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スキーバス峠を越える

スキーバスは重い

首都圏を23時ころ出発し、スキー場に向かうバス。人も荷物もめいっぱい載せている。ブレーキをかけても効きが悪い。重い。怖い。
各スキー場へは、朝到着するように走るため、一般道を走る。途中高速道路に入る理由は、乗客のトレイ休憩と、危険な個所を避けるために通るだけ。

普段は高速道路に入り、回避する道路、過去に一回だけ一般道で峠を越えたことがある。
登りは、重さと斜度に合わせて登るのだが、下りは実に怖い。滑ったら止まらないという心理が働くからだ。
峠を越えると、人間の錯覚で、平らな道に見えてしまう。すると、ギアをアップしてしまうのが常。
ところが、これが大きな間違い。
ギアをアップしたバスは、重力の法則で加速度が増す。
そうしたら、フットブレーキを踏んでもあまり効いてくれない。いや、ほとんど効いてくれない。
となると、ギアをシフトダウンするしかない。
シフトアップするには、すぐに入るのだが、シフトダウンとなると、回転数を合わせ、入れるしかない。
アクセルを空ぶかしし、回転数を上げ、シフトダウンを試みる。
ギア鳴りし、簡単に入ってくれない。
しかし、シフトダウンしないと加速度が増し、コントロールできなくなる。
この時、「えい!! 入れ!!」ってギア鳴りしても入れる。

ギアがシフトダウンされ、エンジンブレーキが効くと、低速(安全で順当なスピード)で坂を下れる。

大型車にとって、エンジンブレーキを効かさないと、坂を下れない。これは乗用車しか運転しない人にはわからないと思われる。
特にかなり重いものを積んているトラックは、最も顕著《けんちょ》だ。

人間は間違いを犯す

スキーを教えていたことがあるが、雪面は変化に富み、斜度や形状によってバランスを崩してしまう。問題はいかにリカバリーするかだ。
どんなにうまい人でも、バランスを崩す。それを早く修正するかが問題で、その修正力がその人の技術でもある。

ヒューマンエラーとも言われるが、先見の明で予測し、判断し、対処する。リカバリーは、一瞬の判断。それが遅れると、転倒につながる。これは、どのジャンルにおいても言えるのではないだろうか?


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