鈴木財務相、為替介入公表の判断は?
鈴木俊一財務相は6日の閣議後会見で、為替介入を実施直後に公表するか否かは「さまざま視点から総合的に勘案して判断をしている」と語った。
3日の海外市場で円が対ドルで急反発した際の介入の有無については、改めて「あったのか、なかったのかについてはお答えしない」と述べた。
鈴木財務相は、昨年9月22日の為替介入時に直ちに公表したことについては、為替市場における投機的な動きも背景に急速で一方的な動きが見られる中、「介入の目的に照らして、その効果を高らしめるために総合的に勘案し、判断したもの」と説明した。
3日の海外市場では、円が対ドルで1ドル=150円台前半まで下落。そこから数秒間で147円台まで急反発したことで、市場では日本の当局による介入観測が広がった。6日の東京市場では148円台後半で推移している。
為替介入の前提となる「過度な変動」の定義に関しては、同じ方向で蓄積されていくとそれなりの値幅になって過度な変動になることもあり得るとした神田真人財務官の説明を紹介した上で、「どのような変動が過度な変動に当たるのかについてさまざまな要因があり、総合的に勘案して判断してきている」と述べた。介入については「政府として考え方に変わりはない」と語った。
財務省は為替介入の実績額について、月次ベースの総額を月末に、日次ベースの詳細(実施日や介入額など)は四半期ごとに公表している。
ポイント
鈴木財務相は、為替介入を実施直後に公表するか否かは、さまざまな視点から総合的に勘案して判断していると述べた。
昨年9月の為替介入を直ちに公表したのは、投機的な動きを抑えるために効果を高めるためと説明した。
3日の円安急反発については、為替介入があったかどうかは回答を避けた。
為替介入の前提となる「過度な変動」の定義については、さまざまな要因を総合的に勘案して判断していると述べた。
解説
鈴木財務相は、為替介入の公表について、明確な基準を示すことは避けた。これは、為替介入が市場に与える影響や、介入のタイミングや規模を調整する上での柔軟性を維持するためと考えられる。
3日の円安急反発については、為替介入があったかどうかはっきりしない。しかし、市場では日本の当局による介入観測が広がったことから、為替介入の可能性が示唆されたと言えるだろう。
鈴木財務相は、為替介入については政府として考え方に変わりはないと述べた。今後も、円安が急速に進むような場合には、為替介入の実施を検討する可能性がある。
怜音カルロス
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