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 傘をなくした。会社の最寄りで調べてもらったら、東京駅の忘れ物取扱所にそれらしきものがあると言われた。電車に飛び乗ったらギリギリ営業終了時間に間に合うところだった。東京駅についてからがわかりにくすぎて半分諦めた。近くにいた駅員さんに聞いたら、まだ間に合いますね!小走りで行けますか!!って言われて一緒に走ってくれた。途中で何回も大丈夫ですか??って振り向きながら走ってくれた。やさしすぎ。めちゃくちゃいいことありますように。

 まえにオフィスビルのお昼時のめっちゃ混んでるコンビニで「おつかれさまです!」て言ってくれた店員さんと、深夜の工事現場の前をスーツ姿で通り過ぎたら「おつかれさまです〜お気をつけて〜」て言ってくれた警備員さんと並んで遠くから幸せになってねと思ってるピーポーに加えられた。

 りゅうちぇるの命日だったみたい。あの日は衝撃だった。亡くなってなお、叩かれていた。当時は私も、子どももぺこちゃんもいるのに…って思っちゃった。「トランスジェンダー入門」を読んだ時、不用意にこんなこと言うのもあれだけど、もしかして日本で同性婚が認められてたら、あるいは戸籍変更の要件が少し違ったら、りゅうちぇるは亡くならなかったのではと思った。りゅうちぇるが叩かれてしまったのは、小さい子どもがいるのに「離婚」を選んだからだ、と言ってる人が多いように思う。同性婚状態になることが認められてたら、離婚を選ばずに済んだかも。そしたら、ここまで叩かれなかったかも。女の子と結婚しているってことは、自分は男だと法的に社会的に示してるってこと。それがつらかったって理解でいいのかな。

ヘイトがいっぱい目に入る。うっかり「あれ、そうなのかも…?」とヘイト言説に対して思っちゃいそうになる時がある。ネット上の誰かの言葉じゃなくて、顔のわかる情報を見ないといけないと思う。

りゅうちぇるのことを、彼、と書きかけて、何回か消した。

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