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日経225レビュー 2024/7/1~7/5完

・市況については株探より引用
・基本的に3%以上増減した銘柄を掲載しています
・タイトルはクリエイターまいこさん絵(シュナウザーのポムン)
2024年2月26日より可能な範囲でデイリーに更新していきます




市況概要

7月1日(月)


小幅続伸

終値は前週末比47円高の3万9631円。前週末の米国株は安かったものの、1ドル=161円近辺で推移する円安が好感されて序盤は3万9942円(359円高)まで買い進まれた。あと一歩で4万円の大台というところで失速し、9時半以降は小口売りに押されて上げ幅を縮める弱めの展開に。寄り前に発表された6月の日銀短観の小幅改善は下値の支えとなったが、上方向に対してはインパクトが薄かったようだ。

 前週末の米国市場はダウ平均が3日ぶりに小反落した。この日は5月の個人消費支出物価指数や消費関連指標の改善を受けて午前中は300ドル近く上げていたが、午後に入ると月末、四半期末ということで持ち高調整の売りが出てしまい、主要指数は総じてマイナスに転じてしまった。長期金利がじわりと上昇に転じてしまったことも手控えの一因に。戻り歩調にあったナスダック指数もエヌビディアの下げなどで4日ぶりに反落している。

 さて、東京市場は米株安より円安を選んで日経平均が続伸する展開。先週来のレンジ上放れの動きが続き4万円の大台へ一時急接近した。バリュー株に安定した買いが続きトピックスは3月22日の年初来高値を更新。国内長期金利の上昇やフランス下院選挙の結果(右派勢力の急拡大)、北朝鮮のミサイル発射などネガティブな材料を跳ね除け着々と水準訂正を進めている

【上昇上位】
J.フロントリテイリング 3086 14.72% 今期純利益引き上げ
高島屋 8233 11.06% 増益決算と上方修正を好感
川崎汽船 9107 6.84% 中国コンテナ船運賃指数前週比5.1%上昇
メルカリ 4385 5.28% 特に買い材料観測されず需給要因が中心か
三越伊勢丹ホールディングス 3099 4.37% 百貨店各社インバウンド増期待
いすゞ自動車 7202 4.15% 
T&Dホールディングス 8795 3.99% 
トレンドマイクロ 4704 3.89% サイバーセキュリティ関連として見直しも
MS&ADインシュアランスグループホールディングス 8725 3.86% 
楽天グループ 4755 3.80% 
第一生命ホールディングス 8750 3.75% 長期金利上昇
アマダ 6113 3.74% 大和証券では新規に「2」格付け
三菱商事 8058 3.49% 
三菱自動車工業 7211 3.32% 
オークマ 6103 3.28% 
日立製作所 6501 3.25% 
日本郵船 9101 3.23% 中国コンテナ船運賃指数前週比5.1%上昇
商船三井 9104 3.01% 中国コンテナ船運賃指数前週比5.1%上昇 

【下落上位】
レーザーテック 6920 -3.99% CFO交代で思惑
テルモ 4543 -3.96% 
住友ファーマ 4506 -3.70% 

7月2日(火)

大幅に3日続伸

終値は前日比443円高の4万74円で3月29日以来約3カ月ぶりの大台回復。序盤は長期金利の上昇を嫌気して170円ほど下げる場面があったが、売り一巡後から押し目買いが積極化し10時頃にはプラス圏へ。最近人気のバリュー株への買いが旺盛で、さらに円安に刺激された先物買いも入って後場には500円近い値上がりへと転じていった。長期金利上昇を材料として銀行、保険株が相次ぎ年初来高値を更新している。

 昨日の米国市場は選挙結果を受けたフランス政治情勢への過度な懸念が後退してダウ平均は反発した。30日に実施された仏下院選挙は極右・国民連合が勝利したものの想定内に収まったことで、財政悪化につながる政策が強行される懸念が後退。フランス株が上昇してひとまず安心感が広がった。一方、注目の経済指標であるISM製造業景況感指数が事前予想を割り込み上値を圧迫。トランプ勝利によるインフレを警戒して長期金利が上昇したことも多少は響いたようである。

 さて、東京市場はバリュー株が主導する形で本日もしっかりと水準訂正を継続。トピックスは1990年1月以来の高値となり、過去最高値(2886)更新が完全に視野に入っている。円安も勢いが止まらず1ドル=161円台後半へ。日米金利差は3%以上もあり依然としてドルを持たないリスクの方が勝っている日本は金利上昇下の円安でその恩恵を受ける資産に資金が集中しつつある

【上昇上位】
川崎汽船 9107 8.56% 紅海の混乱長期化見通し
ミネベアミツミ 6479 7.18% CLSA証券では目標株価を引き上げ
メルカリ 4385 5.94% 材料は観測されずショートカバーなどが牽引か
三菱重工業 7011 5.45% 防衛関連としての関心など引き続き高い状況か
HOYA 7741 4.52%  目標株価上げ(SMBC日興証券)
第一三共 4568 4.04% 不眠症治療薬「ベルソムラ」の販売権が同社に移管
リコー 7752 4.02% 
出光興産 5019 3.89% 原油相場の上昇などが支援に
T&Dホールディングス 8795 3.72% 金利上昇メリット銘柄として保険株
三菱UFJフィナンシャル・グループ 8306 3.54% 日米長期金利上昇
丸紅 8002 3.53% 
第一生命ホールディングス 8750 3.45% 米長期金利上昇で生保株の強い動き
シチズン時計 7762 3.40% 
大和証券グループ本社 8601 3.38% 証券株高
INPEX 1605 3.36% 原油相場の上昇などが支援に
東京海上ホールディングス 8766 3.17% 金利上昇メリット銘柄として保険株
東京建物 8804 3.07% 

【下落上位】
住友ファーマ 4506 -3.08%  リバウンド一巡感で前日から戻り売り優勢

7月3日(水)

力強く4日続伸

終値は前日比506円高の4万580円で3月27日以来の高値。前日の米ハイテク株高に後押しされて朝から買いが先行。4万円台に乗せてなお勢いを維持する強さを見せている。半導体株や電子部品株に買いが集まり指数としては日経平均の上げが際立つ状態。バリュー株中心だった相場から本日は値ガサ株、ハイテク株中心の相場へとバランスが取れた上昇相場となっている。円安進行も現状では強い追い風だ。

昨日の米国市場はテスラ株の急騰がけん引役となってダウ平均は続伸した。この日発表したEV大手テスラの4-6月世界販売台数は前年同期を下回ったものの事前予想ほど悪化はしなかった。失速が懸念されていただけに見直し買いが入り同社株は10%を超える急騰へ。これが他のハイテク株などにも波及し主要指数を押し上げた。ハイテク株の多いナスダック指数は連日で最高値を更新し、S&P500種指数も半月ぶりに最高値を更新した。

さて、東京市場は円安、米株高と整った外部環境に後押しされて日経平均が騰勢を維持する展開。ここに来て外国人による日本株の見直し買いも入っているようで当面は上値を試す動きとなるだろう。トピックスは連日で年初来高値を更新し、日経平均も3月22日につけた史上最高値(4万1087円)の更新が近いうちに達成されそうな状況だ。 

【上昇上位】
太陽誘電 6976 7.14% ゴールドマン・サックス証券目標株価引上げ
SCREENホールディングス 7735 6.82% 半導体関連株は全般買い優勢の展開
三菱重工業 7011 6.48% 防衛関連の中心格として上値追いが続く
村田製作所 6981 6.42% ゴールドマンは大手電子部品株の目標株価上げ
IHI 7013 6.41% 前日にはシティグループ証券が目標株価引き上げ
TDK 6762 5.24% ゴールドマン・サックス証券では目標株価引き上げ
ルネサスエレクトロニクス 6723 5.11% 半導体
SUMCO 3436 4.94% 半導体株優勢の地合いに乗る
川崎重工業 7012 4.67% 防衛関連
ネクソン 3659 4.43% 新タイトルのセールス好調を材料視
ディスコ 6146 3.95% 半導体
オークマ 6103 3.56% 
日本製鋼所 5631 3.50% 防衛関連
中外製薬 4519 3.40% 
富士通 6702 3.22% 
京セラ 6971 3.11% 

【下落上位】
ふくおかフィナンシャルグループ 8354 -3.10% 

7月4日(木)


大幅に5日続伸

終値は前日比332円高の4万913円で、今年3月22日につけた史上最高値(4万888円)を3カ月半ぶりに超えてきた。バリュー株物色が戻りトピックスも力強く5連騰。こちらは1989年12月の史上最高値を更新した。前日の米国市場はハイテク株が買われ日本株にも引き続き追い風に。米国で長期金利が低下したこともプラスとなった。4万1000円の大台を前に終盤はやや伸び悩んだが、上昇の流れ自体は当面続きそうだ。

昨日の米国市場は目先筋の利食い売りが出てダウ平均は3日ぶりに小反落した。この日発表されたISM非製造業景況感指数が前月から低下し事前予想をも下回った。米景気への懸念が出る半面、年内利下げへの期待も膨らみ材料としては中立に。この日は7月4日の米独立記念日の前日で株式市場は午後1時までの短縮取引。ダウ平均は方向感なく推移し結果的に小口の売りで値下がりした。一方、ハイテク株人気は相変わらずでナスダック指数は3日続伸し連日で最高値を更新している。

さて、東京市場は円安一服でも米ハイテク株人気に支えられて上値を伸ばす展開。トピックスもついに最高値を更新しさらに上値をうかがう状況にある。今晩の米国市場が休場のため、週末でもある明日はさすがに上げ方が鈍るだろうが、円安や米ハイテク株高の流れは簡単に変わらないため、上昇基調自体は来週にもつながっていきそうだ。

【上昇上位】
住友金属鉱山 5713 7.70% 銅など非鉄市況回復
住友ファーマ 4506 6.82% 一部社長インタビューなど伝わっているもよう
協和キリン 4151 6.26% メリルリンチ日本証券では投資判断格上げ観測
IHI 7013 6.18% 米軍 日本国内に戦闘機を配備 1兆6000億円投じる
ヤマハ発動機 7272 5.27% ゴールドマン証券は目標株価を引上げ
太陽誘電 6976 5.23% 
三井金属鉱業 5706 5.09% 銅など非鉄市況回復
ソフトバンクグループ 9984 4.53% 
日産自動車 7201 4.47% 
レゾナック・ホールディングス 4004 4.36% 
三菱マテリアル 5711 4.32% 銅など非鉄市況回復
住友化学 4005 4.14% ブラックロックが大量保有
三菱重工業 7011 3.83% JFEスチールから「超音波式板厚モニタリングシステム」受注
SUBARU 7270 3.68% 目標株価2,400円に引上げ(欧州系大手証券)
ルネサスエレクトロニクス 6723 3.60% 
マツダ 7261 3.56% 目標株価2,000円に引上げ(米系大手証券)
みずほフィナンシャルグループ 8411 3.45% 
三菱自動車工業 7211 3.21% 
楽天グループ 4755 3.04% 
本田技研工業 7267 3.02% 

【下落上位】
川崎重工業 7012 -7.33%  海自隊員に金品提供の疑いと伝わる


7月5日(金)


6日ぶりに小反落

終値は前日比1円安の4万912円だった。昨日の米国市場は独立記念日のため休場。代わって注目された欧州市場は米利下げ期待や、フランス政治・財政への過度な懸念が後退して総じて堅調。英国も下院総選挙で14年ぶりの政権交代が概ね確定的だが、市場はほぼ織り込み済みで指数は4日続伸と安定している。

このように世界的な株高の流れにあって日本株も朝から続伸のスタート。3月22日につけた取引時間中の史上最高値(4万1087円)を一時超えるなど先高観は依然として健在だ。後場は週末ということや円高を嫌気してマイナス圏に落ちてしまったが、ここまでの上げ幅の大きさ(5日間で1500円)を考えると下値の堅さは相変わらずで基調は極めて堅固といえよう。今晩の米雇用統計の結果が気になるところだが、結果が強めでも弱めでも今の米国株のトレンドを変えるものにはならないだろう。今しばらくは米景気も物価(インフレ)も大きく状況を変える様子はなさそうだ。



【上昇上位】
三越伊勢丹ホールディングス 3099 7.63% SMBC日興証券が目標株価引上げ
メルカリ 4385 4.33% 三井住友トラストアセットの保有比率上昇
ZOZO 3092 3.97% 
SCREENホールディングス 7735 3.56% サムスン電子決算速報で
LINEヤフー 4689 3.10% 
リクルートホールディングス 6098 3.07% 

【下落上位】
商船三井 9104 -3.57% 
日本郵船 9101 -3.36% 
SUBARU 7270 -3.24% 
本田技研工業 7267 -3.24% 
古河電気工業 5801 -3.20% 
DOWAホールディングス 5714 -3.16% 

概況

週足では+1329.3ptと大幅上昇。ほぼ5連騰のようなものであった。フランス政治不安後退、米株高、米景気後退懸念弱含み、長期金利低下期待など要因は考えられるが、ドル円が161円を突破したことが最も大きい要因ではないだろうか。

為替

先週末対比では0.1円ほど下がってはいるものの、週の半ばでは161円後半まで進行しており、円売りが過熱した週であった。

金利

米10年債は先週末対比0.1%下落と、やや金利低下の歩調を速めた。日10年債は1.065と先週末対比0.02%上昇で、ここしばらくは1%を超える展開が続いている。
今月末に日銀が国債買い入れ額を減少させた場合、債権の買い手が減るため金利が上昇、ついては既存国債の評価損が発生するため今のうちに手放すという流れか。

米株

NYダウは週足で250pt程度の上昇。NASDAQは600ptを超える大幅上昇となった。

今週1週間の採用銘柄の上昇上位

今週1週間の採用銘柄の下落上位


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