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遺された一枚の写真から


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「 あっ、いますごく幸せだな 」

そう感じた瞬間は今まで 
数えきれないくらいいっぱいある
だから
わたしの幸せポッケの中は
いつも満タンだ

一方で
日常に押し流されて
今この瞬間の幸せに
気付かないこともあるだろう
もしかしたら今まで
気付かなかっただけで
幸せは
いっぱいあったのかもしれない


遺されたたった一枚の
セピア色に染まった写真を
手に取って眺めるたび思う

「 この時が一番幸せだったな 」

失って初めて
気付く幸せもあるのだろうか?

たとえその時
どんなに幼かったとしても
幼すぎて感情も気持ちも
言葉にできなかったとしても
残された
たった一枚の小さな写真には
おおきなおおきな手に包まれた
わたしの小さな手がある
幸せに満たされた
わたしが微笑んでいる
そうだ、わたしは
幼かったこのときの
この瞬間
おおきな愛に包まれて
確かに幸せを感じてた

失ってから気付いたんじゃない

わたしは
この時すでに
十分な愛で満たされていた
幸せだったんだ。














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