タスキ 2023/3Q時点
決算振り返り
2023年4QでのEPS予想は110.48円であり、PER10倍での株価は1100円となるため株価は妥当な水準と言える。(2023/8/12時点)
タスキは不動産銘柄にしては1Q~4Qまでの業績が平坦化されており、安定した収益を保っている傾向がある。それでも4Qでの収益は高水準の成績となる可能性が高く、上方修正の可能性は大きい。
2023/1Q~3Qの平均が以下の通りであり、平均的に進むと純利益3~4%程度の上方修正が期待できる。
しかし、売上高の進捗率が72.3%である要因の一つは、3Qのリファイニング事業で2件売却できたことである。他のリファイニング事業物件は現在取得段階であり、4Qでの売却には間に合わない。主力事業で50億近くの売上が得られるかどうか懸念がある。棚卸資産は十分にあるため営業が上手くいけば達成できる可能性は十分にある。
売上高は会社予想通りのまま、利益面では上方修正が入るのではないかと考えられる。3%の上方修正が入ると株価1140円程度、需給次第では一時的に1180円程度になるのではないかと予想する。
SaaS事業
増資による影響から含み損を抱えた投資家が多いこと、信用残が増えていること、政策金利の懸念があるため上値の重い展開が予想される。これらの懸念を抱えつつ株価が上昇トレンドに向かうためにはSaas事業による収益拡大を期待したい。
しかし、決算資料ではSaaSの進捗状況が不透明となっており、開発要員が4名のみということが判明した。少数精鋭とはいえ4名しかいないのであれば開発が遅々として進まないことは予想できる。天空率の実装とテストを行い広告と販売まで進んだとして決算書に反映されるのは来期以降になるのではないだろうか。天空率の自動計算ツールを取り扱う会社をMAする余力はないため、自社開発か他社との提携が待たれる。多少利益率が下がったとしてもずっと投資家を待たせていたため、他社と提携してでも早期実装を期待したい。
Saasを利用する企業からすると、便利なツールであっても一部の機能が利用できない場合、その機能を利用するために他のツールを探さなければならなくなる。業務効率化のためにはタスキと契約すれば解決する、と思ってもらうためには想定される機能をすべて含んでいることが重要だ。また、適宜アップデートしていく必要もあるためIT人材の増員も不可欠であると考えられる。
不動産業界のDX推進に取り組んでいる会社は多く、同様のツールが現れてしまうのではないか心配である。
大株主
新日本建設の村上氏は保有率が減少し続けている。現在28.99%であり、村田氏と合わせても30.12%である。
33%を下回っている状況は経営上リスクが発生するが、どのような意図で保有率を下げているかまったくわからない・・・。