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兎と亀


 森の中、亀は兔に話しかけた。
「もしもし、最近、自分の甲羅にこもりがちでね、部屋の中だとガスが溜まるんだ。これがまた、なかなか抜けないガスでね。たまには外に出て、しっかりと抜いておかないと、ね」
 兎は笑いながら言った。
「亀はいつも面白いね。ガスが溜まるって、どんな感じなの?」
 亀はにっこり笑いながら答えた。
「まあ、人間さんたちがコーヒーを飲みすぎてお腹がゴロゴロするのに似ているかな。でも心配ない、今日はたっぷりと外気を吸って、すっきりさせるよ」
 そうして、二人は笑いながら森の中を散歩した。亀は時折、大きなあくびをしてガスを抜き、兎はそれを見てはいつも以上に跳ねて笑った。
「ねえ、亀。こんなに笑ったのは久しぶりだよ。ありがとう、あんたのガスのおかげでね」
「やぁ、兎。それは好かった。このガスが誰かの役に立つと嬉しい気分だよ」
 森の中は笑い声でいっぱいになった。そして亀は、たまには家から出て、友達と笑うことの大切さを改めて知った。
 




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