日本山村硝子 2024/1Q時点
概要
スタンダード市場 時価総額175億円 PER1.9 PBR0.4
4つの事業を行っている
①ガラス瓶 / 56%
ガラスびんの製造販売
包装資材・機械設備等の仕入販売・貿易業務等
製びん機、搬送装置等の製造販売
②プラ容器 / 10.7%
プラスチックキャップの製造販売、中国での販売も行っている
③物流 / 28.5%
製品の輸送・保管および構内作業等
④ニューガラス / 4.5%
電気・電子機器用ガラス部品の製造販売
ガラス瓶事業
ガラス瓶の国内需要は前年と変わらず推移しているが、同業他社の生産能力縮小と値上げにより増収となっている。マイナス要因は原料高、材料高、他社の動向である。
つまり、企業の稼ぐ力が向上したというよりも、外部要因により好決算となっていることに注意が必要である。業績は不安定であり、過去に赤字であった時期も多い。
製造業は川中産業であるが日本山村硝子は販売も行っている。そのため製品への付加価値をつけやすいにもかかわらず、実際は利益につながっていない。これは、ガラス瓶自体がメイン商品として買われていないためである。ガラス瓶を購入する企業はガラス瓶に入れる溶液をメイン商品として販売するため、日本山村硝子にとってはガラス瓶がメイン商品であっても、最終的な消費者にとってはガラス瓶に入っている溶液にこそ価値を感じている。つまり、飲料や食品を販売する企業の業績に影響を受けやすい。昨今では値上げの風潮が強くなっていることにより、飲食業の好景気につながっている。この好景気が続いていく間に企業の本質的な価値を向上させるための戦略に取り組む必要があると考える。
株価
業績の不安定な状態が続いた影響もあって、2024年1Qの決算は大きなサプライズとなった。飲食業の好景気が続く間はこの成績が維持されることが予想されるため、中期的には株価の上昇へと繋がると思われる。
直近3年間が大きな赤字であったため配当にはあまり期待できないが、今期の上方修正は確実視される。それは株価に織り込みつつあるが、それでもなおPERやPBRの観点から割安であると判断され、徐々に株価に織り込まれていくだろう。飲食業の景況感を判断するためにも、原材料価格の推移に注目していきたい。
月足チャートでみると2000円付近に出来高が集中しているが、4年前までに積みあがった出来高であり、現在は相当数の株主が入れ替わっていると思われる。そのため、上値はあまり重くないと考える。上方修正やPBR改善策などのIRによって、2000円超えの可能性は十分にあるのではないだろうか。
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