見出し画像

私の母は、私のことを38歳で出産した。
高齢出産だった。
母の母(祖母)も38歳で母を産んだそうだ。

私には7歳上の兄がいて、2人兄妹。
私達子供に母は涙を一度も見せたことがない。
本当に一度も。

怒ってるところはたくさん見てきたけど、(笑)
祖母が亡くなった時も、
声は震えていたが、涙は流さなかった。

私の兄は持病があり、
その事でショックな出来事があった時も
母は泣かなかった。

そんな母に、先日なんでお母さんは泣かないの?と
長年疑問に思ってたことを聞いた。

泣くのは負けた気がしてね!
だから我慢してたら強くなったの!
と言っていた。

どれだけ私たちの見えないところで
涙を流していたんだろう。
きっと喚いて泣きたくなるようなことが
何度も何度もあったはずなのに。
とその言葉を聞いて私が泣きそうになった。

私は比較的両親とも兄とも仲が良いと思う。
特に父は、自他ともに認める娘溺愛パパだ。(笑)
幼い頃から私もお父さん子で
良く週末は2人で出かけたりしていた。

母親は息子に、
父親は娘に対して甘くなりやすいと言われるが、
我が家はその典型だったと思う。

反抗期の頃は、毎日のように母と喧嘩して
家出したり、本当に酷かった。
それを父が仲裁に入り宥める、そんな毎日で
たくさん酷いことも言ってしまった。

でも大人になってから仲良くなり、
今日も母と我が子を連れて
2人でランチに行った。
今でも喧嘩することはあるけど
私も大人になったので、
冷静に言いたいことを伝え、
母の言い分も聞いて話し合いができる。

喧嘩もたくさんしてきたし
本当に嫌い!って思ったことも何度もあるけど、
そんな母のことをずっと尊敬してることがある。

それは、
どんな人にも分け隔てなく
気遣いを忘れず、
勇気を持った行動ができるところ。

例えば電車やバスに乗っていて、
お年寄りや身体の不自由な人がいたら
なんの迷いもなく声をかけて席を譲るし、
荷物を持って運んだり手助けする。
道端で困っている人がいたら絶対に声をかける。
転んでいる人がいたらなんの迷いもなく
手を差し伸べる。

私の友人が出産した時に、
友人はなかなか親に頼ることが難しい環境だった為、私の実家の近くに住んでいたので、
連絡先を聞いて私のいないところで
友人宅へ料理しに行ったり、
友人の育児を手伝っていた。

人を助けたりするのは
当たり前のことかもしれないけど、
その当たり前ができない人が多い中、
そんな母の姿を見て
なんの躊躇もなく気遣いを周りの人にできるのは
本当にすごいことだと大人になり改めて思う。

心から尊敬しているし、
素敵な女性だなと
自分の母ながらそう思う。

今では1人の孫のばぁば。
孫に甘々でいつもたくさんおもちゃや洋服、
育児に必要なものを持って遊びにきてくれる。

私が母にしてもらってきたことを
我が子にもしてあげたいし、
母のように胸を張った生き方ができるよう
精進していきたい。

そんなことを思った日だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?