株取引で借金554万円を背負うまでの日記。

9月16日金曜日
ダブルスコープストップ安1日目。
正直ストップ安に張り付き売るに売れない状況になった時、内心ヤバいと思いながらもIRで公募価格は決まっていないと記載があったしきっと大丈夫だろうと高を括っていた。
場が引けてから冷静になって考えるとどう考えても大丈夫ではない状況にあることに気づかされた。
一度ストップ安からIRが出てリバウンドしたのにもかかわらず再度ストップ安に張り付く状況はどう冷静に考えても大丈夫ではない。
想像の話でしかないが、IRが出てからの買いに内情を知っている人たちの売りが降ってきたが故に再度ストップ安に張り付いたとしか思えない。
事の重大さに気づいたはいいもののその夜は記憶がなくなるほど酒をのみ死にたい等と嘆きながら自暴自棄になり現実逃避をしていつ寝たのかもわからない状態で眠りについていた。

9月17日土曜日
証券口座を開き昨日の出来事が悪い夢でないことを確認する。もう何も考えたくない一心から寝起き直後ウイスキーをストレートで空っぽの胃の中に流し込んだ。
不思議なことに飲んでも飲んでも酔えないそれどころか意識はますます冴えていく一方。正直この勢いで死んでしまえそうだなと思うような状態だった。所詮思うだけで、半端者の僕には自殺なんて難しいこと成し遂げられるわけはないのだが。
このままでは自殺未遂など馬鹿なことをして迷惑をかけてしまうと感じ親へと連絡する。泥酔状態で今にも泣きそうな声で正直に借金になることを親に伝えた。正直怒られるだろうなと思ったが、それでも誰かにこの不安な気持ちを聞いてもらえるだけでも
心が軽くなる気がして連絡した。しかし、僕の予想に反して「何そんなこと。人殺したでもない、誰かに迷惑かけたでもない。何の問題もないよって」優しい言葉をかけてもらいこらえ切れずに泣いてしまった。成人して以降親の前で泣いたことなどなかったのに泣いてしまった。僕の実家は裕福でもないし正直お金は頼りにできなかったが、話を聞いてもらえただけでも心が軽くなった気がした。この夜は肝臓が限界を迎えるまで飲み何が夢で何が現実かわからない状態で眠っていた。

9月18日日曜日
一人でいることに耐えきれず友達を飲みに誘った。誘ったはいいがこれから借金を抱える可能性を考えると贅沢はできないなと。サイゼリヤで良いか友達に確認すると。金ないの?って聞かれて正直に借金になりそうなことを話した。
じゃおごりでいいよってそこでもまた泣きそうになった。ここ数日泣いてばかりだ。ここ数日あったことを全部話すとそんなこともあるよって笑いながら聞いてくれた。深刻な顔して聞かれるよりあっけらかんと聞いてくれて本当に心が楽になった。
出世払いでいいから飲みたくなったらまた言ってなって言われ別れた後に一人で泣いた。泣き疲れて気づいたら寝ていた。

9月19日月曜日
連日ほとんど食べずに飲み続けていたせいだろう、起きた瞬間にトイレにかけこみ吐いた。何も食べていないからひたすら胃液を吐き続けた。酒は飲んでも吐いてしまうからと、家にあった睡眠薬をあるだけ飲んで何とか寝たような気がする。

9月20日火曜日
ダブルスコープストップ安2日目。         仕事してたのか何してたのすら思い出せない。気配値の時点で寄る気配なし。酒を飲んでいたわけでもないのにほとんど記憶がない。

9月21日水曜日                 ダブルスコープストップ安3日目。この日もストップ安の気配で全く寄りそうにない。もう精神的に限界を感じて精神科へと行った。症状を伝えている途中に涙が止まらなくなってしまい嗚咽しながらも伝えきると、双極性障害、アルコール依存症がひどくなっていると言われた。入院できる施設がある病院への通院も考えるようにと伝えられたが話が全く入ってこなかった。とにかく薬をたくさんくださいとお願いしたが、今の状態だとOD(過剰摂取)しかねない状態だから、来週また来てくださいと言われ最小限の薬しかもらえなかった。病院を出てすぐ処方された薬を飲んだ後は、また記憶が曖昧なうちに寝ていた。

9月22日木曜日                 ストップ安が3回続くと4回目からは下げ幅が4倍になる。昨日の様子からするとこの日もかなり下から始まるではないかと震えながら気配値を見ていた。状況によっては1000万円以上の借金も頭をよぎった、しかし、予想と反して昨日の売り数量からは考えられないぐらい高く値がつきそうな気配値を示していた。成り行きで売り注文を入れ後は祈ることしかできなかった。約定の通知が鳴り1469円で売り1600万円の損切りとなった。借金額は554万円。7年働いてやっと貯めることのできた金額が500万円。その何倍ものお金を1週間足らずで溶かしてしまった。そんなとんでもないことをしたのにも関わらず内心ほっとしている自分がいた。絶望的な状況にも関わらずこの日は不思議と夜眠ることができた。マイナスが大きすぎて0が遠くに見える。それでも自業自得だからしょうがない。死にたくなるけどどうせ死ねないから、薬でだましだまし生きながら働いて返していきたいと思う。

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