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日経225レビュー 2024/5/13~17完

市況概要

・市況についてはブルームバーグもしくは株探より引用
・基本的に3%以上増減した銘柄を掲載しています
・タイトルはクリエイターまいこさん絵(シュナウザーのポムン)
2024年2月26日より可能な範囲でデイリーに更新していきます

5月13日(月)

「小反落」

前週末の米国市場でハイテク株が軟調だった流れから小口売りが先行。日銀の国債買い入れ減額報道もあって一時は3万8000円台を割り込む(259円安)場面があった。一方、大台割れでかえって値頃感が増したのか、その後は好業績株を中心に買い戻されて下げ幅を縮小。一時はプラス圏を回復するまで戻したが、目立った買い材料がなく最終的には小幅安で取引を終えている。

 前週末の米国市場は引き続き利下げ観測が支えとなってダウ平均は8日続伸した。8連騰は昨年12月の9連騰以来の記録。雇用関連指標の落ち着きを好感してこの日も買いが継続。改めて利下げ期待の効果の大きさを感じさせた。一方、前日までの7連騰で1600ドル近くも上げており過熱感も否定できない。長期金利が下げ止まってしまったことも上値を重めにさせている。ハイテク株の多いナスダック指数は金利に敏感に反応してこの日は小反落した。

 さて、東京市場は日銀の金融引き締め姿勢の強まりを受けて主要指数は総じて小甘い動きに。米国株も基調の強さは評価されるものの、目先的な過熱感が意識されて材料とはならなかった。注目された前週末の東エレクの決算に対して同社株は下げたものの全体への影響は限定的。ただ、3月決算発表が刺激となって日経平均が上振れする当初の業績相場期待は薄れているようだ。

【上昇上位】
オリンパス 7733 9.7% 内視鏡好調で今期の大幅増益見通し好感
東レ 3402 8.7% 3年間で政策保有株を半減、売却代金で自社株買い
ミネベアミツミ 6479 5.9% 今期業績見通しを好感
しずおかフィナンシャルグループ 5831 4.6% 
KDDI 9433 3.7% 営業利益 25/3予想 15.4%増
ディスコ 6146 3.6% 
TOTO 5332 3.4% 大和証券目標株価引き上げ
資生堂 4911 3.2% 日本や中国事業は改善傾向が鮮明
AGC 5201 3.0% 

【下落上位】
清水建設 1803 -8.9% 通期 営業損失 赤字転換 ▲246億円
大成建設 1801 -8.1% 通期 営業利益 51.6%減 ▲264億円
セコム 9735 -7.9% 通期 営業利益 2025/03予想 6.7%減
日立造船 7004 -6.6% 2025/03予想 6.9%増(260億円)だが
コムシスホールディングス 1721 -5.9% 決算サプライズ乏しく売り材料に
三井不動産 8801 -5.4% 今期のガイダンスをネガティブ視
帝人 3401 -5.3% 
マツダ 7261 -5.0% 今期最終減益の見通しを嫌気
クボタ 6326 -5.0% 1Q 営業利益 0.3%減
神戸製鋼所 5406 -4.8% 
大林組 1802 -4.7% 
長谷工コーポレーション 1808 -4.2% 2025/03予想 4.4%減
三菱地所 8802 -4.1% 今期増益見込みも前期の通期 営業利益 6.1%減
SUBARU 7270 -3.8% 営業利益 25/03予想 14.6%減
オークマ 6103 -3.8% 通期営業利益 2025/03予想 15.2%減
ヤマハ 7951 -3.4% 
DOWAホールディングス 5714 -3.3% 今期増益見込も前期32.7%減
大和ハウス工業 1925 -3.2% 25年3月期の連結業績は増収減益を予想
ヤマハ発動機 7272 -3.2% 決算控え

5月14日(火)

14日の日経平均は反発。176.60円高の38356.06円で取引を終えた。米インテルのアイルランドの半導体工場の建設計画のニュースを受けて、前日の米国市場で買われ、東京市場でも半導体関連株の一角などが堅調。日経平均は寄り付き直後に38477.68円まで上昇。ただ、日銀の政策正常化への思惑から国内長期金利が上昇しているため、目先の利益を確保する動きもあり、日経平均はマイナスに転じる場面もみられた。14日の4月の卸売物価指数(PPI)や15日の4月の消費者物価指数(CPI)の米インフレ指標の発表前に、模様眺めムードの強い展開だった。

米ハイテク関連株が買われた流れを受け、東京市場も朝方は半導体関連など値がさ株中心に買われ、日経平均の上げ幅は一時300円に迫った。また、円相場が1ドル=156円台へと円安が進んだことも支援材料となり、輸出関連株を支える要因となった。ただ、日銀が早ければ6月の金融政策決定会合で国債買い入れの減額に動くのではないかとの思惑から、国内長期金利が昨年11月以来約半年ぶりに0.965%に上昇したことが重荷となった。

米国では今夜、4月のPPIの発表が予定されている。市場予想を上回る好調な結果となり、インフレが再び加速していることを示すのか確認したいところだ。また、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長やクック理事が発言する機会もあり、足元の景気認識についてどう考えているのか、インフレ沈静化に向けた姿勢を強めるのかも見極めたいところだろう。

【上昇上位】
古河電気工業 5801 18.6% 前期上振れ・今期コンセンサス上回る見通し
大林組 1802 13.4% 今期純利益16%増、増配も発表
ENEOSホールディングス 5020 10.8% 自社株買い22.68%
TOPPANホールディングス 7911 9.7% 1000億円上限(12.31%)自社株買
クラレ 3405 8.2% 第1四半期営業利益35.0%増。4.48%上限の自社株買い
メルカリ 4385 7.1% 日足チャート上で25日移動平均線が上向き始め
スズキ 7269 6.4% 増配や今期のガイダンスをポジティブ視
ヤマハ発動機 7272 6.3% 1Q 営業利益 2.7%増
任天堂 7974 5.3% スクエニHDの有力タイトル展開方針に思惑
ZOZO 3092 5.2% 
ソフトバンクグループ 9984 4.3% Net Asset Valueは大幅に増加
ヤマハ 7951 4.2% 
電通グループ 4324 4.2% 決算前
コナミグループ 9766 4.1% 
住友化学 4005 3.8% 東海東京証は「アウトパフォーム」に引き上げ
UBE 4208 3.7% 営業利益 2025/03予想 20.2%増
LINEヤフー 4689 3.5% 
資生堂 4911 3.3% 
大日本印刷 7912 3.3% 
東レ 3402 3.2% 
DOWAホールディングス 5714 3.1% 
エムスリー 2413 3.1% 

【下落上位】
鹿島建設 1812 -8.9% 今期減益予想で売り膨らむ
東ソー 4042 -8.6% センサス下振れ(純利益が大きめに)
大和証券グループ本社 8601 -6.8% あおぞら銀の筆頭株主に
日産化学 4021 -5.9% 営業利益 2025/03予想 3.7%増も
コムシスホールディングス 1721 -5.4% 
塩野義製薬 4507 -4.1% 営業利益 2025/03予想 4.4%増も
帝人 3401 -4.0% 
清水建設 1803 -4.0% 
中外製薬 4519 -3.4% 
日本製鋼所 5631 -3.2% 

5月15日(水)

「小幅続伸、朝高も米CPIを控え失速」

前日の米国市場では、NYダウは前日比126ドル高と反発した。米PPIの前月実績が下方修正され物価上振れへの警戒が和らいだことで好感された。

 東京市場では、買い優勢で始まり日経平均株価は一時400円以上水準を切り上げたが、その後は値を消す展開で結局小幅の上昇にとどまった。

 15日の東京市場は、朝方は買いが先行し、日経平均は一時3万8800円台まで駆け上がったが、その後は失速する展開で下げに転じる場面もあった。前日の米国株市場ではハイテク株への買いが目立ち、ナスダック総合株価指数が史上最高値を更新、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日続伸と騰勢を強めており、東京市場でも外国為替市場での円安進行を横目に朝方は値がさハイテク株中心に買いを呼び込んだ。しかし、その後は上値の重い展開を余儀なくされた。日銀の金融政策正常化に向けた動きが警戒されているほか、日本時間今晩に発表予定の米消費者物価指数(CPI)を見極めたいとの思惑が買いを手控えさせた。プライム市場の値下がり銘柄数は1100を超え値上がり数を大きく上回った。TOPIXはわずかにマイナス圏で引けている。

【上昇上位】
三越伊勢丹HD 3099 13.6% インバウンド需要拡大、株主還元強化
三井住友トラストHD8309 8.8% 想定以上の今期大幅増益や増配
ソニーグループ 6758 8.2% 大型買収への懸念和らぐ
HOYA 7741 6.9% センサス上振れ システム障害先行き不透明感も薄れ
アマダ 6113 6.5% コンセンサス上振れ
いすゞ自動車 7202 5.9% 株主還元姿勢を評価
三井化学 4183 5.9% 今期の純利益増に買い安心感
アサヒグループホールディングス 2502 5.3% 1Q 営業利益 1.7%増
りそなHD 8308 5.0% 自社株買い評価、政策保有株の売却加速
DIC 4631 4.9% 1Q 営業利益 41.7%増
横浜ゴム 5101 4.9% 第1四半期はコンセンサス上回る
三菱重工業 7011 4.0% 「戦闘機の整備対象の拡大」報道
IHI 7013 3.7% 「戦闘機の整備対象の拡大」報道を意識
ディスコ 6146 3.6% 
デンソー 6902 3.2% 
NTN 6472 3.0% 営業利益 2025/03予想 13.7%増

【下落上位】
ニトリホールディングス 9843 -16.1% 今期純利益6%増も市場予想に届かず
カシオ計算機 6952 -11.7% コンセンサス下振れ・中期計画も下方修正
コニカミノルタ 4902 -9.0% 営業利益 2025/03予想 50.2%減 無配
住友ファーマ 4506 -9.0% 今期の赤字継続で売り続く
荏原製作所 6361 -8.9% 精密・電子事業の低進捗などマイナス視も
シャープ 6753 -8.1% 今期見通しが予想以下、MSCI除外も嫌気
三菱ケミカルグループ 4188 -7.9% 大幅な営業減益を予想
小田急電鉄 9007 -6.1% 営業利益2025/03予想 17.3%減 MSCI除外
日産化学 4021 -5.9% センサス下振れ余波続く
東武鉄道 9001 -5.9% 営業利益 2025/03予想 16.1%減
出光興産 5019 -5.5% 営業利益 2025/03予想 51.2%減
日揮HD 1963 -4.8% 通期 営業損失 赤字転換(今期黒字転換予想)
丸井グループ 8252 -4.2% 増益予想もセンサス下振れ
日本製紙 3863 -3.8% 決算直前
東宝 9602 -3.7% 
ヤマトホールディングス 9064 -3.6% 
メルカリ 4385 -3.6% 
SMC 6273 -3.5% 前期の下振れ着地をネガティブ視
ディー・エヌ・エー 2432 -3.5% 
NTTデータグループ 9613 -3.4% 
サッポロホールディングス 2501 -3.4% 1Q 営業損失 赤字縮小も
ENEOSホールディングス 5020 -3.3% 
大林組 1802 -3.2% 
楽天グループ 4755 -3.2% 1~3月期423億円の赤字、市場予想下回る
TOTO 5332 -3.1% 
デンカ 4061 -3.1% 

5月16日(木)

「大幅に3日続伸」

前日の米国株がインフレの落ち着きを受けて最高値を更新した流れから日経平均は開始早々に500円を超える上げ幅を示現。3万9000円台が目前に迫った。一方、日本の1-3月GDP速報は年率2.0%減成長で市場予想も下回った。一時1ドル=153円台に入った円高もあってその後はもたつく展開。それでも外国人の先物買いなどで終盤に再度買い直され高値圏で引けている。

 昨日の米国市場はインフレ指標の軟化を好感してダウ平均は大幅続伸。約1カ月半ぶりに史上最高値を更新した。この日発表した4月の消費者物価指数が事前予想を下回る伸び率となったことから長期金利が低下遅くとも9月には利下げが開始されるとの期待が膨らみ幅広い銘柄が物色された。この日の4月の小売売上高も低調インフレ圧力が後退している。ハイテク株が多いナスダック指数も続伸してこちらは連日の史上最高値更新となっている。

さて、東京市場は米株最高値更新を追い風に日経平均が値を伸ばす1日に。円高やマクロ経済指標の軟化が響いて伸び悩む場面もあったが、先物への外国人の買いで3万9000円台を目指す動きとなっている。日経平均は25日移動平均線(3万8409円)を明確に上抜けてトレンド回復へと一歩前進。本日はトピックスが弱かったが全体は緩やかな回復を続けそうだ。

【上昇上位】
クレディセゾン 8253 11.7% 自社株買い15.2%
リクルートHD 6098 9.1% センサス上回る+余剰資金で株主還元の思惑
日本製鋼所 5631 6.6% 
荏原製作所 6361 6.1% 前日大幅下落も
サイバーエージェント 4751 6.0% 「学園アイドルマスター」本日リリース
TDK 6762 4.7% 
東京エレクトロン 8035 4.5% 
ディスコ 6146 4.3% 
NTTデータグループ 9613 3.7% 
キーエンス 6861 3.7% 
日本取引所グループ 8697 3.6% 
三越伊勢丹ホールディングス 3099 3.6% 
フジクラ 5803 3.5% 
富士電機 6504 3.4% 
ニデック 6594 3.4% 
任天堂 7974 3.4% 
トレンドマイクロ 4704 3.3% 
ニトリホールディングス 9843 3.2% 
野村ホールディングス 8604 3.2% 
テルモ 4543 3.1% 
アドバンテスト 6857 3.0% 
中外製薬 4519 3.0% 

【下落上位】
日清製粉 2002 -8.5% 今期業績は横ばい見通しでコンセンサス下振れ
日本製紙 3863 -8.3% ガイダンスは市場予想を大幅下振れ
住友化学 4005 -6.3% 前日に決算発表も主要数値は公表済みで出尽くし感
T&Dホールディングス 8795 -6.2% 通期 経常利益 黒字転換も
住友ファーマ 4506 -5.6% 決算発表後は売り優勢の展開が続く
三菱UFJフィナンシャルG 8306 -4.3% 自社株買規模をネガティブ視か
三井化学 4183 -4.3% 
マツダ 7261 -3.8% 
日本精工 6471 -3.8% 
日産化学 4021 -3.6% 
出光興産 5019 -3.6% 
スズキ 7269 -3.5% 
三菱自動車工業 7211 -3.4% 
三菱ケミカルグループ 4188 -3.3% 
コニカミノルタ 4902 -3.1% 


5月17日(金)

「4日ぶり反落、米株下落で利益確定売りが優勢」

前日の米国市場では、NYダウは前日比38ドル安と3日ぶりに反落した。高値達成感伴うに利益確定売りに押された。

 東京市場では、日経平均株価は4日ぶりに反落。前日の米株式市場が下落したほか、利益確定売りが優勢で軟調に推移した。

 前日の米市場ではNYダウが下落したほか、半導体関連株などが値を下げナスダック指数も下落した。引け後に決算を発表したアプライド・マテリアルズ<AMAT>が時間外取引で値を下げたことも警戒された。米株式市場が下落したことを受け、日経平均は軟調にスタート。前日に急伸した反動もあり売り優勢の展開となり、午前10時前には380円安まで売られる場面があった。ただ、売り一巡後は下値に買いが入り、後場にかけて下げ渋ったが、週末で積極的な売買は手控えられ、上値の重い展開が続いた。

【上昇上位】
日本製鋼所 5631 7.0% 防衛関連の受注高が拡大傾向
第一生命ホールディングス 8750 3.5% 
三井住友FG 8316 3.4% 業績見通しや株主還元評価の買い続く

【下落上位】
住友ファーマ 4506 -5.4% 決算発表後は売り優勢の展開
電通グループ 4324 -4.3% 決算後ショートカバー優勢だったとみられるが
サイバーエージェント 4751 -4.3% 学園アイドルマスターランキング低下
ディー・エヌ・エー 2432 -3.2% 

概況

火曜日から木曜日の3日続伸が大きく週足で558.2ptの上昇となった。米指標の悪化を受けて金利引き下げ期待が再燃し長期金利も低下。今週は米CPIの物価伸び率鈍化が発表され、インフレ懸念が後退していた。ダウ・NASDAQは、もともと4月中旬からほぼ休みなく上げ続けていたが今週も大きく上げ、日本市場もその流れを受けた形となる。日本株は消極的なガイダンスを発表する企業が多く、多くの銘柄で決算翌日下落が見受けられた。

為替

先週末対比2.5円弱円高に振れている。(現在アメリカ市場中)米の利下げ観測を受けて米長期金利が低下、それを受けて為替もドル高に傾いた。円高に傾いてもまだまだ円安水準であり、株価への影響はほぼないと思われる。

金利

米10年債は0.13%とやや大きめに下落。日10年債金利は0.04%上昇している。金利低下あればグロース株が上昇するはずであるが、今週グロース株に目立った上昇は見られなかった。

米株

まだ17日の場中であるがダウは現時点で週足400ドル程度の上昇。NASDAQは週足で330ドル程度の上昇となっている。

今週1週間の採用銘柄の上昇上位

今週1週間の採用銘柄の下落上位

9%以上下落分


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