金融政策正常化に向けた動きが早まることへの警戒感が強く、長期金利が一時1.1%台に乗せるなど、投資家心理を冷やした。売り一巡後は下げ幅を縮小したが、明日の都区部CPIや米PCEデフレータの発表を控え、押し目に買い向かう動きは限定的だった。

【上昇上位】
高島屋 8233 4.7% 
ジーエス・ユアサ 6674 4.4% SBI証券では目標株価を引き上げ

【下落上位】
アドバンテスト 6857 -6.1% 長期金利上昇受け米国株安で半導体関連株軟化
日産化学 4021 -5.0% 自社株取得枠拡大で前日は買い優勢となったが
東京電力HD 9501 -4.4% 前日の大陰線受けて処分売り圧力強まる
味の素 2802 -3.3% 需給要因が中心か
三菱電機 6503 -3.3% CLSA証券では目標株価を引き下げ

チェック 東京電力
北海道電力の影響を受けて連れ高していたものの大きめに下落。完全にデイトレ銘柄になっていることもあり、需給はかなり悪化している。同銘柄の浮動株比率は発行株式数の8.6%程度だが、買残割合は3.69%を占めており、その占有率は4割を超えている。基本的には上値が重い展開になりそう。

5月31日(金)

前日の米国市場では、NYダウは前日比330ドル安と3日続落。市場予想を下回る決算を発表したセールスフォース<CRM>が急落し指数を押し下げた。

東京市場では、日経平均株価は4日ぶりに反発。前日までの下落を受けた自律反発狙いの買いが流入し金融株などが買われた。

前日の米株式市場では、NYダウが3日続落したほか、半導体関連株などが軟調でナスダック指数も続落した。ただ、日経平均は前日までの3日間で800円を超える下落となっていただけに、下値を拾う動きも強まり値を上げてスタートした。特に、前場に下落が目立った半導体関連株は、後場に入り下値に買いが流入し堅調な値動きとなる銘柄も目立った。また、国内金利が高水準を維持するなか銀行や証券といった金融株が買われた。引けにかけ国際的な株価指数のMSCIの定期入れ替えに伴うものとみられる売買が入り出来高も膨らんだ。

【上昇上位】
住友ファーマ 4506 6.6% 坪田ラボ-とのパーキンソン病プロジェクト終了
東京電力ホールディングス 9501 6.1% 
IHI 7013 5.7% 同社子会社が米宇宙ステーションへの部品提供
東急不動産ホールディングス 3289 5.4% 国内金利の上昇一服で押し目買い
大和証券グループ本社 8601 5.2% シティが判断「中立」に引き上げ
LINEヤフー 4689 5.0% 
NTN 6472 5.0% 
りそなホールディングス 8308 4.7% 
三菱電機 6503 4.6% 
京成電鉄 9009 4.6% 
野村ホールディングス 8604 4.5% 
ヤマトホールディングス 9064 4.3% 安値圏での底堅さも意識され
出光興産 5019 4.2% 
しずおかフィナンシャルグループ 5831 4.2% 
コニカミノルタ 4902 4.1% 
東京瓦斯 9531 4.1% 
大阪瓦斯 9532 4.0% 
三井不動産 8801 3.9% 国内金利の上昇一服で押し目買い
メルカリ 4385 3.9% 
三菱地所 8802 3.6% 国内金利の上昇一服で押し目買い
伊藤忠商事 8001 3.5% 
大塚ホールディングス 4578 3.5% 
ソシオネクスト 6526 3.5% 
ジーエス・ユアサコーポレーション 6674 3.4% 
ディー・エヌ・エー 2432 3.4% 
リクルートホールディングス 6098 3.3% 
第一三共 4568 3.3% 
東京建物 8804 3.3% 
パナソニックホールディングス 6752 3.3% 
ふくおかフィナンシャルグループ 8354 3.2% 
ソフトバンクグループ 9984 3.2% 
ネクソン 3659 3.1% 
JFEホールディングス 5411 3.1% 
日本電気 6701 3.1% 
マツダ 7261 3.0%  

【下落上位】
3%以上下落銘柄なし

概況

週足で151.8ptの下落。国内長期金利が上昇基調を強め、米市場もハイテク株以外は軟調。印象的にはもっと下げている感じはあったが、月曜日と金曜日は底堅く買われる展開となりやや下げで週を終えた。採用銘柄と直接関係はないが、金曜日にグロース指数が急上昇しており、グロースコア指数は週足ではプラスになっている。

為替

週足では0.3円ほど円安に動いた。米経済指標の鈍化とNY連銀総裁のハト派発言で円が買われる場面もあったが大勢に影響はなかった。

金利

米10年債は0.1pt上昇。日10年債金利は0.05pt上昇。日銀は国債の買い入れ額を変更しなかったため、金曜日はやや調整が入っている。

米株

NYダウは週足で400ptと大きめに下落。金曜日に大きく戻しているが、火曜日~木曜日の3日続落が大きかった。NASDAQも200pt下落。米長期金利上昇により株が売られている状況。

今週1週間の採用銘柄の上昇上位

今週1週間の採用銘柄の下落上位


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