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露出《ろしゅつ》について

露出とは明るさを決めること

カメラの露出を決めるには、「絞《しぼ》り」と「シャッタースピード」、それに「ISO感度」。
この他に「レンズの明るさ」やカメラのスペックなども関係するが、今回は、3つに絞って解説する。
(下図は、私が2005年に出版したものからの抜粋)

シャッタースピードと絞りによる光の量

絞りは、光を通す孔の大きさで、シャッタースピードは、光を通す時間。
「絞る」というのは、孔を小さくしていくこと。f 値の数字が大きくなる。
「絞りをあける」というのは、孔を大きくすること。f 値の数字が小さくなる。
絞りをあけると、ピントの合う範囲が狭くなり、ボケ味を出すことができる。絞ると、ピントの合う範囲が前後に広くなり、遠景描写に向いている。この絞りによって、1 点に合わせたピントから前後に合う範囲を「被写界深度《ひしゃかいしんど》」と呼んでいる。
一般的に何故コンデジ(コンパクトカメラ)やスマートフォンカメラでは、全体的に焦点が合っている画像になるかというと、レンズが小さく、絞った状態と同じということ。
また、この被写界深度は、前に浅く、奥に深いという特性を持っている。
レンズ性能からよく「中間の f 値で撮れ」といわれます。私が主に使っているレンズは「F3.5-5.6」と暗いレンズ、絞りは「F3.5-22」中間は「F8」くらい。
デジタルカメラで風景を撮る場合、あまり絞る必要はなく、かえって絞り過ぎると(例えば f 22)回折現象《かいせつげんしょう》(光がまわり、画質が鮮明でなくなる現象)が起きてしまう。

シャッタースピードは、動きのあるものを撮るとき、その速さによって停めたい。あえて動かしたい。暗い状況にて明るく撮りたい。などの意図からシャッタースピードを優先して撮る。例としてスポーツ写真、風景では滝や川など動きのある被写体《ひしゃたい》を狙うときに優先し、絞りやフィルターなどで、露出を調整する。

ISO感度については、別に解説するが、ISO100-12500など設定できるが、私は、明るい状況では、手持ち撮影で「ISO200」三脚撮影で「ISO100」にしている。

露出の確認は「ヒストグラム」で

私は、撮影直後に必ず「ヒストグラム」と拡大して「ピント」を確認している。(液晶モニターだけではわからないため)
「ヒストグラム」は、画像のピクセルを明暗差と量で表したグラフ。

白飛び(ヒストグラムが右に外れている)

この画像は、露出が多く、空の部分が白飛びしているのが「ヒストグラム」からわかる。縦はピクセルの数。白飛び側に高い山があるのは、白飛びしそうなピクセルが多いということ。山がプッツリ切断しているようなのは、その右は白飛びしている証拠。白飛びは、画像データがない状態なので、レタッチができない。

黒つぶれ(ヒストグラムが左に外れている)

この画像は、露出が少なく、水面が黒くつぶれている。レタッチにおいて白飛びよりも少しは救われるが、極端な補正は画質を落とすことになる。

適正露出(ヒストグラムが両サイド外れていない)

白飛び側がぎりぎりだが、なんとか収まっている。これならレタッチをすることで、撮影者の意図した表現に昇華させることができる。

許容範囲5EVのどの値でシャッターを切ったかによってズレる

カメラによって違いはあるが、カメラが許容できる露出の範囲は、約5 EV(Exposure Value)5 段階の露出値があるということ。(シャッタースピードを1/250に固定した場合、絞りをf 8からf 5.6で1 EV)白飛びから黒つぶれのグラデーションのどの位置で中心を決めるか、その中心から黒い方向に2EV 、明るい方向に2EV それが露出の幅。

次回、上記の画像レタッチを「簡易レタッチ」に掲載する。




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